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和田行男の婆さんとともに

和田 行男 (和田 行男)

「大逆転の痴呆ケア」でお馴染みの和田行男(大起エンゼルヘルプ)がけあサポに登場!
全国の人々と接する中で感じたこと、和田さんならではの語り口でお伝えします。

プロフィール和田 行男 (わだ ゆきお)

高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。
特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は株式会社大起エンゼルヘルプ地域密着・地域包括事業部 入居・通所事業部部長。介護福祉士。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

雑言

 この時期はあわただしいです。
 特に今年は、通常の年度末と違って介護保険制度改定もあり、かなりバタついていますし、ちびっこ二人の卒業・進学もあり、私的にもバタついています。

 今回の制度改定で複雑になりすぎたと感じている制度が、シンプルになるのかなと思いきや、感触的には「より複雑になった感」がぬぐえません。

 まずは、4月から基本報酬のみならず加算等の仕組みが変わることに加え、処遇改善の一本化は6月からなので、利用料金が2段階で変わることになります。
 それでは利用者・家族等にとって「上がってしばらくしたら又上がって」になりかねませんから、一度の案内で済ませられるように知恵を絞っているところです。
 ただ訪問介護のように基本報酬が下がった事業では、4月から利用料が下がる案内をする文章と、処遇改善変更・追加に伴う変更案内をせねばならず「下がったり上がったり」になり、ホント申し訳ない限りです。

 制度・仕組みをつくる皆さんも四苦八苦で知恵を絞っていることと思いますが、そろそろ大幅にシンプルなものに作り変えてもらいたいものです。

 例えば、住まう場所として「自宅等」と「特養(施設)」と「グループホーム(地域密着型事業)」がありますが、いずれも生活の拠点であり過ごす場所ですから「居宅」です。

 これらを「居宅」でまとめ、自宅等に訪問する訪問看護ステーションを特養やグループホームに転居しても「居宅生活支援事業」として継続利用できるようにすれば、市民にとってもわかりやすいでしょう。
 医療保険の訪問診療の仕組みも同じにしてもらえれば、どこで住まおうが、同じ訪問診療医、同じ訪問看護師にきてもらえます。
 合わせて、自宅で使っていた使い慣れた福祉用具レンタルのベッドも、特養やグループホームに持ち込めるようになるでしょう。

 又、自宅等で暮らす人で生活保護受給者が購入するトイレットペーパーは生活扶助費で支給されますが、生活保護の方がグループホームに入居すると「トイレットペーパーは介護報酬に含んでいるから徴収できない」なんていうことになるとおかしなことになってしまいます。
 そもそも介護保険制度は「介護に要する費用の社会化」だと思うので「生活に要する費用」まで含めている現状は、仕組みとして変です。
 日常生活用品など生活に要する費用は基本自己負担ですから、所得に課題がある人には介護保険制度とは別の仕組みで保証するのが筋のように思いますがね。

写真

 囲炉裏が使われている傍に、かき氷のメニューが掲げられているなんて、日本中で沖縄だけじゃないでしょうか。

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