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山口晃弘の超幸齢社会の最幸介護術

山口 晃弘(やまぐち あきひろ)

超高齢社会を実り多き「幸齢社会」にするために、
介護職がすべきこととは?
元気がとりえの介護職・山口晃弘が紡ぐ最幸介護術。

プロフィール山口 晃弘 (やまぐち あきひろ)

介護福祉士、介護支援専門員。1971年、東京都生まれ。高校卒業後、設計士、身体障害者施設職員を経て、特別養護老人ホームに入職し、介護職・生活相談員を務め、その後グループホームの管理者となる。
現在、社会福祉法人敬心福祉会 千歳敬心苑にて人材育成担当。著書に『最強の介護職、最幸の介護術』(ワニブックス、2014年)がある。

著書

『最強の介護職、最幸の介護術』
『最強の介護職、最幸の介護術』

桜咲く 卒業と新たな旅立ち

 東京も桜が咲き始めました。いよいよ新年度が始まろうとしております。
 この時期は、退職や異動など今の職場を卒業する人が多いですね。
 今まで勤めた職場を離れるというのは、やはり寂しいものです。胸に去来するものがあることでしょう。
 しかし、転職や異動は新たな旅立ちです。感傷に浸っている暇はありません。一刻も早く旅の仕度をして次の冒険に備えましょう。
 新たなステージでは、また一から人間関係を築いていかなければなりません。利用者との関係、家族との関係、職場の人との関係、地域・関係者との関係。これらを築いていくのは容易ではありません。
 私は2年前、今の特養にやってきました。初日の朝礼で「元気ですかーッ!! この施設を日本一の施設にするためにやってきました!」と挨拶しました。みんなが「何?このおかしな人?」という表情で私を見ていました。あれから2年。今ではみんな好意的に受け入れてくれます。
 今から5年前、私はグループホームの所長に就任しました。その直後に家族会懇談会があり、たった一人その場に立った私は同じように「元気ですかーッ!! この施設を日本一のグループホームにするためにやってきました!」と挨拶しました。そして、「明日が楽しみになる今日を創る」という施設の新たなビジョンを立てたことを発表しました。
 すると家族の方から、「所長さん、明日が楽しみになるって言われても、うちの母は5分前のことも忘れてしまいます。そんな母にどうやって明日を楽しみにしてくれるのでしょうか?」と質問されました。私は「見ていてください。必ずこのビジョンを実現してみせます!」と約束しました。
 その1年後、同じ家族の方から「所長さん、認知症って治るんですか? 明らかに母の認知症はよくなっているように感じます。このままだと、グループホームを退所しなきゃいけなくなるんじゃないかって、家族で心配してるんです」と笑って言ってくれました。

 真剣に、誠実に向き合っていけば、人はいつか心の扉を開いてくれます。
 新年度、新たなステージへ向かう方のご活躍を応援しています。
 異動や転職をしない方も、4月は新たな目標を立てるのに最適な1年のスタートです。昨日が今日でも、今日が明日でも変わらないような毎日ではなく、明日が楽しみになるような人生を生きましょう!