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受験対策講座

保育士・筆記試験の合格率は20%前後で難関といえます。この狭き門を突破するためには、ポイントを押さえた効率のいい学習が不可欠です。このコーナーでは、近年の各科目の出題傾向や今後の対策について、その秘訣をガイドします。
※毎週火曜日更新!

2024年4月試験に向けた講座がスタートしました!

令和4年・4月試験「保育の心理学」科目について

中山麻子(なかやま あさこ)
臨床心理士。公認心理師。小田原短期大学保育学科非常勤講師、あさか保育人財養成学校講師。

「保育の心理学」の近年の出題傾向

①心理学の基礎理論からの出題

 毎年の傾向としてまず挙げられるのが、心理学の基礎理論からの出題です。ピアジェ、エリクソン、ブロンフェンブレンナー、ヴィゴツキーといった人物名および、その理論は頻出です。
 令和4年・4月試験では、問3でピアジェの前操作期の特徴について出題されました。また問10ではブロンフェンブレンナーの生態学的システム論が出題されました。これらは正確に理解し、憶えておかないと正解が得られない問題です。特にピアジェについては、令和3年の後期試験および前期試験においても詳しく問われました。
 また令和2年の後期試験および令和3年の前期試験では、エインズワースのアタッチメント理論が出題されました。

②各発達段階の特徴を問う問題が出題

 各発達段階について、その特徴を問う問題が毎回出題されています。胎児期、乳幼児期から児童期、青年期、中年期、そして老年期にいたるまで、それぞれの段階の特徴をあらわす専門用語も含めて、出題されることが多いです。例えば「ものの永続性」「心の理論」「三項関係」「保存の概念」「アニミズム」「自己中心性」「流動性知能結晶性知能」などが挙げられます。
 令和4年・4月試験では、問8で思春期の特徴が、問9で高齢者の心理について、出題されました。

③虐待や発達障害、心の病についての出題

 最近多くみられるのが虐待発達障害心の病についての出題です。令和4年・4月試験では問19で、乳幼児から児童期の心的外傷(トラウマ)体験について出題されました。また令和3年の前期試験では、選択性緘黙症についての知識が、令和2年の後期試験では被虐待を疑わせる兆候について問われました。
 これらは社会的に注目されていることでもあり、保育士として正しく判断し、適切に対処する能力が求められます。今後も出題の可能性が高いといえます。選択問題としてだけではなく、事例問題として出題されることも考えられます。

④資料を読み取る設題の出題

 この数年の特徴として、資料を読み取る設題が毎回1題、出題されています。令和4年・4月試験では問18で「末子妊娠判明当時の仕事を辞めた理由」「仕事と育児の両立の難しさで辞めた理由」について、グラフを正確に読み取る問題が出題されました。
 令和3年の後期試験では、「結婚と出産に関する全国調査」について、令和3年の前期試験では、「高齢者の生活と意識に関する国際比較」について、グラフが提示されました。

⑤保育所保育指針に結びついた出題

 このほか、保育所保育指針に結びついた設題も、出題されています。令和3年の前期試験では、「幼児と周囲の大人との関係」「子育て支援について」が、令和2年の後期試験では、「保育所における養護と教育の一体的展開」「保育の評価について」などが、テーマとして挙げられ、適切な文章を選択する問題がありました。保育指針を読みこなしているか、なおかつ、その内容を的確に理解しているかが問われます。


今後の試験に向けた受験対策、勉強の進め方など

①基礎理論の理解

 基礎理論を正しく理解しましょう。正確に理解していれば、短時間で解答できるはずですが、中途半端な理解では、まぎらわしい選択肢に迷い、時間を費やしてしまいます。ピアジェ、エリクソン、ブロンフェンブレンナー、ボウルビィパーテンなどの人物名と、彼らの提唱した理論をおさえてください。
 これらの理論については、一度に覚えようとすると大変です。焦ることなく、まずは時間をかけて内容を理解し、そのあとで記憶する段階に進むとよいでしょう。

②乳幼児期以外のライフステージについて

 幼児期以外のライフステージについても忘れないでチェックしておきましょう。児童期、青年期、中年期、老年期と、人の発達は続きます。それぞれのライフステージの特徴が問われる可能性も高いです。
 発達を理解する上でのキーワードは、「生涯発達」です。能力を獲得することや、成長だけではなく、体力の低下や衰退なども含め、人生における「変化」を発達とみなします。児童期以降の特徴についても必ずみておきましょう。

③子どもに関連した社会問題

 どもに関連した社会問題に敏感になりましょう。表やグラフで示されたものを読み取る傾向は、今後も続くと思われます。試験本番で初めて目にするグラフが表示されたとしても、慌てず、落ち着いて目を通すことが大切です。グラフの問題は、落ち着いて読めば必ず正解にたどり着けます。あらかじめ時間配分を見積もっておくなど、作戦を立てておくことをおすすめします。
 また、普段から新聞やニュースなど、数値データで示されるものも含めてチェックするなどして、子どもを取りまく社会情勢に関心をもつようにしましょう。

④虐待や発達障害について

 虐待や発達障害についても確認しておきましょう。虐待については、その種類や最近の動向を、発達障害については、名称とその主だった特徴について、理解しておきましょう。発達障害については、呼称も変化しつつあることもあわせて勉強しておきましょう(例えば、自閉スペクトラム症限局性学習症など)。やはりニュースや新聞など、最新の情報に目を向けてください。

⑤保育所保育指針との関連性

 最後に、保育所保育指針を読むことも忘れないでください。何度も丁寧に読んで、文章になじんでおくことが大切です。

 「保育の心理学」には、将来、保育現場で活かせる内容が詰まっています。受験のためと思って、ただ知識を詰め込むだけの勉強をしてしまうのは、もったいないです。知的好奇心をもって、楽しむ心を持ちながら、豊かな知識を身につけていかれますよう、応援しています。

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