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ほじょ犬って、なあに?

橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

身体障がい者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。

プロフィール橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。

著書

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著(中央法規出版)

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著
(中央法規出版)

第98回 犬の睡眠について

 毎日の暑さが身にしみていましたが、やはり、本格的な暑さが過ぎ去ると、何となく寂しい気分になるのは私だけでしょうか? とはいえ、秋晴れの気持ちよさは最高! この秋の過ごしやすい気候が、長く続くとよいのですが…… きっとすぐ寒くなる!ので、今のうちに犬たちとの心地よい秋散策、楽しんでください♪♪♪

犬の寝言って聞いたことありますか?
夢を見て走ったりするんですよ!

 補助犬たちの様子を見ていると、ユーザーさんが会議中だったり食事中だったり、「自分はしばらく仕事がないな」とわかるや否や、すぐに睡眠モードに入ります。でも、お仕事が発生したらすぐにスタッ!と起きて作業をしてくれます。その様子に「えらいな~私にはマネできない!」と常日頃から思っていましたが、その秘訣は睡眠にあったようです……。

 犬の平均睡眠時間は、12~14時間程度と言われています。この睡眠時間の長さは、先祖といわれているオオカミの名残であり、基本的に狩りをして過ごしていたので、狩りと狩りの間は身体を休めるメカニズムがあったようです。

 また、人間と同じく、レム睡眠(浅い眠り。体は休息に入っているものの、大脳は目覚めている状態)とノンレム睡眠(深い眠り。血圧や体温、呼吸も低下し、体だけでなく大脳も休息の状態)があります。
 人間は「レム睡眠」が約90分の周期で現れ、睡眠全体の80%は「ノンレム睡眠」だといわれています。なので、「レム睡眠」のタイミングで起床できれば寝起きが良いといわれてますよね。

それに対し、犬は逆で、「ノンレム睡眠」が20%、「レム睡眠」が80%だといわれています。これもオオカミ時代の名残であり、敵が近づいてきたり、襲撃された時に寝ぼけていてはやられてしまうので、すぐに攻撃態勢に入るか?逃げるか?の行動に移せるよう、浅い眠りの比率が多くなっていると考えられています。
犬の様子を見ていると、眠っているように見えても、ちょっとした物音でパッと目が覚め、軽やかに動き出すことがあると思います。補助犬たちもまさに、これなんです! これは浅い眠りの「レム睡眠」が大半である犬だからこそできるのです。

 よく、「四六時中、仕事させられてかわいそうに……」と言われることがありますが、補助犬たちに実際仕事が発生している時間は、とても短いのです。ほとんどの場合が、『待機』という名のお仕事。しかも本人たちにとっては『仕事』ではなく、大好きな人にほめて貰える嬉しい作業♪だったりするのです。最も大切で大好きなパートナーである補助犬ユーザーさんのもとで、安心して、いつでもどこでも夢を見ながら寝られる補助犬たちは、とってもハッピーなんですよ♪

 ぜひ、チャンスがあれば、補助犬たちの寝起きの様子を観察してみてください。ノビをしたりして、ちょっと体制を整えてから、シッポぶんぶん! 「お仕事終わった? お利口だったでしょ♪ ほめてほめて♪」と言わんばかりにアピールする姿は、たまりませんよ♪

ご寄付のお願い「日本補助犬情報センター」より

 当会のビジョンは、全国民が正しく補助犬法を理解することで、すべての人が安心して活躍できる社会を実現することです。補助犬ユーザーの社会参加推進活動、普及活動、最新情報収集、資料等作成配布、講演会・イベント等、当会の活動はすべて無償で行われております。
 皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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