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わが国初の「コミュニティソーシャルワークの教科書」


 昨年、NHKのドラマ10「サイレント・プア」の影響から、コミュニティソーシャルワーカー(CSW)の存在と活躍が話題となりました。深田恭子さん演じる社会福祉協議会コミュニティソーシャルワーカーの活躍は、実在するモデルからつくられたこともあり、多くの視聴者、特に福祉関係者に大きな共感を呼びました。

 各地の実践者からは、ドラマのコミュニティソーシャルワーカーの活動に対して賛否両論あったと聞いていますが、それは、「よくぞ私たちコミュニティソーシャルワーカーの現場の姿を示してくれた、あるべき姿を示してもらった」という賛辞と「期待されてもそこまで支援できない」という意見があったようです。

 しかし、コミュニティソーシャルワーカーが積極的に地域に出向き、福祉サービスを必要としている人を発見し、その人と信頼関係を築き、制度化させたサービスの枠だけでなく、その人が自立して生活するための問題解決をする実践は、これからの地域には必要なことだと誰もが感じたと思います。

 いま、各地のコミュニティソーシャルワーカーのすぐれた実践は、その必要性とともに紹介されることが増えており、現場が声を上げ実践をレベルアップし、さらに深くそのスキル・知識やシステム等を学び始めています。もちろんその際には、限られた実践者のみに注目し、個々人の意識や努力のレベルにとどめることなく、コミュニティソーシャルワークに関わる専門職が、他の人とともに力を発揮できるシステムの構築こそが必要になります。

 本書は、おそらく日本で初めて「コミュニティソーシャルワーク」の「理論と実践」を書籍としてまとめたものだと思います。監修にあたった日本地域福祉研究所では、「コミュニティソーシャルワーク実践者養成研修」を2004年から10年にわたり実施しており、本書は、これまでの各地の実践者を養成してきた研修を積み重ねた成果でもあります。研修内容をさらに精査し、9つの先駆的実践事例も紹介し、「コミュニティソーシャルワーク」の基本的内容から実践に役立つ体系的学習ができます。

 全国の現場のコミュニティソーシャルワーク実践者をはじめ、これからコミュニティソーシャルワーク実践に携わる人びとが待ち望んだ基本テキストとなっています。

 ぜひ、本書を活用して多くのコミュニティソーシャルワーカーが育ち、住民が誰もが安心して暮らせる地域づくりが推進されることを願ってやみません。

(中央法規出版 第1編集部 野池隆幸)

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