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ほじょ犬って、なあに?

橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

身体障がい者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。

プロフィール橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。

著書

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著(中央法規出版)

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著
(中央法規出版)

第89回 補助犬たちが教えてくれること~喜びのある介助~

 梅雨の晴れ間、貴重なお洗濯のチャンスでもありますが、犬たちのお散歩のチャンスでもありますね! 雨が続くと、運動不足になりがちです。おうちの中でも知育犬具等の工夫をしながら、リフレッシュしてくださいね♫ うちの、お散歩大好き猫のクルミさん、雨の日は1歩も出たがりません。わかりやすい!(笑)

聴導犬は保護犬が多いため、MIX(雑種)が多いのも特徴です。小型犬から大型犬まで活躍していますが、雑踏の中で踏まれたりしないよう、小さすぎる犬は選ばれません。

 先週、聴導犬ユーザーさん達と、NPO法人essenceさんの手話交流ランチに参加してきました!(参考:http://npoessence.exblog.jp/21283928/) 10名中、健聴者は4人。しかも、お店はソーシャルカフェ「sign with me」なので、店員さん達もみんな聴覚障害者で手話者。普段とは逆で、私たちがマイノリティー。手話ができない不便さを感じます……もっともっと、勉強せねば!

 「相手の立場に立って考えよう!」と言葉では簡単に言えても、なかなか、本当の意味で相手の立場を理解するのは難しい……というか、結局は、その方にはなりきれないから無理なんです。だからこそ、大切になるのが「想像力」。補助犬達は、そのヒントをたくさん教えてくれます♪

 例えば、聴導犬を連れていることで、その方が聴覚障害者であることの目印になります。つまり、『聴覚障害は、外見ではわからない障害なんだ』ということを教えてくれます。また、音声アナウンスを伝えてあげるお手伝いができる!ことも教えてくれます。

 また、介助犬はユーザーが指示した物を取ってきてくれます。それは、「人にお願いしてやってもらったこと」ではなく『自分でできた!』という自尊心に繋がります! 肢体不自由の方で、普段は自分で物を取りに行くことができず、家族に頼むしかなかった状況のなか、たとえ家族であっても、やはりそこには気兼ねだったり、何度も言えないから少し我慢しよう……などの遠慮が日々の生活の中にあったことを教えてくれます。

 盲導犬と歩くと、見えていた頃と同じスピードで、風を切って安全に歩くことができる!のです。また、盲導犬は自分だけの幅と高さではなく、ユーザーさんと2人分の幅と高さを考えて障害物を避けてくれます。白杖で歩くことは、白杖で触れる障害物のことはわかっても、上部に突き出ている看板等の障害物がいかに危険か?そんな危険を感じながら外出されていることを教えてくれます。そして、何より、私たちが常に点字ブロックの上に障害物を置かない、等のマナーを守る大切さも教えてくれます。

 補助犬たちは共通して、「喜びのある介助」をしてくれます! 皆さん、こんな経験はありませんか? 家族に何か頼まれたとき、「もう!今忙しいのに!」と怒ってしまったり……(はい、私も子ども達から「あれして!これして!」と何度も言われると、イライラしたり、無駄に怒ってしまったりすることあります……汗)。

 補助犬たちの姿勢を見ていると、そんな自分を反省してしまいます。シッポふりふり、大好きなユーザーさんに褒められるので、常に「喜びのある介助」をしてくれます。家族の介助にももちろん愛情はありますが、常時、喜びがあるかと言いますと……。なかなか、タイミングなどもあり難しいですよね。やはり遠慮も出てくると思うのです。それが、『犬』であることの大きな魅力でもあると思います♪

 実際の障害者の方々の声を聞くことが、何よりの学びであり、気づきになります。1人でも多くの方々が、そんなチャンスに恵まれるよう、当会は引き続き、当事者の皆さんが活躍できる社会作りを頑張ってまいります!!!(^_−)−☆

ご寄付のお願い「日本補助犬情報センター」より

 当会のビジョンは、全国民が正しく補助犬法を理解することで、すべての人が安心して活躍できる社会を実現することです。補助犬ユーザーの社会参加推進活動、普及活動、最新情報収集、資料等作成配布、講演会・イベント等、当会の活動はすべて無償で行われております。
 皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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