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和田行男の婆さんとともに

和田 行男 (和田 行男)

「大逆転の痴呆ケア」でお馴染みの和田行男(大起エンゼルヘルプ)がけあサポに登場!
全国の人々と接する中で感じたこと、和田さんならではの語り口でお伝えします。

プロフィール和田 行男 (わだ ゆきお)

高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。
特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は株式会社大起エンゼルヘルプ地域密着・地域包括事業部 入居・通所事業部部長。介護福祉士。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

誇りと責任


 昨夜、注文をまちがえる料理店を一般社団法人化したのを記念して「設立記念会」を開催させていただきました。

 場所は、昨年期間限定で「注文をまちがえる料理店」を開店させていただいた六本木の「ランディ」というレストランで、50名ほどの方々にお集まりいただけました。

 今日お伝えしたいことは、この会に各地で「注文をまちがえる料理店」の趣旨に賛同し、自分たちなりに名称を凝らして企画・運営している皆さんが来てくださったことです。

 そのひとつ京都市では、認知症の状態にある親と暮らしている娘さんを中心に不定期ながら2回開催している「まぁいいか@きょうとカフェ」。
 娘さんは、自分の親のことで僕の講演会に相談に来られ、その際に「注文をまちがえる料理店」の話をしたところ、9月に開催した料理店(ランディ)に参加され、その後京都で開催された「注文をまちがえる料理店」の講演会にも参加。
 そこで思い切って手を上げて、講師に「私もしたいのですが」と告げると、「私も手伝うわよ」とたくさんの方々が声をかけてくれたそうで、その勢いで市内のカフェを借り切って開催。
 第1回目は22名、第2回目は60名、第3回目は80名もの方が参加してくださったそうです。次回は6月10日だとか。
 でも開催していくうちに「少し違うのではないか」と疑問も出始め、場所を代えるなど試行錯誤しているようですが、とにかくその実行力には敬服する限りです。

 そのひとつ倉敷市では、もともと障がいをもっている人たちの就労に取り組んでいる法人の代表者が賛同してくださり実行委員会を結成し、6月20日・21日、倉敷美観地区内「くらしき宵待ちガーデン 欲しのひかり」でイタリアン料理を提供する料理店で、「世界一やさしいレストラン」と命名して開催するようです。


 また9月にも、大きな古い庄屋をお借りして取り組む計画を立てているようです。
 興味のある方は「世界一やさしいレストラン実行委員会(086-436-8805)」までお問い合わせください。事前予約が必要です。
 僕も参加しようと思っています。

 他にも福島県では空家活用も視野に入れて「ラーメン」の常設店を考えているようですし、愛知県でも介護職員が仲間と相談していたり、神奈川県や長野県でも構想を描いていたりと、徐々に広がっています。

 僕は実行委員会の時は実行委員長、法人化した今は理事長という立ち位置にいる関係で、相談者に応対する機会が多いのですが、皆さんに「注文をまちがえる料理店の名称とロゴの使用だけは勘弁してね」とお願いしています。
 その理由は、世界中で注目された「注文をまちがえる料理店」は、超一流と言っても過言ではない各界のクリエーターたちが手を取り合って(実行委員会を結成して)築き上げることができたものであり、クラウドファンディングやカンパを寄せてくださった方々などの共感をいただけたからこそ築けたもので、それに誇りと責任を僕が感じているからです。

 9月に六本木で開催した後、町田市にあるスターバックスと共同して開催した「注文をまちがえるカフェ」は、実行委員会のメンバーが全面的にバックアップできた取り組みでした。また、今年4月に開催した「注文をまちがえる料理店 atとらや工房」は、そもそも「虎屋」が実行委員であり、僕らメンバーも打合せから当日までバックアップした、いわば「注文をまちがえる料理店実行委員会ならびに解散後の一般社団法人注文をまちがえる料理店」としてのオフィシャルな取り組みだったからこそ、「注文をまちがえる…とロゴ」を使用することに、関係するみんなが賛同しました。

 超一流のデザイナーや飲食店の皆さん、裏方で尽力いただいた、これまた超一流のクリエーターたちが手弁当で築き上げ、世界中から注目をいただくことになった「注文をまちがえる料理店」の看板に傷をつけては申し訳ないですし、むしろ、それぞれ取り組みを考えている皆さんのアイデンティティを結集して「皆さんなりのもの」を各地で開催していただくことが、一番大切だと考えているからです。

 皆さんのアイデンティティによって、認知症という状態になっても、障がいをおっても「人として生き続けられる社会(環境)」へとつながっていくことを「注文をまちがえる料理店:テヘペロ」は望んでいますし、それが広がることを私たちは目指しています。

 一般社団法人注文をまちがえる料理店のお披露目会を終えることができ、これからは「テヘペロ」が望むことを愉しく計画的に取り組んでいきたいと考えています。
 皆さんのお力添えをいただければ幸いです。
 ウェブサイトを立ち上げることができましたので、お暇な時に見ていただければ、これまた幸いです。

写真

 昨年9月以来、ランディに到着し掲げられた「テヘペロ」。今回は室内ですが、どことなく誇らしげに見えました。


 ちなみに本番の時は、こんな高いところだったんで、大きさがいまいちわかりませんでしたが、結構立派でしょ。
 開催前の企画書段階でデザインチームが描いたお店のイメージとそっくりだった「ランディ」を見た時に、あまりにドンピシャだったので驚きましたが、このステキなレストランは今日で閉店。本当に惜しいですが、致し方ありませんね。
 僕らは、すでに2020年開催のために動き始めていますが、その時にはどんなお店になるやら。期待していてくださいね。

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