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介護記録に関する疑問

良眠、安眠って書いてない? 
―夜勤の時の介護記録の書き方

 施設で勤務する介護職に必ずあるのは夜勤です。夜勤中も当然、記録を書かなければなりません。
しかし、急変などがない限り、利用者はただ寝ているだけですから何を書けばよいか迷ってしまいますよね。
だからと言って介護記録に「良眠」「安眠」とだけ書いていませんか?
実はそれ、とても危ない記録の方法です。どうしてだめなのか、どうすればいいのか、確認してみましょう。

「良眠」「安眠」って書いていない?

 例えば利用者のCさんという人がいて、その人の夜間の記録を書くことになりました。そんなとき、こんな風に書いていませんか?

9:00 朝まで良眠

え?何がダメなの?
だって実際、いびきをかくこともなく、20時頃から7時前までよく眠っていたもん!
これ以上に何を書けば?

そんなボヤキが聞こえてきそうです。
しかし、この書き方では、夜間巡回時に記録すべきことが記録できていません。どうしてダメなのでしょうか?

「良眠」「安眠」の記載がダメな3つの理由

  • 介護職が勝手に「良く眠れている」と判断しているから
    皆さんは「寝たふり」をしたことありませんか? そうです。「目をつむる」のと「眠っている」のとでは違うものです。利用者は本当は眠れていないのに、介護職が眠っていると判断してしまっているなら利用者の睡眠の質を誤って評価することになってしまいます。
  • 睡眠時間がわからないから
    記録の基本である「いつ始まって」「いつ終わったか」が書かれていません。いつからいつまで横になっていたかを知ることは、睡眠の量や質を判断する重要な要素です。
  • 睡眠の質がわからないから
    眠りの質は特殊な装置を付けない限り、究極的には本人しかわかりません。「良眠」では、どう「よく眠れたのか」もわからなければ、「どうしてそう判断したのか」根拠もわかりません。

夜間の単調な記録も充実させる3つのポイント

 「良眠」「安眠」という書き方がダメだからといって、変化のない睡眠という行為をどう記録にすればよいのか。迷うと思います。しかし、そんな夜間の単調な記録も以下の3つのポイントに気を付ければ、充実させることができます。

  • 寝ているときを時刻で示して書く
    まずは寝ているときの時刻を正確に示しましょう。これだけでも、正確な入眠時間と起床時間がわかり、客観的な情報になります。

    【よい例】
    19時頃、パジャマに着替えてベッドに横になっていただく。

  • 寝ているときの状況を客観的に観察する
    「良眠」「安眠」ではなく、利用者の表情がどうなのか、どんな姿勢なのかを書きます。特殊なことではなく「見たまま」を書けばよいだけです。

    【よい例】
    20時ごろ訪室。いびきをかくことなく目をつむられ、からだは動かない。
    23時ごろ訪室。寝返りをうたれ、体位は変わるものの、眼はつむられている。

  • よく眠れたかを聞いて、利用者の言葉を記録する
    よく眠れたかどうかを判断するために、一番重要なのは利用者本人の言葉です。毎朝眠れたかどうかを聞いて、その言葉を加工することなくそのまま記述します。

    もちろん介護職に気を遣っていたり、薬の処方が嫌で眠れていないのに「眠れている」と答える利用者もいますので、言葉通り鵜呑みにできるわけではありません。それでも、利用者がどのように話したのかは、その時の表情を含めて、良眠だったか判断する重要なファクターです。

    【よい例】
    7時ごろに起き上がりの介助をし・・・「昨日はよく眠れましたか?」と聞くと「よく眠れたわよ。もうすっきり」と笑顔で言われる。

「良眠」「安眠」を安易に使う怖さを知る

 「良眠」「安眠」という言葉は便利で使いやすい言葉です。しかし、それは個人の感じ方でしかありません。
 睡眠は利用者の健康を管理する上で大変重要な要素です。さらに職員の数が減る夜勤時間帯の出来事ですから、なおさら記録は客観的で詳しくなければなりません。
 本記事で抑えたポイントをもとに、客観的でよい記録を書きましょう。

本文監修:鈴木真

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このページの内容は、鈴木真『ステップアップ介護 よくある場面から学ぶ介護記録』からテーマを選定し、Web掲載に見合う形に編集したうえで転載しております。より詳しい内容は本書籍をご覧ください。

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