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現場で役立つ 介護・福祉リーダーのためのチームマネジメント

カリスマでなくても良いリーダーになれる!
人材不足に歯止めをかけるチーム作りの方法を学ぶ



 介護は基本的にチームで行います。だから、チームマネジメントの知識や技術は必須のはずです。
 でも、これまで、リーダー論やチームマネジメント論は、学校などで教わる機会がありませんでした。多くの人は、学生時代の部活やサークルなど、個人的な経験を頼りにチームの運営を行っているのではないでしょうか。

 かくいう私も、小学校のときの野球クラブや高校のときのバスケ部の経験から「スポ根」的な、「気持ちでどうにかせんか!」スタイル以外は知りませんでした。
 これらはあくまでもイチ個人の経験でしかなく、どのような場合も当てはまるとは限りません。
 それがたまたま効果的であると「カリスマ的リーダー」と呼ばれるのかもしれません。でも、うまくいかなければダメリーダー、ややもすると「パワハラ」と呼ばれるような事態も招いてしまうのではないでしょうか。

 実のところ、この本には書かれていることに派手さはないと思っています。
 例えば、「これさえやればよい!」とか、「チームケアが劇的に改善する魔法のメソッド!!」といった内容ではありません。
 そもそもそういう本って、たまに「怪しいな」って思う本ありませんか? 著者の人柄や環境があってこそ有効だっただけで、私のところでは使えないのでは…と。

 チームマネジメントやリーダー論というのは、構成メンバーによってやり方を大きく変えなければなりません。施設や場所、目的、環境、ケアする利用者によっても違いますよね。
 このような、つかみどころのない、どこかフワフワした印象があるからこそ、多くのチームマネジメントの本が著者の成功体験をもとにした「経験本」にせざるをえないのかもしれません。

 でも、実はチームマネジメントについては経営学や心理学の分野で大きく研究が進み、一定程度の成果が出ている研究分野なのです。
 しかし、だからといって、それを一つ一つ調べるのはとても手間がかかるし、難しい。
 それを今回、介護・福祉の世界でどう適用すればよいかを、日本社会事業大学専門職大学院の教授陣が現場の意見に耳を傾けながら考えたところが、この本のすごいところではないかと思っています。
(各章に必ず実践ケース(現場で働く人たちから収集したものです!)を入れて、机上の空論にならないような仕組みになっています!)

 本書は、良いチームにする、良いリーダーになるための条件について考え、一つ一つクリアして、着実にゴールに近づくことがでる、そんな本になっています。
 前述の通り、派手さはないです。でも、だれでも実践ができます。つまり、本書を読めば、カリスマリーダーでなくても良いリーダーになれるし、良いチームが作れるのです。

 介護離職の原因の一位は収入ではなく職場の人間関係だそうです。
 そんな状況だからこそ、本書は今まさに望まれている本なのではないかと感じています。

 本書が人材不足に悩む介護施設のチームケアの一助になることを切に願っています。

(第1編集部 鈴木涼太)

現場で役立つ 介護・福祉リーダーのためのチームマネジメント

著者:井上由起子、鶴岡浩樹、宮島渡、村田麻起子
サイズ:A5 216頁
価格:2,200円(税別)