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和田行男の婆さんとともに

和田 行男 (和田 行男)

「大逆転の痴呆ケア」でお馴染みの和田行男(大起エンゼルヘルプ)がけあサポに登場!
全国の人々と接する中で感じたこと、和田さんならではの語り口でお伝えします。

プロフィール和田 行男 (わだ ゆきお)

高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。
特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は株式会社大起エンゼルヘルプ地域密着・地域包括事業部 入居・通所事業部部長。介護福祉士。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

防げなくても防ごうと力は尽くせる


 連日「コロナウイルス」のニュースが流れています。
 中国武漢市からアジア圏中心に蔓延してきましたが、罹患者の数、罹患して死亡された方の数は増えるばかり。

 ベトナムに行って仕事をしているうちの職員からは、「コロナの影響で今日から学校(日本語学校)は休校に。ネット社会の影響なのか国民性なのか、うわさやデマでだいぶ混乱しているようです。とりあえず国からのお達しは小中学校は休校、催事、祭りは中止。陽性者は15名。根拠のないアブナイ・シンパイの情報が先行していて仕事も勉強も身に入らない状況です。(2月11日)」とメールが届きました。

 日本に一刻も早く来たい技能実習生を目指している人たちは、コロナの影響で日本語試験が延期になり、順調に日本語試験に合格できても渡航は確実に二か月延びます。
 国策として人の集まりに制限をしたようで、うちの日本語学校の開校式も延期になりました。

 日本よりもネットが生活に染み込んでいて、医療体制は日本のように整っておらず、中国と陸続きのベトナムでは致し方ない怖がりようだと思います。

 日本でもマスクが一斉に「売り切れ」になりました。

 マスクは予防には効果がないと言われていても、何となく心理が働くのでしょう。全く何の症状もない人までマスクを求め、本当にマスクが必要な状態にある方に行き届かない問題が起こっているようです。

 こんなとき非常災害用に備蓄していたマスクが活きてきます。
 東日本大震災後にマスクを備蓄するようにしましたが、風邪症状や花粉症などアレルギー症状のある利用者・職員に配布しなければです。

 僕は風邪なのかアレルギーなのかわかりませんが、この二週間体調がすぐれず咳も出るため、マスクを着用させていただいています。
 マスクって、マスクをするだけで熱感を感じ病気になったかのような錯覚を覚えるのは僕だけでしょうかね。

 コロナでついに日本人の死者が出ました。高齢者のようです。
 高齢者の命をあずかる僕らにできることは、とにかく「きちんとした手洗い」であり、不特定多数が手にする扉の取っ手や手すりなどをこまめに消毒すること。

 どなた様であれ施設に入ってこられる方には「手洗い・手の消毒」を口酸っぱく言うことぐらいしかできませんが、それさえもしないようでは「命を軽く見ている」と思われても致し方ありません。

 防ぎようのないことではありますが、防ごうと力を尽くすことはできます。

 先日うちの職員向けの研修会で「きとんとした手洗いの仕方はわかりますか」と問うと、年配の男性職員さんから「こうして、こうして」と正しい手洗いの仕方が返ってきて安心しましたが、今一度改めて「きちんとした手洗いの仕方」と「手洗いの徹底」を徹底しないとです。

写真
 ベトナムに行っているうちの職員の家の周りも大掛かりな消毒作業が施されたようです。

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