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梶川義人の虐待相談の現場から

梶川 義人 (かじかわ よしと)

様々な要素が絡み合って発生する福祉現場での「虐待」。
長年の経験から得られた梶川さんの現場の言葉をお届けします。

プロフィール梶川 義人 (かじかわ よしと)

日本虐待防止研究・研修センター代表、桜美林大学・淑徳大学短期大学部兼任講師。
対応困難事例、家族問題担当ソーシャルワーカーとして約20年間、特別養護老人ホームの業務アドバイザーを約10年間務める。2000年から日本高齢者虐待防止センターの活動に参加し、高齢者虐待に関する研究、実践、教育に取り組む。自治体の高齢者虐待防止に関する委員会委員や対応チームのスーパーバイザーを歴任。著書に、『高齢者虐待防止トレーニングブック-発見・援助から予防まで』(共著、中央法規出版)、『介護サービスの基礎知識』(共著、自由国民社)、『障害者虐待』(共著、中央法規出版)などがある。

相棒のいる幸せ

スマートウォッチは語る

 私も、生活習慣病が気になるお年頃なので、それなりに健康に気を遣っています。そこで、最近流行りのスマートウォッチを買ってみました。健康管理機能の他にも、メールやSNSの通知、スケジュールやタスクの管理、GPSなど、実に数多くの機能があります。しかし、一番役に立ったのは、自分がことのほか「自分に甘い」と教えられたことです。

 普段よく歩くように心がけているので、「かなり沢山歩いたからカロリーも沢山消費しただろう」と確認したら、500mlの缶ビール1本分位しか消費していません。ご褒美で晩酌のビールを1本追加しようものなら元の木阿弥です。それに、何度ストレスチェックしても、自分の思いとは裏腹にいつも「軽度」であり、予想は裏切られっぱなしです。

独りよがりにご用心

 こうして、自分がいかに自分自身に甘いか分かってくると、他にも独りよがりなところがあるはずだ、と気になってきます。ブログや原稿なら、担当の編集者が指摘してくれますし、研修なら受講者のアンケート結果を見れば、何とか客観性を担保できそうではありますが、こうしたものがないときは、一体どうすれば良いのでしょうか。

 そこで振り返ってみると、誰かに助けられた経験の多さに思い至ります。スーパーバイザー、弁護士、医師、作業療法士などの専門家には大変お世話になりましたし、家庭訪問に同行してくれた看護師にも、家族担当である私が日常的によく話し合った利用者担当のソーシャルワーカーや介護士にも、本当に数え切れないくらい助けて貰いました。

バティを組もう

 こう考えると、虐待などの対応困難事例には、担当を2人つけると良いように思えてきます。主担当と副担当、虐待者担当と被虐待者担当など、スタイルはいろいろ考えられますが、お互いに助け合ったら、1足す1が3にも4にもなって、大きな力を発揮できそうです。ソーシャルワーカーと保健師の組み合わせなどは、いかにも強そうではありませんか。

 ですから、異職種の相棒にすると守備範囲は広がるように思えますが、たとえ同職種であっても、互いを活かし合えたなら、大きな力を発揮できるので問題はなさそうです。TVドラマの「相棒」の刑事たちのように、あるいは息の合った漫才コンビたちのようになれたなら、何と素晴らしいのでしょうか。

 担当者を2人にすることで、ひょっとしたら対人援助の新たな地平が開かれるかもしれない、そんな期待さえ持ちたくなります。そして、これまでは虐待防止研修の内容を、「一人仕事」前提で考えてきたことも見直したくなります。2人組で対応することを前提とした内容をも盛り込もうというわけですが、本気で考えて試行しみようかしら。

「私のバディを紹介します!」
「実質的に1人ですよね?」

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