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ほじょ犬って、なあに?

橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

身体障がい者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。

プロフィール橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。

第235回【無知から来る差別】

 また、とても残念なニュースが飛び込んできました。障害者差別に関するトラブルは、全国で常に発生していますが、特に考えさせられる事例でしたので、是非とも皆さんと共有し、一緒に考えていただければ、と思っております。

盲導犬ユーザーさんは、盲導犬に対する全ての責任を持って社会参加されています。
普段の世話も含め、行動管理、衛生管理、基本的にご自身で実施されます。
ただ、視覚に頼らなくてはならず、ご自身でできない部分だけ、周囲の人がサポートしてあげる。ただ、それだけです。
(写真は今回掘り下げるトラブルとは無関係です)

 実際にこんなことが、いまだに起こるとは…‬‬‬
 あまりにショッキングな内容で、言葉も出ない。


 当事者の方そしてそのご家族はどんなに屈辱的だったか…‬


 いまだ、ご本人に対する正式な謝罪は無いようなので、この事の顛末は見届けるしかないのですが、とにかく、この障害者差別問題が2度と起こらないようにするためにはどうすればよいか?を考えなくては!

 まず、対応した職員の心の中で、どういう心理が働いたのか?『‪視覚障害者=障害者=移動にリスク?=車椅子に乗せてあげる』という失礼な思い込みからなのだろうか?その1人の個人の誤解から勝手な判断をしたのか?何かしら組織的なマニュアルや指示があったのか?ここは明確にする必要があると感じます。

 今回の場合、ご本人が口頭で「足腰は丈夫であり車いすに不慣れでもあることから、いつも通りに腕に軽くつかまらせてもらい、歩きたい」と申し出ておられます。つまり、障害者差別解消法上の「合理的配慮の申し出」をされているわけです。基本的に、多くの場合は、この時点で「了解いたしました。では肩か腕にお捕まり下さい」とご本人の手が空いている側の斜め半歩前に立てばよいだけです。そして声をかけながらの誘導です。(「下りの段差です」「上りのエスカレーターです」「3時の方向に曲がります」など)そんなに難しいことではありません。1度でも体験していれば、イメージはできるはずです(ちなみに車椅子サポートの方法もお粗末だったらしいです…)。

 100歩譲って、体験したことがなかったとして(そんな人の方が大多数なので)何かしら不安があれば、「サポート経験が無いので、不慣れです。どのようにしたら良いか、教えてください。」と言えばOKです。そこで怒り出す当事者の方は、ほとんどおられないと思います。現状、まだまだ社会が理解できていないことはわかっているので、これも1つのチャンスと思って、皆さん優しく教えてくださると思います。今後、安心してサポートできるようになる良い機会です!是非、学ぶチャンスと思い、当事者の方から学ばせてもらってください♪

 更に理不尽なことが起こります。
 誘導された席は会場の最後尾の角でした。事前予約購入していた中央の良い席からはかけ離れていたため「歩けるから自分が購入した席へ連れていってほしい」と、何度も言ったが、通路にあるわずかな段差を理由に対応してもらえなかったそうです(視覚障害者は段差があっても歩けるので問題ありません!)。
 さらに、あろうことか、それなら追加の5000円を支払えば車いす専用の席に移動できると言ったらしいのです・・・。もちろん、そんな提案は当然拒否されましたが。これが本当であれば、由々しき問題です。興行としておかしいですよね…
 この発言も、個人的な判断による発言だったのか?マニュアルで決められていたのか?そもそも、車椅子席に追加料金が発生すること事態、おかしな話です…

 楽しみにしていたコンサート、事前購入した中央の良い席で聴く、ただそれだけの「当たり前の権利」が剥奪されてしまったのです・・・

 結局そこから動けずコンサートは終了しました。その後ですが、スタッフは何の声掛けもなく、いきなり両肩を後ろから両手でつかみ、両肩つかんだまま押しながら歩いたそうです。瞬間的に危険を感じ、「やめてください、はなしてください」と何度か言われたようですが、無視して車いすまでその状態で歩き続けた、とのこと。これも事実であれば、視覚障害者にしてはいけない行為の代表例です。視覚に障害があるのですから、後ろから押されたら、前方の確認が取れずに恐怖しかありません。どうして、本人が「やめてほしい」と願い出ていることを、やめなかったのか?やめられなかったのか?後で問題になるとも思えなかったのか?そのあたりの判断は、対応された方に確認をしていただきたいです。
 現状、当事者のご家族の発信されている情報だけを見ていると、対応された全ての方に、「障害者差別の意識があるのでは?」と、疑わずにはおられません。「わからないから、厄介だな~」といったレベルではなく、「厄介だから来て欲しくないな~端に置いてやるだけありがたく思え」くらいの印象を受けてしまいます。

 今回の件に関しても、補助犬同伴拒否問題と同様に、「二度と起こらないようにするためには、どうすればよいのか?」国民1人1人が、自分にできることを考えて欲しいです。
 自分の家族や友人に伝える、職場で伝える、接客業の方なら「職場で起こらないようにするためには?」を考え実行する、今すぐできることはあるはずです。当会にお問い合わせいただければ、大小拘わらず、障害がある方への声かけ・サポート研修も実施できます。地域の社会福祉協議会さん等でも取り組んでおられると思うので、是非お気軽に問い合わせてみてください。
 「知らない」が原因の差別を引き起こさないためには?を考えていただきたいです。「知らない」→「知る」に変えていただければよいのです。まずは、世の中には様々な人がいるということを知ること、そして自分達はまだまだ「知らない」事がたくさんある事を自覚すること!から始まるのだと思います。

 障害者の問題は、決して自分とは無関係の人事ではありません。自分もいつ障害者になるか?誰もわからない、もしかしたら家族の問題かもしれない。であれば、全員が我がごととして考え、アクションを起こし始めない限り、同様の差別は決してなくなることはないと感じます・・・

 以前、実際に体験した方に聞いたことがあります。それは医療機関だったらしいのですが「医療従事者に車椅子を勧められた。医療従事者といえど、障害者のことを理解しているわけではない」と・・・
 どこででも起こり得る差別的事例です。二度と繰り返してはいけない!!
 今、世界中が日本に注目しています。2020年を迎えるにあたり、あなた自身は大丈夫ですか・・・?

#nono2020
#補助犬 #ほじょ犬 #盲導犬 #介助犬 #聴導犬 #がんばれ補助犬 #当たり前 #補助犬同伴拒否0

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 是非、皆さんの様々なお声を、お寄せください。当会では、一緒に社会を更に更にステキに変えて行って下さるサポーターの皆さんを募集しております。お気軽にご連絡ください♪

ご寄付のお願い「日本補助犬情報センター」より

 当会のビジョンは、全国民が正しく補助犬法を理解することで、すべての人が安心して活躍できる社会を実現することです。補助犬ユーザーの社会参加推進活動、普及活動、最新情報収集、資料等作成配布、講演会・イベント等、当会の活動はすべて無償で行われております。
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