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山口晃弘の超幸齢社会の最幸介護術

山口 晃弘(やまぐち あきひろ)

超高齢社会を実り多き「幸齢社会」にするために、
介護職がすべきこととは?
元気がとりえの介護職・山口晃弘が紡ぐ最幸介護術。

プロフィール山口 晃弘 (やまぐち あきひろ)

介護福祉士、介護支援専門員。1971年、東京都生まれ。高校卒業後、設計士、身体障害者施設職員を経て、特別養護老人ホームに入職し、介護職・生活相談員を務め、その後グループホームの管理者となる。
現在、社会福祉法人敬心福祉会 千歳敬心苑の施設長。著書に『最強の介護職、最幸の介護術』(ワニブックス、2014年)がある。

著書

『最強の介護職、最幸の介護術』
『最強の介護職、最幸の介護術』

「科学的介護以上に、人道的介護を」

 厚生労働省は、2021年4月より、「科学的介護情報システム(Long-term care Information system For Evidence;LIFE ライフ)」の運用を始めました。
 PDCAサイクルによるケアの質の向上をめざしています。

 現在、この対応に多くの現場が追われています。全国から厚労省のデータベース(LIFE)に情報が集まるのです。これを超えるビッグデータはない。ケアの改善を図るフィードバックに、反論の余地がなくなるのでしょうか。

 反対するつもりはありません。科学的かどうかはともかく、根拠をもった介護をするのはプロとして大切なことだと思います。しかし、いま現場はコロナと闘っています。コロナに感染してしまえば、命にかかわるご利用者をお預かりしています。ご利用者を感染させないために…、仲間を守るために…、自分自身と家族を守るために…、職員はコロナと闘っているのです。日常の介護、感染症対策に加え、PCR検査、ワクチン接種、このタイミングで現場にこれ以上の負荷をかけることは、本当に辛いと感じています。

 余裕のない現場で気をつけなければいけないのは、職員たちのストレスです。
 コロナ禍での働き方として、職員は発熱や喉の痛みなど、少しでも疑わしい症状があるときは仕事を休むようにしています。絶対に現場に持ち込まないことを徹底しているのです。これにより、人手不足が発生します。感染症対策に追われるとともに、さらに一人にかかる業務量が多くなるのです。
 業務優先、事故だけは起こさないように、それで精一杯になっても、だれも職員たちを責めることはできないと思います。

 しかし、そのような環境で、ご利用者ははたして幸せでしょうか。安全さえ守られれば、それでいいでしょうか。私たち職員が、最も守らなければならないのは、ご利用者の尊厳です。ご利用者が自分らしく生きる権利を守らなければ…。それが私たち職員のミッションであり、プライドであるはずです。

 ご利用者が求めているのは、科学的根拠をもった介護でしょうか。それは私たち職員がプロとして追及しなければいけないものであって、ご利用者が職員に求めているものは、優しさや思いやり…、もっとヒューマンなものだと思います。

 科学的介護も大事ですが、人としての大事なもの…、人道的介護も追及していきたいです。

新刊のお知らせ(編集部より)

このたび、山口晃弘氏の著書が発行されました!
テーマは、介護現場の「リーダーシップ」と「人材育成」です。

現場の職員から「一緒に働きたい!」と思われる人気者リーダーになるために、役立つ知識、使えるツール、心揺さぶられるエピソードが満載の一冊です。ぜひ、ご一読ください!

介護リーダー必読!
元気な職場をつくる、みんなを笑顔にする リーダーシップの極意
定価 本体2,000円(税別)
A5判、218ページ
ISBN978-4-8058-8278-8

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「別れの曲」