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高室成幸のケアマネさん、あっちこっちどっち?

高室 成幸 (たかむろ しげゆき)

全国津々浦々、研修・執筆・アドバイザー活動を神出鬼没(?)・縦横無尽に展開する高室成幸さん(ケアタウン総合研究所)。
研修での専門職との出会いや、そのなかでの懇親的な現場を届けます。

プロフィール高室 成幸 (たかむろ しげゆき)

ケアタウン総合研究所所長。
日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』『新・ケアマネジメントの仕事術』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。

考えるヒントの本音:ありがとう

 10月号が手元に届きました。今回の「考えるヒント」は・・・みなさんが大好きな「ありがとう」です。どうして、「ありがとう」を取り上げたか・・・それは、「ありがとう」を言われることが当たり前になっている現場があること。「言われるより言うことを多くしよう」というのが今回の主旨です。


 今回、どうして、このテーマを選んだか、それをお話しましょう。

 私が、違和感を感じたのは、介護現場でやる気を感じるのは「利用者の方からありがとうと言われた時です」というのがトップに来ているアンケートでした。

 もちろん、誰だって人から感謝されるとうれしいのはわかります。役に立ったという有能感は、自信にもなり、自己肯定感を持てることは、とても大切な事です。

 しかし、介護現場で利用者の方が「ありがとう」を言ってくれるというのが至極当たり前なことになりやすぎていませんか。では、それがどのような時なのか。食事介助や移動介助、排泄介助など、ご本人ひとりではできないことを手伝ったときに「感謝の言葉」がもらえる。

 でも、ちょっと立ち止まってください。

 それって、一般的な「感謝の気持ち」ばかりでしょうか?という、私なりのツッコミです。


 3歳の子どもなら、たいてい自立していることばかりです。それを介護されることは「うれしさ」でしょうか?むしろ、自分への情けなさ、やってもらっている人への申し訳なさ、が込められているんじゃないでしょうか?

 もしかすると、この程度のことで感謝をしなければならない自分はなんだろう・・・と「惨め」な気持ちの人がいるのではないでしょうか。


 介護・福祉に働く多くの人は「ありがとう」を言ってもらえる側です。だから、仕事にやる気が湧く・・・それほどに「感謝の言葉」に相手のモチベーションを上げる力があるなら、現場で利用者の方々に、あなた方が言うべき言葉が「ありがとうございます。」ではないでしょうか?というのが、私のメッセージです。

 ですから、コラムの導入部分で、某有料老人ホームの社長の「入居者様のありがとうが私たちの支えです。たくさんのありがとうを作ります」という新聞広告にとても違和感を覚えた、を書いたのも、そういう本音があったからです。


 詳細は、月刊ケアマネジャー10月号をご覧ください。書店でも絶賛、発売中とのことです!(^^)!

 ※みなさん、11月号をお楽しみに!その理由は1カ月後にわかります・・・(^^ゞ

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 私の研修の様子は、ケアタウン総合研究所の公式FBをご覧ください。