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高室成幸のケアマネさん、あっちこっちどっち?

高室 成幸 (たかむろ しげゆき)

全国津々浦々、研修・執筆・アドバイザー活動を神出鬼没(?)・縦横無尽に展開する高室成幸さん(ケアタウン総合研究所)。
研修での専門職との出会いや、そのなかでの懇親的な現場を届けます。

プロフィール高室 成幸 (たかむろ しげゆき)

ケアタウン総合研究所所長。
日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』『新・ケアマネジメントの仕事術』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。

承認欲求時代~だれか私にいいね!を~

 数か月前にフェイスブックやツイッターの「いいね!」とは、現代の若者たちの承認欲求の高まりを表れだと書きました。
 承認欲求とは「認められたい」気持ちなのですが、どちらかというと今風には「悪く思われたくない」という気配りに向いているのではないでしょうか。


 「リア充」という簡略語があります。
 「リアルに充実している」という状況をいうわけですが、あえてリア充な自分をフェイスブックやインスタグラムに載せるのはどうしてか。これってポジティブな自分発信ですよね。
 それほどにみなさん、自分自慢をしたいのでしょうか・・・
 むしろボロボロなんだけどSNS上では「がんばっているんだ、ワタシ!」と発信したいという痛々しいものだったり・・・(>_<)

 今の時代、政府が率先して「一億総活躍社会」というものだから、なにか「活躍」を強制されている印象さえあります。ところがそれほど活躍の場が用意されているというとそうではありません。
 少子高齢化の波の中で「出産」という大事業を果たした幼な子を抱えたお母さんや共働き夫婦にはけっしてやさしくありません。それは保育園に入れない「待機児童問題」がいまも解決されていないことからもわかります。

 大きなことを成し遂げて、一方(身内)では評価されたとしても、もう片一方(職場とか)では、子育ての事情を持ち出さないでね、仕事は仕事だから・・・と評価されない現実があります。

 その傾向は介護休暇では、もっと顕著ではないでしょうか?
 介護休業制度が今回3回に分けて取りやすくなる、給与の補てん割合が40%から67%にアップするなど、課題は山積ですが思い切った改善はされました。しかし、いくら制度に手を入れても職場が「介護に理解があるか」が肝心なのです。
 介護休業を取る前に「有給休暇」の消化率が低ければ、なにおか言わんや、ではないでしょうか。

 インターネットにはさまざまな情報があり、多様な人が多様な角度で主張を書き込んでいます。すると、余程、情報に目利き力がなければ、どれも同じように思えて、むしろ混乱することになります。
 自分がやっていることがいいのかどうか?
 フェイスブック一つとっても、「いいね?」と中身だってさまざまです。がんばっているね、という意味なのか、とりあえず応援しているよ、というレベルなのか・・・。  友人と花火を見に行った、子どもとスイカ割りをした、仕事で○○研修に行った、なんてものは発信するべきレベルなのでしょうか?


 リア充でない引きこもり系になっている人のうつ傾向の女性が書いていました。
 「SNSを見るとみんな楽しそうです。私にはそのように発信できるものはありません。でもアクセスしたままでなにもしないのも何なのでいいね!をします。でもそれって、けっこうな負担なんです」
 まさに承認をしてもらいたい中味が今ひとつない人にとって、友人たちのリア充発信はとても比較されている気分でさらに陰鬱になることなのかもしれません。

 今回の相模原大量惨殺事件を起こした植松聖容疑者。事件に関する私の考えは昨日配信のメルマガに書きました。
 そこでどうしても気になるのは、彼の執拗な承認欲求です。事件を予告をわざわざ衆議院議長と首相あてに官邸まで足を運ぶというマメさ。措置入院中も医師に堂々と語り、さらに友人に事件の実行を語り、誘うという・・・
 悪気?ないのですから、犯行後は堂々と悪びれることなく出頭するという一連の流れ・・・
 ここにも、いまの若者が持つ強烈な承認欲求を私は見てしまうのですが、いかがでしょうか?

 今週のメールマガジン「元気いっぱい」第463号(無料)ムロさんの嘆きと懸念「相模原大量惨殺事件~犯人の笑いと時代の空気~」(第1・3木曜日に配信)です。メルマガは随時登録受付中です。⇒ ケアタウンの公式HP
  • シリーズ(3)「本人らしさ」に着目したアセスメントの勘所~ICFの視点で行う「ADL,IADL,CADL」分析と家族アセスメント~(定員15名限定)
    |日 時|8月28日(日)10:30~17:00
    |詳 細|WEBにて→http://caretown.com/tokyo/caremanage2808.shtml
  • シリーズ(4)「自立(自律)」を支えるチームプランニングと事業カンファレンス~自助・互助・共助・公助と生活支援サービスのプランニング~(定員15名限定)
    |日 時|9月18日(日)10:30~17:00
    |詳 細|WEBにて→http://caretown.com/tokyo/caremanage2809.shtml
 全国研修の様子は、ケアタウン総合研究所の公式FBをご覧ください。

研修会場・写メ日記

新潟県新発田市介護予防ケアマネジメント「ケアプランの質の向上」研修
介護支援専門員研修会
「利用者の「自立支援」と介護予防ケアマネジメント」


新潟県十日町地域振興局健康福祉部研修会
「本人の意欲」を引き出す介護予防ケアマネジメント」

新潟県十日町市福祉課
「地域ケア会議だからできる!
多職種協働で行う支援困難対応、地域課題発見、ネットワークづくり」

日本フレンズ奉仕団研修会
「あなたの伝え方、相手に伝わっていますか?」

ケアタウン総合研究所主催東京スクール
「新・ケアマネジメントの仕事術~インテークと引き継ぎ」