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私はこうして合格しました!

国家試験を突破して精神保健福祉士の資格を取得した合格者の皆さんに、合格までの道のりをご紹介いただきます。効果的な勉強法や忙しいなかでの時間のつくり方、実際に資格を手にして思うことなど、受験者が参考にしたい話が満載です。

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第54回 有野雄大(ありの・ゆうだい)さん

見出しリスト

プロフィール

有野雄大(ありの・ゆうだい)さん
平成27年度試験合格

受験前、御利益を信じている
北野天満宮を参拝しました

 中央大学法学部卒業。山梨県出身。高校時代に「夜回り先生」(中高生の非行や薬物乱用の問題に取り組み、同名の著書も持つ水谷修氏)の講演を聴き、それがきっかけとなり、大学時代に非行少年の立ち直りにかかわるボランティアに携わった。やがて、プロとしても非行少年や罪を犯した人の更生にかかわりたいと考えるようになり、法務省に入省。保護観察官として5年間、各地を転属勤務した後、法務省本省で2年間勤務。その後、省内の人事交流制度により刑務所勤務に移り、現在2年目。性犯罪受刑者の改善指導を行っている。精神保健福祉士の資格は、保護観察官として経験を重ねるなかで、保護観察対象者とのコミュニケーションや行動特性について専門的に学ぶ必要を感じ、取得を決意。業務状況から受験勉強に充てられる時間が限られていたため、養成校は土日にスクーリングが設定されている2年制の通信教育課程を選択。今年1月の国家試験(平成27年度試験)に見事合格した。好きなものは、ゆっくりできる近場の温泉旅行、スポーツなかでも野球観戦。きらいなものは、虫とか鳥とか飛ぶ生き物。「今後は司法の領域が関係してくる性依存、薬物依存などについて、研究という角度からもアプローチしていきたい」、方角も広げながら弛みなく向学する32歳。

受験の動機

 保護観察所には、犯罪をした成人や非行のある少年に対する保護観察や生活環境の調整を実施する「保護観察官」のほか、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った人の社会復帰を促進する「社会復帰調整官」が配置されています。精神保健福祉士を目指そうと思ったのは、ちょうど保護観察官が社会復帰調整官の仕事を経験する制度が始まった頃でした。保護観察官としての知識や技術の幅を広げるため、社会復帰調整官の職務を経験したいと思うようになり、そのためには社会復帰調整官の任用資格である精神保健福祉士の資格が必要ではないかと考えたため、精神保健福祉士の資格取得を目指すことにしました。

 プロフィールにも紹介いただいているように、当時は知的障害や発達障害、精神障害などを抱える保護観察対象者の処遇に悩んでいたときでもありました。何年も続く保護観察官としてのキャリアを考えたとき、よって立つ専門性が必要だと考えるようになったのも精神保健福祉士の資格取得を志した理由です。

 社会復帰調整官が地域の社会資源を効果的に活用する姿を間近で見聞きしていたことも刺激になりましたし、周囲の保護観察官で精神保健福祉士資格を取得している人が何人もいたことも受験を後押ししました。

レポート作成を通じて力をつけていく

 福祉系の大学の出身ではなかったため、一般養成施設に入学するところから始まりました。平日は夜遅くまで仕事をしていたので、専門学校の通信課程を選択し、かつスクーリングが土日の学校を志望しました。入学選考で小論文を提出するのですが、精神保健福祉士がどういう資格なのかよく理解していなかったため、精神保健福祉士に関する本を何冊も読み、この職種の業務や必要とされる姿勢、知識などを学びました。

 専門学校では2か月に1回、計4通のレポートを提出しました。それを作成するために、中央法規から出版されている社会福祉士養成講座編集委員会編集『新・社会福祉士養成講座』シリーズや、へるす出版から出版されている新版・精神保健福祉士養成セミナー編集『新版・精神保健福祉士養成セミナー』シリーズ(いずれも専門学校で勧められたもの)を何回も読みました。このことが合格するのに必要な、ベースとなる力をつけるのに役立ったと思います。

勉強のスタイルを工夫する

 当時は法務省本省に所属し、勤務時間は午前9時半から午後9時頃までと長かったため、学習時間の確保には苦労しました。平日は自宅で学習することが難しかったので、片道1時間半の通勤時間で教科書を読み込み、休日に自宅や図書館、時にはカフェなどでレポートを作成しました。受験勉強に取り組んだ2年間のなかで、1回あたりの勉強時間に1時間以上充てられたことは一度もなかったと思います。そんな事情もあって、レポートを作成するために奮発してタブレットPCを購入したのですが、手軽に持ち運びができて、どこでもレポートが作成できるのでとても役立ちました。

 専門学校のレポート提出がすべて終了してからは、中央法規から出版されている『精神保健福祉士国家試験らくらく暗記マスター』を通勤時間に何度も読み返し、受験に必要な知識の定着を図りました。

