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山口晃弘の超幸齢社会の最幸介護術

山口 晃弘(やまぐち あきひろ)

超高齢社会を実り多き「幸齢社会」にするために、
介護職がすべきこととは?
元気がとりえの介護職・山口晃弘が紡ぐ最幸介護術。

プロフィール山口 晃弘 (やまぐち あきひろ)

介護福祉士、介護支援専門員。1971年、東京都生まれ。高校卒業後、設計士、身体障害者施設職員を経て、特別養護老人ホームに入職し、介護職・生活相談員を務め、その後グループホームの管理者となる。
現在、社会福祉法人敬心福祉会 千歳敬心苑の施設長。著書に『最強の介護職、最幸の介護術』(ワニブックス、2014年)がある。

著書

『最強の介護職、最幸の介護術』
『最強の介護職、最幸の介護術』

「敬老の日はただの祝日なのか」

 もうすぐ敬老の日です。
 国民の祝日に関する法律で、9月の第3月曜日に定められてから、連休の話題ばかりで祝日の意味に関して興味が薄れてきているような気がしてなりません。
 敬老の日とは、「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」という意味があります。65歳以上の人口や百歳を超えた人が何人いるかを調査するだけの日ではないのです。

 世の中のさまざまな手続き、買い物の決済などがスマートフォンでできるようになったことで、「便利な世の中」と言われますが、多くの高齢者がとまどっています。IDだパスワードだといわれても、若い人たちのようには簡単には使いこなせません。コロナのワクチン接種に関する申し込みもWebが中心になり、多くの高齢者がやり方がわからずに混乱していました。

 昔はなんでも人と人とのやり取りがあったのです。電車に乗るには人から切符を買い、改札には切符を切る人が立っていました。「便利な世の中」は、人と人とのかかわりを希薄にしてしまったような気がします。

 コンビニやスーパーでは、支払いも人を介さなくなってきています。その使い方がわからず、困っている高齢者に「ほかのお客様がお待ちなので」と冷たく、そして露骨に嫌な態度をする若い店員がいました。それでいて、やり方を教えてあげることもなく、「それはお客様の責任でやってください」と冷たく言い放つ。
 その後、焦っている高齢者を気にもせず、店員同士で仕事と関係ない話をし、大笑いしていました。

 この場面を想像して、介護、福祉を仕事にする方は、「ひどい」と思ったのではないでしょうか。
 ただ、介護の現場でも同じような場面はありませんか。
 トイレの訴えが頻回の方に、「いつものこと」と相手にせず、職員同士が仕事と関係ない話で大笑いしていたり、認知症の方の訴えに、「いつものこと」と相手にせず、素通りしていたり…。

 誰が好き好んで認知症になる? 誰が好き好んで他人に下の世話をしてもらう?
 誰が好き好んで歳をとり、人の世話になる?




 高齢になり、いままでできていたことができなくなるのです。わからなくなるのです。
 それがいかに切ないことか。不安なことか。
 高齢者の方を馬鹿にしたような言動はやめてください。
 自分もいつか行く道です。

 敬老の日は、ただの祝日じゃない。
 “多年にわたり社会につくしてきた”老人を敬愛し、長寿を祝う日です。

新刊のお知らせ(編集部より)

このたび、山口晃弘氏の著書が発行されました!
テーマは、介護現場の「リーダーシップ」と「人材育成」です。

現場の職員から「一緒に働きたい!」と思われる人気者リーダーになるために、役立つ知識、使えるツール、心揺さぶられるエピソードが満載の一冊です。ぜひ、ご一読ください!

介護リーダー必読!
元気な職場をつくる、みんなを笑顔にする リーダーシップの極意
定価 本体2,000円(税別)
A5判、218ページ
ISBN978-4-8058-8278-8

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