メニュー(閉じる)
閉じる

ここから本文です

山口晃弘の超幸齢社会の最幸介護術

山口 晃弘(やまぐち あきひろ)

超高齢社会を実り多き「幸齢社会」にするために、
介護職がすべきこととは?
元気がとりえの介護職・山口晃弘が紡ぐ最幸介護術。

プロフィール山口 晃弘 (やまぐち あきひろ)

介護福祉士、介護支援専門員。1971年、東京都生まれ。高校卒業後、設計士、身体障害者施設職員を経て、特別養護老人ホームに入職し、介護職・生活相談員を務め、その後グループホームの管理者となる。
現在、社会福祉法人敬心福祉会 千歳敬心苑の施設長。著書に『最強の介護職、最幸の介護術』(ワニブックス、2014年)、『介護リーダー必読! 元気な職場をつくる、みんなを笑顔にする リーダシップの極意』(中央法規出版、2021年)がある。

「ふぞろいのおいもたち」

 組織、チームというのは不思議なもので、コロナ、クラスターが発生したり、有事になると凄いチームワークを発揮します。そこには強い絆が生まれることもあり、これで万事うまくいくのかなぁ、と思うと、そんなに甘くなくて、何もない平時になると些細なことでもめ事になったりしています。難しいですね。

 先日、偶然に30年前に勤務していた職場の前を通りました。
 あの頃の私は、他人はおろか、自分のことすらどうでもいいと思っているくらい、荒んでいました。
 建物や景色を見て、当時の記憶がよみがえってきました。
 多くの人は、「あの頃はよかった」「若い頃に帰りたい」などと言いますが、私はそうは思いません。あの頃には戻りたくない。他人を思いやることもできず、自分も大事にしない。そんな自分が嫌いでした。これから先の人生に、希望など持っていませんでした。
 もし、あの頃の自分に会えるなら、
「これから先は大変だけどさ。すげーよ。カッコよくはないけど、すげー人生が待ってるよ」
と、伝えてやりたいです。

 たかだか50余年の人生ですが、振り返れば濃密な時間を過ごしてきました。
 本当にカッコよくなかった。何度も何度も倒されて、その度、泥まみれになって傷だらけ。まるでお芋のようでした。
 そのとき、その瞬間、一生懸命生きると、身も心も傷だらけになります。うまくいかなかったことも、後悔していることも、いっぱいあります。人生はそんなにカッコよくいかないから。

 介護現場で頑張っている職員たちを見ながら、人間は感情の生き物なのだと、改めて思います。上がったり下がったり。くっついたり離れたり。狭い世界で敵だ味方だと大騒ぎ。
 もったいないよ。
 若いときは、時間が永遠のように感じる。でも、人生は自分が思っているよりずっと早い。そんなつまらないことに時間を費やすのはもったいない。君はそんなことをするために生まれてきたんじゃない。きっと。

 せっかく生まれてきたんだから。せっかく介護という素晴らしい仕事に就き、せっかく一緒に働く仲間と出逢えたのだから。
 くだらないことやってないで、みんなで力を合わせよう。みんな一生懸命生きている。みんな泥だらけ、傷だらけ。我らふぞろいのおいもたち。

著書のご案内

山口晃弘氏の著書が弊社より発行されています。
テーマは、介護現場の「リーダーシップ」と「人材育成」です。

現場の職員から「一緒に働きたい!」と思われる人気者リーダーになるために、役立つ知識、使えるツール、心揺さぶられるエピソードが満載の一冊です。現場のリーダーからも「この本に出会えてよかった」「求められているリーダーについて深く理解できた」「実践にもすぐに役立つ」など、嬉しい感想を頂いています。ぜひ、ご一読ください!

介護リーダー必読!
元気な職場をつくる、みんなを笑顔にする リーダーシップの極意
定価 本体2,000円(税別)
A5判、218ページ
ISBN978-4-8058-8278-8

【前の記事】

ドレミファソ

【次の記事】

傷だらけの栄光