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ほじょ犬って、なあに?

橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

身体障がい者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。

プロフィール橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。

著書

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著(中央法規出版)

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著
(中央法規出版)

第51回 「障がい者の自立・社会参加とサービス・ドッグ」スーザンダンカン氏講演

 街にはハロウィンの飾りも見かけるようになり、秋の装いが始まりました。各地の山々も、秋化粧の準備を始めているようですね。さて、先週末に開催されました「第7回 日本身体障害者補助犬学会学術大会」に参加してきましたので、そのご報告をいたします。

全国からほじょ犬達も多数参加!
基調講演に聴き惚れていました・・・♪

 基調講演「障がい者の自立・社会参加とサービス・ドッグ」は、アメリカの元介助犬ユーザーであり、ナショナルサービスドッグセンター所長を勤めておられた、スーザン・ダンカン氏によるご講演でした。

 ご自身が看護師であり、20歳で多発性硬化症を発症され、介助犬を使用していた時期もあり、現在は障害者のアクセスコンサルタントをされています。また、数々の政府の検討委員なども務めてこられた、様々な分野のエキスパートです! 彼女の15年前の来日がなければ、今の当会は存在しなかったでしょうし、わが国の補助犬法ができることもなかった!と言い切れるくらいに、影響力の大きな方です。通訳は、当会副理事長の山﨑恵子が務めさせていただきました。

 10年振りの来日でしたが、相変わらず明るく前向きで、ユーモアに溢れ、素晴らしかったです! 聞いているこちらが元気になるお話。これは天性の才能かと…♪ 惚れ惚れと聴き入ってしまいました。

 スーザン先生の講演で最も強調された部分が、「選択し決定するのは当事者であり、最も多いトラブルの原因は『育成側の希望やルールを押しつけること』! 供給側に様々な欲望(資源、情報等)が絡んできて、どうしても事業者間で邪魔をすることになる」というものでした。米国の現状としてのお話をされましたが、日本国内の現状とも深くリンクしており、非常に勉強になりました。どの分野でも共通していえると思いますが、どうしても走り続ける中で「本来の目的」を見失うことがあります。また、団体間の競争原理が働けば働くほど、難しい問題も発生します。ただ、そんなときにも常に「何のために?」ということを問い続け、当事者の意見に耳を傾け、それを取り入れること!が重要だと改めて感じました。

 続けて、「皆さんにお願いがあります。オリンピックを目指し頑張ってください! そして、本当にそれを実現したいのなら、スタンドプレーではなく、博愛主義的に一致団結して働きましょう!」と声高に仰いました。感動しました~♪♪♪ その通りです。オリンピックほどの巨大事業には、あらゆる分野で巨大な利害が絡み、様々な問題が発生します。ただ、すべての人が「何のために?」を見失わなければ、真のUD社会実現に向かって一致団結できるはずです!(と、言うは易しではありますが…)そのためにも、当会は発信し続けます!

 印象深かったフレーズは、「NOMAL NOT SPECIAL!」 補助犬は【特別ではなく、当たり前に】生活する選択肢だ ということです。その通りです。

 そして最後に、たった1つの言葉を覚えてください、とお願いがありました。「How may I help you?」 この一言でいいのです♪

 当会が日頃、伝えていることと同じでした。障害者に出会ったら「何かお手伝いしましょうか?」この一言でOKです。お手伝いが必要かどうか? どんなお手伝いが必要か? それを決めるのは当事者である障害者です。これは、世界共通なのだと感じました。それが、「お・も・て・な・し」に繋がるのです♪

 この言葉、海外旅行先の欧米諸国ではよく聞きます。店員さんの決まり文句になっています。が、そんな文化が根付いていない日本では、「何かお手伝いしましょうか?」と話しかけることは、まだまだハードルが高いのかもしれません。が、日本にも良い言葉があります!「困ったときはお互い様」って言いますよね! 誰の助けもなく生きて行ける人なんていません。皆、誰かに助けてもらいながら、そして誰かを助けながら生きているのだと思います。

 さ、また今日から『真のUD社会実現』に向けて、一致団結頑張ってまいりましょう!(^o^)/

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 さて、いよいよ今週末の9月28日(日)、ららぽーと甲子園で、イベント「ほじょ犬法ってなぁに?」が開催です! 年に一度、10月1日=補助犬法施行記念日の直前の日曜日の開催♪

  • 日程:2014年9月28日(日)
  • 時間:1回目11:00~12:00 2回目13:00~14:00
  • 場所:ららぽーと甲子園 2F パークウォークコート
  • 主催:厚生労働省  企画監修: NPO法人 日本介助犬アカデミー
  • 協力:社会福祉法人 兵庫盲導犬協会、社会福祉法人 日本聴導犬協会、
       NPO法人 兵庫介助犬協会
 3種の補助犬のデモンストレーションが一度に見られる貴重なチャンス! ぜひ、お買い物ついでに、ご家族・ご友人お誘い合わせの上、足をお運びください! 犬たち&ユーザーさん達と、お待ちしておりま~す♪

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 さて、次週は、厚労省イベント「ほじょ犬法ってなぁに? In ららぽーと甲子園」のご報告です。お楽しみに~♪

ご寄付のお願い「日本補助犬情報センター」より

 当会のビジョンは、全国民が正しく補助犬法を理解することで、すべての人が安心して活躍できる社会を実現することです。補助犬ユーザーの社会参加推進活動、普及活動、最新情報収集、資料等作成配布、講演会・イベント等、当会の活動はすべて無償で行われております。
 皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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