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和田行男の婆さんとともに

和田 行男 (和田 行男)

「大逆転の痴呆ケア」でお馴染みの和田行男(大起エンゼルヘルプ)がけあサポに登場!
全国の人々と接する中で感じたこと、和田さんならではの語り口でお伝えします。

プロフィール和田 行男 (わだ ゆきお)

高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。
特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は株式会社大起エンゼルヘルプ地域密着・地域包括事業部 入居・通所事業部部長。介護福祉士。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

ムジュン

 東京は、30度を超える真夏日が80日間以上になっているようで、そうなると年のうち四分の一は真夏日!ですから、東京は、春夏秋冬の四季ではなく、春・夏・真夏・夏・秋・冬ですかね。僕が学生時代に習った温暖湿潤気候ではなくなってきているんでしょう。

 さて、五月に第五類に移行したコロナウイルスの感染が広がっていることを仕事では実感していますが、街の中にいると全く感じないギャップを感じています。
 人通りの数、飲食店の混み具合、大声で喋り合っている店内、電車の中でのマスクの着用状況、海外旅行者の数など、コロナ感染拡大以前と比べて、マスク着用者が多いのは間違いありませんが、それでも第八波までとは全然違う景色です。

 五類に移行して、コロナ感染者数もわからないし報道もされないので、国全体の状況はわからずですが、コロナウイルスに対してはその段階にきたってことなんでしょうね。
 そんな中、我が施設でも友人のところでもクラスターとも言うべき状況が起こっており、陽性になった入居者は状態が悪くなければ入院するわけでもありませんから、陽性になっていない職員さんたちへの負担は大きく、耐えしのいでいる状況です。

 つまり、社会的にはコロナのことで大きな影響が出ていなくても、介護従事者はもとより自宅で暮らす利用者やその家族たち、業者の方々など介護事業所に出入りする者たちが、騒がれなくなったとはいえ感染状況が拡大している社会の中で生活を営み、その営みの中で感染することは大いにあり得る中にあって、その者たちが事業所に出入りしていて、因果関係はわからずとも事業所ではクラスター状況が発生しバタバタしている。そのギャップ感ですね。

 これを考えると「withコロナ」とは「何がどうあれ、起こることはしょうがない」ということで落とし込むしかなく、その状況の中、介護事業所に暮らす入居者に事業所内生活を強いているとしたら、これまた大きくは人権問題であり、人権とまでは言わないにしても「勝手だなぁ」と思うのは僕だけでしょうか。

 人生において残された時間の量は高齢者のほうが少ない中、コロナに対してハイリスクということで、その管理がしやすい介護事業所で暮らす方たちにのみリスク回避生活を強いているとしたら、人生を謳歌する僕らが本人たちの意向(利用者本意)とは無関係に利用者のため(利用者本位)を盾にして人生を謳歌する権利を奪い取っているってことになりませんかねェ。
 矛盾だなぁ~。

【お知らせ】

 遅ればせながら世界を舞台に活躍されている認知症医療第一人者と言われている医師との企画を案内させていただきます。
 池田さんは、ステキですよ。もう何度目になりますでしょうか。遠方ではありますが、ぜひ!

認知症講座(第20回記念)
「認知症、自分のこととして」

  • 〇日時:9月30日(土)13時30分~16時00分
  • 〇会場:庄原市民会館大ホール(広島県庄原市)
    ※事前の申し込みは不要なので直接お越しください。
  • 〇内容

第一部 特別記念講演
 「ひとり暮らしと認知症」
 講師:池田 学氏
    大阪大学大学院医学系研究科精神学教室教授

第二部 市民参加広場
 「みんなで語ろう・認知症」
 コーディネーター:町永俊雄氏(福祉ジャーナリスト)
 アドバイザー:池田 学氏
 アドバイザー:和田行男

〇主幹:医療法人社団聖仁会
  0824‐72‐3131

写真

 久しぶりに北海道へ飛行機で行くことになり、ならば富士山が見える席を手配。やっぱり見てしまいますね、この山。

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