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ほじょ犬って、なあに?

橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

身体障がい者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。

プロフィール橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。

著書

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著(中央法規出版)

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著
(中央法規出版)

第251回【当たり前の日常ってなんでしょう・・・その2】

 さて、当会のSNSでもご紹介しておりますが、先日、補助犬ユーザーさん3名にお集まりいただき、テレビ番組の収録をしてきました。詳細は、公開日程等が決まりましたら、またこちらでもご紹介させていただきますね♪

介助犬がいても、届かないところのものは取れません。
皆さんのサポートを!

 さて、前回は住居に関して書いてみました。住居は基本的に「人」が最も長時間滞在する場所になると思います。それが上手く探せないというのは、本当に大きな苦労だと感じています。

 そして、もうひとつ、大切なことに「移動」の問題があります。

 障害のある人々にとって、心配な点が多いのがこの「移動」です。障害によって必要な情報やサポートは異なりますが、基本的に共通していえるのは、「1人として同じ人間はいないので、サポートに関しても人それぞれであること」ということを知っておいて欲しい、という点かと思います。

 2020年に向けて、急速に導入が進むジャパンタクシー(JPN TAXI)に関する報道がありました。 UDタクシーを標榜するJPN TAXIだが、実際に公共交通として普及が始まると、ドライバーや事業者、そしてユーザーからも様々な声が寄せられた。 中でも新聞記事にも取り上げられるニュースになったのが、車いすユーザーからの「スロープ設置に時間がかかり乗車に手間取った」「車いすを理由に乗車拒否された」といった悲痛な声だった。インターネット上で改善要求の署名も集められ、車いすユーザーのほかタクシードライバーらも賛同。集められた署名は1万1千人を超えた。
(抜粋)https://autoc-one.jp/toyota/jpn_taxi/launch-5003754/

 もしかしたら、皆さん「?」と思われるかと思いますが、いまだに、障害のある方々は、タクシーからの乗車拒否という差別的取り扱いと対峙しておられるのです・・・信じられない方も多いかと思いますが、それが現実なのです。

 冒頭にお伝えしましたテレビの撮影、竹橋駅直結のビル内にあるMOFCA(千代田区障害者よろず相談所)にて実施されたのですが、その帰り、介助犬ユーザーさんとビル前のタクシー乗り場でタクシーを待っていると・・・ 確実に車椅子ユーザーさんを確認したであろうタクシー数台にスルーされました。(視覚障害者だったら、それを確認することさえ出来ない…)そして、ようやく来た!と思ったタクシーが、なんとジャパンタクシーだったので、私はラッキー♪と思い、運転手さんに「車椅子です♪」と伝えましたところ・・・ 「あ、車椅子ですか・・・操作がわからなくて・・・」と、ソロソロと去って行かれました・・・もちろん、当事者にとってはショックなことではありますが、もう「またか」といった感じです。とても残念で悲しい気持ちになりました。
 その後、ようやく来たのはセダンタイプの普通のタクシーでしたが、運転手さんが降りてきてくださり、車椅子ユーザーの指示の通り、車輪をはずし、トランクに載せ、車体は助手席へ入れるという流れで乗り込むことが出来ました。(車への乗り方や車椅子の収納の仕方は、その方がプロなので、その方の希望されるサポートをしていただければよいのです♪それがまさに、障害者差別解消法でいう合理的配慮なんです!)

 また、その会場に向かう時にも、竹橋駅のバリアフリーが完備されていないため、東京駅からタクシーに乗り込もうと思ったところ・・・3台のタクシーから拒否されていたのでした・・・。1台目は「犬がダメ」2台目は「車椅子がダメ」・・・ 私の大切な仲間が、そのような扱いを受けていたことを知り、とても心が痛みました。2020年に向け!と言っている矢先の現状、まだまだこんなレベルなんです。。。
 2020年には多くの障害のある方々が訪日されます。その時に、どんなおもてなしができるか?これは国民の「心」の在り方が問われる問題でもあります。皆さん、「自分には関係ない」と思っておられませんか???

 番組収録日、集まってくださった補助犬ユーザーさん達は、3名ともが中途障害の方々でした。つまり、我々と同じような幼少期を過ごし、大人になったある日、進行性の疾病だったり、急な事故だったり、原因は様々ながら、ある日のその時から「障害者」と言われる状況になったわけです。これは誰にでも起こりうることなのです。その当事者は日常の「当たり前」が「当たり前」でなくなる・・・こんなに辛く悲しいことはないと感じます。

 収録の中で、インタビュアーの方が「僕、今までたくさんの障害者と言われる方にお会いして来ましたけど、今日はとってもリラックスというか、とても楽しく気負わずに話してます!それは、きっと、この足元にいる犬たちが居るからだと思うんです!」と言ってくださいました。補助犬たちは、そこに居るだけで、人と人を笑顔でつないでくれる、そんな不思議な力を持っています。障害のある方々が「当たり前」を「当たり前」にするチャレンジをするための、勇気とパワーをくれる、大切な存在なのです。
 ぜひ、受け入れ側の皆さんも、お客様の中には多様な方がいるんだ、ということを知っていただき、「当たり前」に受け入れて欲しいです♪ 当会では、実際の補助犬ユーザーさんをお連れして、受け入れ方セミナー等実施しております。詳細はお気軽にご連絡ください。

<ご寄付に関しまして>

 寄付サイトをご覧下さい。

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【障害者支援】補助犬を知っていますか 差別解消に向け理解を広げたい


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 是非、皆さんの様々なお声を、お寄せください。当会では、一緒に社会を更に更にステキに変えて行って下さるサポーターの皆さんを募集しております。お気軽にご連絡ください♪

ご寄付のお願い「日本補助犬情報センター」より

 当会のビジョンは、全国民が正しく補助犬法を理解することで、すべての人が安心して活躍できる社会を実現することです。補助犬ユーザーの社会参加推進活動、普及活動、最新情報収集、資料等作成配布、講演会・イベント等、当会の活動はすべて無償で行われております。
 皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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