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山口晃弘の超幸齢社会の最幸介護術

山口 晃弘(やまぐち あきひろ)

超高齢社会を実り多き「幸齢社会」にするために、
介護職がすべきこととは?
元気がとりえの介護職・山口晃弘が紡ぐ最幸介護術。

プロフィール山口 晃弘 (やまぐち あきひろ)

介護福祉士、介護支援専門員。1971年、東京都生まれ。高校卒業後、設計士、身体障害者施設職員を経て、特別養護老人ホームに入職し、介護職・生活相談員を務め、その後グループホームの管理者となる。
現在、社会福祉法人敬心福祉会 千歳敬心苑の施設長。著書に『最強の介護職、最幸の介護術』(ワニブックス、2014年)がある。

著書

『最強の介護職、最幸の介護術』
『最強の介護職、最幸の介護術』

「看取りケアを考える会」


 施設には「看取りケアを考える会」という委員会があります。
 介護職、看護師、生活相談員、管理栄養士、施設長の私で構成されています。

 私が介護の仕事をはじめた20年以上前は、施設で看取りをするというのは当たり前ではありませんでした。当時は病院で最期を迎える人が多かったのです。
 あれから20年以上の時を経て、いまでは施設で看取ることは珍しいことではなくなりました。私が勤務する特養でも、ほとんどのご利用者、ご家族が「最期は住み慣れた施設で迎えたい」と言ってくれます。

 「看取りケアを考える会」の役割として、看取り介護指針、看取りに関する同意書などの作成(更新)や内部研修の実施があります。月一回の会議では、ご逝去されたご利用者の看取りについて、振り返りも行います。ご利用者、ご家族、関係する方たちにとって、できるだけ悔いのない最期を迎えてほしい…。その想いから、人の「死」に携わる職業として、ふさわしいことができたか、振り返ることはとっても大事なことだと思っています。

 病院は治療の場であり、治すという行為は、基本的に生きるために行うものですから、「生(せい)」に向かっているものなのではないかと私は思います。
 介護が「死」に向かっているというと語弊があるかもしれませんが、80年、90年と生きてこられた方の晩年を支える仕事であり、逆に「死」を意識するからこそ、「生」の輝きを追求します。
 個人の尊厳を保持しながら、自分らしく生きることを支援する。「生活支援」が私たちの仕事でありながら、最期まで個人の尊厳が保たれ、自分らしく死ぬことも支援する。
 介護という仕事は、非常に哲学的な仕事であると、20年以上、人の死に携わらせていただきながら、私は感じています。

 人間は旅立ったあと、どんな姿で天国に行くのかな…。亡くなったときの姿? それとも若い頃? 元気な頃に戻るのかな…。そんなことをよく考えます。
 もし天国があるとして、先に行っていたご両親やご家族に会えるなら、きれいな身体で会わせてあげたい。
 褥瘡や内出血、チューブを止めたテープの痕などがないきれいな身体で…。
 ずっと会いたかった人に、やっと会えるのだから。

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「お疲れさま」