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ほじょ犬って、なあに?

橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

身体障がい者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。

プロフィール橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。

著書

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著(中央法規出版)

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著
(中央法規出版)

第147回 よくわかる!補助犬同伴受け入れ方特集!~お預かりOK?~

 最近、医療機関における補助犬の受入れに関しての、ご相談が増えています。
 医療機関は過去の事例を見ても、なかなかハードルが高いです。やはり、「犬」に対するイメージ=不衛生というのが、なかなか抜け切らないのが、日本社会の難しさだな~と感じております。

 だからこそ、このブログでも何度かお願いをしておりますが、一般のペットの犬の飼い主様! 是非、日頃のマナーを守ってください。「犬はあちこちで排泄をするもの!」「犬はやたら吠えるもの!」と思われている以上、補助犬の社会での受け入れは進みません・・・排泄物がそのまんま、なんてもってのほか!です。是非、「犬」は素晴らしい生き物であり、人間社会のマナーもこんなに守れるんですよ♪ということを、飼い主さんが示していただきたい。しいては、それが『犬の地位向上』につながり、最終的に【殺処分0】にも繋がると信じています。

 補助犬ユーザーさんたちは、それぞれに障害がありながらも、犬の管理をキチンと最大限実施されています。ペットの飼い主さんたちも同じことができるはず♪

私達、社会のマナーを守れるのよ♪
このお洋服も、抜け毛防止のマナーよ♪

 さて、医療機関さんからのご相談、増えていることは本当にありがたい限りです。その病院でのマニュアル作りを進めてくださることも増えており、事前に原稿チェックを依頼されます。
 先日あった実際の事例ですが、届いた「受入れマニュアル」を拝見すると・・・「防災センターで預かります」の文字・・・ただ、ここで怒るのではなく、大切なのは、「受入れマニュアルを作って受入れる姿勢があるところ」を評価すること。その上で、正しい受け入れ方に対する考え方や、ご不安点を払拭する資料の提供をさせていただきます。

 「補助犬を預かる」という行為、皆さんどう思われますか?
 どうしても、他の患者さんに「迷惑だから」?という考え方がまだまだ多いようです。では、実際に迷惑でしょうか・・・? もちろん、犬嫌いな方やアレルギーの方はおられますので、導線を分ける等の配慮は必要だと思います。アレルギーを引き起こす物質は、「フケと唾液」ですから、それが密着することがなければ、発症はしないとされています。基本的にキチンと管理されている補助犬に関して、「フケと唾液」が飛び散るということは考えられないので、問題はないはずなのです。ただ、あとは、心理面でご不安になる方はおられると思いますので、その方々に、近づかないような配慮があれば、上手く共存できるはずだと思っています。

 それと同時に、預かっている間の管理責任、これが問題なのです。預かっている間、何もないとは言い切れません。日頃から「補助犬ユーザー=3歳児の保護者」と思ってください、と伝えておりますが、3歳児を保護者から離して預かりませんよね? 3歳児=補助犬から何かすることはなかったとしても、他の方が何か危害を加えるかもしれない。急に地震が起こるかもしれない。そんな時、保護者から離していて、責任が取れますか?という点です。ある種の賠償責任に問われます。その覚悟があって初めて預かりの提案ができるのだと思われます(もちろん、施設形態によってはまれに、ユーザー側から預かりの要請がある場合がありますが、その場合は「何の責任も持てない」という取り交わしが必要になります。ユーザー側も、それを覚悟しての要請になります)。

 案ずるより産むが易しと言います。ぜひ、補助犬同伴検証の機会を作ってみてはいかがでしょうか? 全国の補助犬訓練事業者さんにご連絡されれば、トレーナーさん&PR犬同伴だったり、ユーザーさんを紹介する形での受入れ検証ができます。実際に会って話をし、そして補助犬の様子や状態を見ていただければ、「そんなに心配することでもなかった」と思ってもらえるはずです♪

 最近、石川県の産科病棟で、介助犬ユーザーさんの受入れがありました。病院として初めてのことで、最初はご不安が大きかったと思われますが、当会からも情報提供させていただき、ご相談に乗り、最終的には非常に気持ちよく受入れていただけました♪ これからも、当たり前に受入れて下さる医療機関さんが全国に拡がりますよう、頑張っていきたいと思っております。


ご寄付のお願い「日本補助犬情報センター」より

 当会のビジョンは、全国民が正しく補助犬法を理解することで、すべての人が安心して活躍できる社会を実現することです。補助犬ユーザーの社会参加推進活動、普及活動、最新情報収集、資料等作成配布、講演会・イベント等、当会の活動はすべて無償で行われております。
 皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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