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ほじょ犬って、なあに?

橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

身体障がい者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。

プロフィール橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。

著書

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著(中央法規出版)

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著
(中央法規出版)

第24回 ほじょ犬都市伝説 その4 ……ほじょ犬のストレス?(2)

 パラリンピック、終わりましたね~。日本選手の皆さん、本当に素晴らしい活躍でした!(報道の少なさにはガッカリでしたが……)。

 結果は、日本は金3、銀1、銅2のメダル6個を獲得。金メダル数は、海外での冬季大会では過去最多タイだそうです。お疲れ様でした。。。

 閉会式のテーマは、「不可能を超える」。場内には「IMPOSSIBLE(不可能)」という巨大な電光表示の文字が登場。足に障害のある選手が手の力だけでロープを登り、文字を動かして「I’M POSSIBLE(私はできる)」と変化させる演出があり感動しました♪ 次回冬季大会は2018年、韓国の平昌で開催です。

「次は何をしたら褒めてくれる?」そんな眼差しがたまりません!

 さて、これまでの「ほじょ犬都市伝説」では、「ほじょ犬の寿命は決して短くないこと」「訓練は厳しいばかりのものでなく、かわいそうではないこと」などをご説明してきました。

 ほじょ犬は、「ずーっとお仕事してえらいわね~」とよく言われます。そして時に、「ずっとお仕事してかわいそう」という声も聞きます。今回は、この「お仕事」と「ほじょ犬のストレス」について考えてみます。

 大人の多くは、「お仕事」をしています。その「お仕事」に対するイメージは、どんなものでしょうか?

 「趣味の延長で、仕事が楽しくて楽しくて仕方ない!」という方も中にはおられるでしょうが、残念ながら多くの方にとって、「お仕事」とは【責任が発生して大変な事柄】ではないでしょうか(もちろん楽しみもありますが、楽しいばかりではないですよね…やっぱり…)。

 かくいう私も、このブログをお仕事として(もちろん楽しみながらではありますが♪)、時に〆切にプレッシャーを感じながら書いています。やはり、ちょっと大変なイメージは否めません。

 では、犬たちにとってはどうなのでしょう?

 訓練は、厳しいばかりのものではないことは先にお伝えしましたが、遊びの延長線で褒めて褒めて♪――要は、正解探しゲームをしているわけです。

 例えば、介助犬に、「指示されたものを持ってくる」作業を教えるときは、

 (1)指示されたものの近くに行くと、褒められる → (2)指示されたものに顔を近づけると、褒められる → (3)指示されたものをくわえて持ってくると、もっと褒められる! → (4)手元に渡すと、さらに褒められる! といった正解探しゲームの感覚です♪

 そんなふうに訓練されているので、ほじょ犬たちにとって『お仕事』とは、決して人間の持つマイナスイメージの強い言葉ではなく、プラスイメージの強い言葉なのです♪

 また、「24時間お仕事なんてかわいそう!」と思っていらっしゃる方も時々おられますが、実は、ほじょ犬のお仕事の中で、最も多いのは、【寝る】というお仕事です。

 つまり、「お仕事が発生していない時間」=「リラックスして寝ていてよい時間」となります。ですので、ほじょ犬の大切な性質として、【どこでもリラックスして寝られる犬】という点がとても重要視されています。

 それができずに、終始周囲の音が気になって寝られないとか、ストレスを感じてしまう犬の場合は、「適性なし」として訓練犬から家庭犬にキャリアチェンジされます。それほど、重要な性質とされているのです。

 だったら、私得意かも!って思った方も多いのではないでしょうか?(笑)

 でもどんなに爆睡していても、お仕事が発生したら、即仕事モードにスイッチが入る!というのも重要なポイントです。それができる人間は……なかなか少ないかもしれませんね(笑)

 次回は、「ほじょ犬都市伝説 その5 ……ほじょ犬はトレイを我慢している?」です。どうぞお楽しみに♪

ご寄付のお願い「日本補助犬情報センター」より

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