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相談援助職 必見! 社会保障制度 活用のポイント

第3回 医療扶助と介護扶助を押さえよう!

【医療扶助】
生活保護の受給者は、国民健康保険の適用から外れる

 生活保護の受給者は、国民健康保険の被保険者から除外されており、「医療扶助」で医療を受けることになります。

医療扶助を受けるためには、申請が必要

 医療扶助は、原則として、被保護者による申請が必要となります。まずは、住んでいる地域の福祉事務所へ「保護申請書」あるいは「保護変更申請書(傷病届)」を提出し、福祉事務所から「医療要否意見書」(医師等の見解を尋ねる書類)の交付を受けなければなりません。

 「医療要否意見書」の交付を受けたら、それを持って、生活保護法指定の医療機関に行きます。その後、医療機関で診察結果等を記録のうえ、「医療要否意見書」を福祉事務所へと提出。医療が必要と認められた場合には、「医療券」が交付される、という流れになります。以降は、この医療券を持って、生活保護法指定の医療機関を受診することになります。

 ただし、医療券は月が替わったら効力を失います。引き続き受診が必要な場合には、福祉事務所へ再申請が必要です。

【介護扶助】
年齢によって、扶助のあり方が異なる

 生活保護の受給者であっても、65歳に達すると、介護保険の第1号被保険者となります。介護サービスが必要な場合は、介護保険から9割が給付され、残りの1割は生活保護の介護扶助で賄われます。

 一方、第2号被保険者は、「市町村の区域内に住所を有する40歳以上65歳未満の医療保険加入者」です(介護保険法第9条第2号)。生活保護の受給者は、前述のとおり、国民健康保険の適用を外れ、医療扶助で受診することになるため、大半がこの要件を満たしていません。

 これらの人が要介護状態に陥った場合、介護費の10割が生活保護から支給されます(介護扶助)。第2号被保険者と“みなす” 取り扱いから、このような人たちを「みなし2号」と呼ぶことがあります。ただし、生活保護制度には「他方他施策優先」の原則があることから、障害者総合支援法による給付が優先されます。

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