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ケアマネジメントプロセスの要所を示す


 ケアマネジャーの仕事の特徴として、結果が見えにくいということが挙げられます。医療であれば、治療によって病気がよくなったなど、誰の目にも明らかな評価軸がありますが、相談援助に分類されるケアマネジャーのかかわりの結果ははっきりしないことも珍しくありません。

 それは同時に、自らも自分の仕事の質が評価できないということであり、「自分の力量はどの程度なのか」「何を学べば力がつくのかわからない」と悩むケアマネジャーは少なくありません。

 兵庫県介護支援専門員協会では、そうした現場の悩みに応えるべく、業務の振り返りを目的としたチェックリストの開発に取り組んできました。研修などでの使用を積み重ね、多くのケアマネジャーがつまづくポイントなども見えてきて、このような活動の結果、完成したのが、本書に収載されている「ケアマネジメント100のポイント」です。

 チェックリストとともに、インテークから終結まで、ケアマネジメントプロセスにおける要所で“やらなければならないこと”が解説されています。たとえば、インテークであれば、ポイントとして掲げられた「支援を必要としているか否かを判断する」「介護保険制度の概要、提供サービスについて説明する」「ケアマネジャーの役割と責任を説明する」について、行うべきことが例示とともに具体的に示されていきます。自己点検だけでなく業務の指南書としても活用することができます。

 仕事に就いたばかりの新人の方から、自分のスキルを高めたい中堅の方、あるいは後進の指導にあたるベテランの方まで、ケアマネジメントにかかわるすべての人に読んでいただきたい1冊です。

(中央法規出版 第1編集部 猪俣久人)