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高室成幸のケアマネさん、あっちこっちどっち?

高室 成幸 (たかむろ しげゆき)

全国津々浦々、研修・執筆・アドバイザー活動を神出鬼没(?)・縦横無尽に展開する高室成幸さん(ケアタウン総合研究所)。
研修での専門職との出会いや、そのなかでの懇親的な現場を届けます。

プロフィール高室 成幸 (たかむろ しげゆき)

ケアタウン総合研究所所長。
日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』『新・ケアマネジメントの仕事術』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。

第502話 連載本音話:趣味がワークを充実させる

 今回は前回に引き続き「連載:働き方改革」の本音話版です(^.^)。
 テーマは「趣味(楽しみ)がワークとライフを充実させる」。これは、これまで研修で度々触れてきたことを書きました。


 私はアセスメント研修で「CADL」をかならず紹介します。これは私が提唱している新しいアセスメント領域です。日本語にすると「文化的日常生活動作」というもの。つまり、食べる、歩く、料理するなどのADLやIADLなどのアセスメント領域ではなく、本人にとっての「楽しみ、役割、趣味、夢中になれるコト」などなどをアセスメント領域として確立しましょうという提言です。

 このときに次にように問いかけます。
「みなさん、どのような趣味をお持ちですか?」
「え~~~・・・・・」
 という今イチな反応なので。
「では、趣味がある人は?(だいたい1割程度の挙手)、ない人は?(5割の手が挙がることも)」
 さすがに「趣味」というとハードルが高いので、次のように言い換えます。
「では、趣味ほどではないけど何らかの楽しみや夢中になれることを持っている人は?そうですね、ライブに行く、好きな音楽を聴く、テレビで野球観戦する、などでもOKです」
 とすると5割程度の手が挙がるでしょうか・・・。


 いずれにも上げない人はなぜなのか?
 それは、やはり楽しむだけの余裕がないのかもしれません。仕事に家事に子育てに・・・とてもとても楽しむより苦しい・つらい日々なのかもしれません。

 これには直感的に「まずいなぁ」と思います。
 なにより「楽しみ」がないということは、先に書いたように「苦しい・つらい気分」ばかりで心に余裕がないということ。
 相談援助職は「心と頭を使う」仕事です(口も使いますけどね(^^;))
 その心が一日の内で「楽しいことに心奪われることなく過ごしている」というのはあまりに不自然です。
 それと、もう一つの理由です。
 それはCADL的な感覚がないのではないか、ということ。
 楽しむ感覚がない分、苦しい・つらい感覚ばかりが高くなってしまっている。要するに「不幸な気分」には共感できるけど、「楽しい気分」には鈍感になっているケアマネジャーがいるのではないかと思うのです。


 つらいことも苦しいことも「つかの間の楽しいこと」が忘れさせてくれる、という例えがあります。
 また多少の辛さや痛さも「楽しさ」とまた出会えるなら、ちょっとがんばってみようと心奮い立たせることもあるでしょう。またわずかな「楽しさ」を終えた後もその「楽しさ」を幾度となく思い返すことで日々の辛さや苦しさをやわらげることもあるでしょう。
 このような感性がわからない、ピンとこないケアマネジャーはとても利用者にとっては残念な存在ではないでしょうか。
 またこういう人もいるでしょう。
「どこがつらいですか?苦しいですか?不安ですか?など後ろ向きな事ばかり聞いてくるのが嫌なのよ。私だって楽しいことがあったわ。どうしてそれを聞いてくれないの?」
 人は問いかけられるから「話すきっかけ」を得て話し始めるものです。マイナスばかりを引き出す質問に辟易(へきえき)としている利用者や家族の方がいるのではないでしょうか?

 でもたしかに仕事人間的な人にとって趣味とは「ムダの1つ」にしか感じない人もいます。ビジネスの社会ではゴルフは趣味というより接待の1つでやっている人もおおぜいいます。
 ならば仕事に絡めて趣味的なことをやってみるのもいいのではないでしょうか?
 そこには今までとは人の広がりがあり、やってみると「楽しんでいる意外な自分」がいたりします。
 このように書いている私も実はそのような面があり、なんだかんだ理由をつけて始めてみたらハマってしまっている自分がいて、それが案外と楽しいのです・・・・・(^^;)


 まずは、趣味(楽しみ)を持つことはあなたの人生にもうひと色付け加えること。
 きっと楽しんでいる「想定外の自分」に出会えるでしょう。
 お金なんか大してかけなくても「楽しみ」なんてつくれます。
 やってみてつまらなければ・・・?
 さっさとやめて次を探せばいいことです。
 ただ1年ほど続けて楽しさがわかってくるっていうこともあるので、あまり早く決めつけないほうがいいでしょう、ね(^.^)

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