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ほじょ犬って、なあに?

橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

身体障がい者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。

プロフィール橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。

第103回 点字ってかっこいい!

 先日、視覚障害者と盲導犬が交通事故により死亡するという、痛ましい事故がありました。本当にショックな出来事であり、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
 一昨日、全日本盲導犬使用者の会長よりご用命をいただき、国土交通省への同行をし、日本盲人会連合の要望書を提出される際に、同席させていただきました。
 今後、当会からも、「社会には、音だけを頼りに生活をしている視覚障害者がいること」を発信してまいりたく思っております。今後、同じような事故が起こらないように社会全体で気をつけていくことが、今私たちが何より取り組むべきことだと感じております。

視覚障害者は、このマシンで小説でも読めちゃいます!

 先日、視覚障害者の友人と、JR山手線車内で隣同士に座りながら、スケジュールの確認作業をしていました。私はスケジュール帳とペンを持ちながらにらめっこ。視覚障害者の友人は超小型点字ディスプレイを手に、何やらもぞもぞ……(※超小型点字ディスプレイに関しては、第67回「視覚障害者と街を歩くと…」で紹介しています)

 すると、前に立っていた男の子がディスプレイをジーっと見てきました。。。お向かいの席が空いたので、母親に促されて一度は着席したものの、どうしても、友人が持つその「超小型点字ディスプレイ」が気になって仕方ない様子。再度立ち上がり、近づいて覗き込んできました。
 それに気づいた私は、母親が気まずそうに静止するのも気にせず、「いいよ! もっと近くにおいで! 気になるでしょ♪」と声をかけ手招き。友人には、「小学生の男の子がいてね、すごく気になってるみたいだから」と説明しました。友人は笑って「どうぞどうぞ♪ 見ていいよ~」

 男の子は、不思議そうに直視……。私は次のような説明をしました。
「今ね、2人で予定の確認をしていたの。僕も私も、目が見えるでしょ。だから、こうやってノートのカレンダー見ながら、いつが空いているかな~って読めるんだけど、このお姉さん(注:あえて「お姉さん」と言ってあげる。友人はすかさず自分で「お姉さん!?」と突っ込む。笑)は目が見えないから、字が読めないの。このボードは、この部分から点字がプチプチ出てくるので、これを触ると文字として読めるんだよ~♪ 凄いよね~♪」と……(私がこのマシンを知ったのも今年の1月ですが、ここぞ!とばかりに知ったかぶりをしました)

 男の子は、若干うなずきながらも、いまいちピンと来ていない感じだったので、次に、カバンから点字入りの名刺を出して、触らせてみました。
「ほら、ここに書いてある字を、僕は目が見えるから読めるでしょ。でも、目が見えない人は、ここのポツポツを触ることで、読むことができるんだよ。凄いよね~かっこいいよね~!」と言ってみると、「ふ~ん」と点字部分を感じ取りながら触っていました。

 少しは納得できたようで、男の子は母の隣に座り直し、お母さんはお礼を言ってくださいました。学年を聞いてみると「小学校1年生」とのこと、きっと【点字】という言葉も初めてだったかもしれないし、【視覚障害者の道具】としてではなく、【DSみたいなゲーム機!】と思ったのかもしれません。
 でも、それでも興味を示してもらうことで、交流のきっかけを作れることが大切な気がしました。視覚に障害のある方は、なかなかそのチャンスに気付くことが難しいかもしれませんね。今回は、そのきっかけ作りのお手伝いができたことが、とっても嬉しかったです。その後の親子の会話で、「凄いよね~♪」と嬉しそうに話をしてくれていました♪

 些細なことではありますが、こうして少しの時間でも交流が持て、この男の子が新しい情報を得てくれて、何かを感じてくれていたら、何より嬉しいな~と思います。

 そうそう、その日の夜、たまたま持ち帰った点字資料をうちの子たちに見せると……「私が先!」「僕が先!」と取り合いのケンカ(汗)。母は怒りながら、「大事な仕事の資料やから、折ったり汚したりしたらアカンよ!」と注意し、半泣きになった弟に点字入りの名刺を渡してみました。
 2人とも、私に向かって得意げに「読んであげる!」と言い、眼をつむって指で触りながら読んでくれました(もちろん、でたらめでしたが。。。笑)

ご寄付のお願い

 当会の使命は、全国民が正しく補助犬法を理解することで、すべての人と動物に優しい社会を実現することです。補助犬ユーザーの社会参加推進活動、普及活動、最新情報収集、資料等作成配布、講演会・イベント等、当会の活動はすべて無償で行われております。皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

  • ※ 2015年7月、日本介助犬アカデミーより「日本補助犬情報センター」へ名称変更いたしました。
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