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再録・誌上ケース検討会

このコーナーは、月刊誌「ケアマネジャー」(中央法規出版)の創刊号(1999年7月発刊)から第132号(2011年3月号)まで連載された「誌上ケース検討会」の記事を再録するものです。
同記事は、3人のスーパーバイザー(奥川幸子氏、野中猛氏、高橋学氏)が全国各地で行った公開事例検討会の内容を掲載したもので、対人援助職としてのさまざまな学びを得られる連載として好評を博しました。
記事の掲載から年月は経っていますが、今日の視点で読んでも現場実践者の参考になるところは多いと考え、公開することと致しました。


第42回 初回面接の翌朝、自殺未遂をしたクライアントへの援助を振り返る
(2002年7月号(2002年6月刊行)掲載)

スーパーバイザー

奥川 幸子
(プロフィールは下記)

事例提出者

Tさん、在宅介護支援センター・ソーシャルワーカー(SW)

事例の概要

Fさん、76歳、男性
世帯形態
 ひとり暮らし。妻とは30年ほど前に離婚。子どもはいない。
生活歴等
 関西地方で生まれ、戦後間もなく県内に移住。大企業の工場で働く。現在、古い賃貸アパートにひとり暮らし。元部下に恵まれ、血を分けた親子のような深い付き合いをしている。近所付き合いは良好。温厚、実直で、物腰低く、礼儀正しく、人当たりのよい方に見受けられる。
 今のアパートには、およそ20年暮らしているが、今年いっぱいで取り壊しが決まっている。
経済状況
 当初の説明では、貯金100万円と月12万5000円程度の年金生活(面接するなかで、実際の貯金額は80万、70万と下方修正され、最終的には30万円しかないことが判明)。
健康状態
 ADLは自立。健康状態良好。胃腸が弱いが、特に目立った病気などはない。痴呆などもなく、非常に聡明で、見た目には60歳代半ばくらいの若さに見える。

プロフィール

奥川 幸子(おくがわ さちこ)

対人援助職トレーナー。1972年東京学芸大学聾教育科卒業。東京都養育院附属病院(現・東京都健康長寿医療センター)で24年間、医療ソーシャルワーカーとして勤務。また、金沢大学医療技術短期大学部、立教大学、日本社会事業大学専門職大学院などで教鞭もとる。1997年より、さまざまな対人援助職に対するスーパーヴィジョン(個人とグループ対象)と研修会の講師(講義と演習)を中心に活動した。主な著書(および共編著)に『未知との遭遇~癒しとしての面接』(三輪書店)、『ビデオ・面接への招待』『スーパービジョンへの招待』『身体知と言語』(以上、中央法規出版)などがある。 2018年9月逝去。