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ほじょ犬って、なあに?

橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

身体障がい者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。

プロフィール橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。

第47回 夏休みスペシャル企画!最終回【ほじょ犬、花火大会に行く!!!】

 このたびの広島市の豪雨災害に見舞われた地域の皆様へ御見舞い申し上げますと共に、犠牲に遭われた方々には、心より哀悼の意を表しお見舞い申し上げます。引き続き復旧に努められていることと存じますが、お身体を大事になさってください。一日も早く日常を取り戻されることを願っております。

 広島土砂災害について、どうぶつ救援本部さん(旧称 緊急災害時動物救援本部)が、ペットを飼われている被災者様向けの「支援のお知らせチラシ」を現地でも配布中です。

 支援の手が、困っている方に迅速に届くよう願うばかりです。

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 さて、今回は夏休みスペシャル企画!の最終回です。本企画、想像以上にご好評いただき、大変喜んでおります。夏休みのことだけではなく、今後も様々なシチュエーションでのほじょ犬達の様子やエピソードを伝えていきたいと思っておりますので、引き続き楽しみになさって下さい♪

 さて前回は、ライオンゾーンのお話をしました。そのご紹介を当会Facebookでしたところ、実際のユーザーさんや訓練関係者の方からもご意見を頂き、「実際に動物園でライオンから威嚇されました!」「米国の動物園に入場した際にサルには近づくなと言われた」等の実体験のお話も知ることができました。是非、これからも様々なユーザーさんの実体験を広くご紹介していくチャンスを作っていきたいと思っております。

 さて、動物園1つをとっても、ほじょ犬の対応はそれぞれで、同じライオンといっても反応がまちまちであることが分かりました。つまり、補助犬ユーザーには、如何にあらゆる状況にも対応できる判断力と行動力が必要とされているか!を実感しました。それだけの責任がほじょ犬同伴には求められるわけです。考えてみれば、簡単なことでもあります。わが子を連れて外出する際、その子のトイレの管理はもちろんのこと、道中の言動の管理=全て親に責任がありますよね。それと同じことです。命ある生き物である犬をパートナーとして一緒に社会参加するわけですから、そこには当然保護者としての責任が発生します。その責任能力があると公的機関に判断されて始めて、認定証が発行され、表示を付けて、補助犬ユーザーとして社会参加することが許されるのです。

 さて、今回の新たなシチュエーションは、夏の風物詩 『花火大会』 です!

花火の大きな音に、犬はどう反応するでしょう・・・?

 正直、「花火大会が大好きな犬」など、居ないと思います。だって、花火を見て「きれ~い♪」と思うはずはありません。しいて言えば「一番大好きな人(飼い主だったり、補助犬ユーザーさんだったり)と一緒に居られるから、少々うるさくても我慢するか・・・」くらいに思っているのではないでしょうか? なかには全く平気な子もまれにいますが・・・。 事実として、雷が苦手な犬は沢山います!

 ほじょ犬はユーザーさんとともに様々な場所へ行くことが想定されるので、訓練の時点で、様々なシチュエーションを想定した訓練を行います。交通機関の利用もそうですし、映画館やカラオケボックス等も良い訓練場所になります(※各訓練事業者が施設の許可を得て訓練を実施します)。花火大会も実際に訓練時に経験できれば良いのですが、実際問題として全てのシチュエーションを体験させることは難しいです。ですが、訓練の状態でトレーナーさんは「この子が大きな音に弱いかどうか?大きな音を聞いた際にはどんな反応をするか?」を初期の頃にだいたい判断できます。そこでパニックになったり、吠え続けてしまったりと、改善が難しい子は、キャリアチェンジになります。

 とは言え、反応が軽度な場合は改善できるかどうか?の努力はします。たとえば、実際の花火大会に連れて行き、花火の音がする瞬間に、大好きなトリーツ(ご褒美)をあげます。それも特別にガツン!とあげます。普段使っているものよりも美味しいものだったり、何より大好きなオモチャだったり、その子にとっての一番の好物♪を見つけるのも、トレーナーさんの重要なお仕事。それらを繰り返して、反応が軽減するかどうか?を見極めます。苦手なモノを、良い事が起こるキッカケに変えて行くわけです! これって、「子育てにも使える~!」と思うのですが、言うはやすしです・・・汗。

 犬それぞれの癖や反応も全て想定した上で、トレーナーさんは希望者とのマッチングを行います。コンサートにしょっちゅう行ったり、花火大会が近隣で開催される方のところに、「大きな音が少し苦手な子」をマッチングさせてしまうと、その子にとって快適な生活とはいかない場合が出てきますし、ストレスにもなりかねません。何よりユーザーさんが対応に苦慮されることになってしまいます。それでは本末転倒です。ただし、完璧な犬などはいませんので、少し苦手なモノがある場合はユーザー教育の中で、対処法を学んで頂きます。

 そういう意味では、補助犬は全て、障害者一人ひとりの性格や生活環境に応じてレディメイドされるわけです。ですので、長く付き合う訓練事業者とユーザーさんとの間のコミュニケーションは大事。つくづく「補助犬トレーナーさんのお仕事って幅が広くて大変だな~。」と・・・それと同時に、「とてもとても尊い仕事だな~」としみじみ感じております。

 2012年5月22日のスカイツリータウンオープニングセレモニーに参列した補助犬たちでしたが、(第29回で紹介)セレモニーの中で、巨大な太鼓が打ち鳴らされるプログラムがありました。テープカット!の直後です。その瞬間!一斉に3頭ともが「ビクッ!」とお尻が上がりましたが、特に周囲に問題が無いことと、ユーザーさんも落ち着いていることを確認し、また定位置に戻りました。その切り替えがプロなのです!

 さて、次週は、「今年の補助犬学会は9月20-21日セントレア開催!」です。お楽しみに~♪

ご寄付のお願い

 当会の使命は、全国民が正しく補助犬法を理解することで、すべての人と動物に優しい社会を実現することです。補助犬ユーザーの社会参加推進活動、普及活動、最新情報収集、資料等作成配布、講演会・イベント等、当会の活動はすべて無償で行われております。皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

  • ※ 2015年7月、日本介助犬アカデミーより「日本補助犬情報センター」へ名称変更いたしました。
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