モチベーションを維持するためにさまざまな機会を活用

 専門学校では1年目の夏に8日間のスクーリングがあり、いろいろなバックグラウンドを持った人たちと机を並べて講義を受けたり、小グループを作って話し合いをしたりしました。実際に就労支援事業所で勤務されている方や精神科の医師の講義では実務的な話を聞くことができましたし、他職種の方の意見からは自分にはない考え方を学ぶことができました。スクーリングはとても有意義な時間でした。プライベートの付き合いこそありませんでしたが、一緒に合格を目指す仲間ができ、とても心強かったです。

 ほかでは、1年目から中央法規出版の受験対策セミナー「実力アップ講座」を受講し、2年目はこの実力アップ講座とあわせて、同じく受験対策セミナーの「最終チェック講座」を受講しました。1年目も受講しようと思ったのは、モチベーションを高めるためでした。独学では自信が持てないところも、講座の先生の話を聴くことで知識を補強することができますし、大勢の受講生に囲まれて受講することで何とも言えない緊張感を持つことができました。

 今、こうして「私はこうして合格しました」を執筆していますが、自分が受験勉強していたときは、よくスマートフォンでこのコーナーで合格した人たちの体験談を読んだものです。勉強方法で参考になるところがありましたし、モチベーションを維持する上でも有効だったと思います。

 余談ですが、国家公務員試験を受験する年の前年に京都府にある北野天満宮を参拝し、無事に国家公務員試験に合格して今の職に就くことができました。御利益があったと信じていて、それ以降も何度か参拝しています。精神保健福祉士の受験でも、本番の2か月前に参拝し、天満宮の写真をスマートフォンの待受画面にしていました。

模擬試験では自信が持てなかったけど

 模擬試験は専門学校で行われたものと、日本社会福祉士養成校協会・日本精神保健福祉士養成校協会編集のものを受験しました。どちらも5割程度の得点率だったので、合格できるという手応えや自信は得られませんでしたが、落ち込んだり悲観的になったりするようなことはなく、本番まであと1か月以上あるのだからと、楽観的な気持ちでいました。

 受験前は中央法規出版の『精神保健福祉士国家試験過去問解説集』を改めて解き、受験対策の仕上げをしました。専門科目では「精神疾患とその治療」、共通科目では「社会理論と社会システム」など、思うように得点が伸びない科目もありましたが、やることはやったと思って本番に臨みました。

 国家試験当日は、さすがに受験生が多く圧倒されたところもありましたが、1日目の午後からの受験で、余裕をもって会場に到着したことや模擬試験を受けていたこともあって、落ち着いて試験に臨むことができました。会場は自宅から通えない距離ではなかったのですが、万が一のことを考え、また、万全のコンディションで臨むため、1日目の夜は会場近隣のホテルに泊まりました。おかげで2日目もゆとりをもって受験することができました。

 自己採点の結果、合格をほぼ確信し、お世話になった専門学校の先生に報告しました。普段、職場は携帯電話等の持ち込みが禁止でロッカーに預けているのですが、合格発表の日ばかりは時間になるとインターネットで番号を確認しに行きました。

受験を振り返って

 仕事をしながらレポートを作成したり、スクーリングに出席したり、試験勉強をしたりすることは確かに大変ではあったと思います。実際、模擬試験や過去問を解いても合格の手応えをつかむまでには至らなかったですし、もっと試験対策ができたのではないかと悔いが残るところもありました。

 しかし、この2年間が苦痛だったかと問われると、そうでもなかったと思います。これまで学んだことがない分野の教科書を読んで体系的に学ぶことは純粋に面白かったですし、スクーリングでいろんな職種の人と意見交換することはとても刺激的でした。また、身に付けた知識をレポートという形にし、それが納得するものになったとき、あるいは過去問を解くなどアウトプットして良い点数が得られたときは達成感を得ることができました。

 おそらく、苦痛ばかりでは続かなかった、あるいは合格できなかったと思います。自分なりにモチベーションを維持するように工夫したことが奏功したのかなと思います。

精神保健福祉士としてのアイデンティティを求めて

 現在、私は性犯罪者の受刑者の教育を仕事としていて、グループワークのファシリテーターなどを務めています。受刑者の犯罪の特徴、傾向など施設の特性もあって、精神保健福祉士の資格が直接仕事に役立っているという実感までは得られていません。けれども、資格の登録を機に、名刺に「精神保健福祉士」と記載したことで、例えば名刺交換をしたときなどに「この人は精神保健福祉士なんだ」という目で見られる機会は増えてきたと思います。そのことの重みを少しずつ感じ始めているところです。仕事に関する研修やセミナーに参加するときは、刑務所の職員であると同時に、精神保健福祉士であるという意識で臨むようにしていますし、これから精神保健福祉士としての学びの機会を増やしていきたいと考えています。

 国家公務員であるため、人事異動によってどういう業務に就くかはわかりませんが、今後は精神保健福祉士の資格や知識を活用できる業務ができれば嬉しいです。

 せっかく精神保健福祉士の資格を取得したので、次は社会福祉士の資格取得を目指そうと考えています。そして、ゆくゆくは、社会福祉を学ぶことができる社会人大学院に進学し、関心のある依存症の社会復帰支援について研究することが目標です。

保護観察官をしていた当時、「社会を明るくする運動」(犯罪予防活動)の一環として地域の保護司さんたちを対象に講演したときの写真です