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辻川泰史の介護事業経営に必要な考え方

辻川 泰史 (つじかわ やすし)

一期一会の出会いを大切にし、介護のプロとしてサービスを提供する辻川泰史さんによる、これからの事業所運営の指南ブログ。

プロフィール辻川 泰史 (つじかわ やすし)

1978年東京都生まれ。98年、日本福祉教育専門学校卒業。
老人ホーム、在宅介護会社勤務を経 て2002年、(有)はっぴーライフを設立(05年に株式会社化)。08年、(株)エイチエルを設立。現在、コンサルティ ング、講演、セミナーなどでも活躍中。
著書に『福祉の仕事を人生に活かす!』(中央法規、2009年)がある。
はっぴーライフHP
http://www.hl-tokyo.com/
対談ムービー http://www.youtube.com/user/2g66

ヘリポートと理容室のある特養

 去る10月31日、私が主催する介護事業経営者研究会in九州のメンバーと、岩手県釜石市と大槌町にある施設に伺いました。

 釜石市では小規模多機能ホームの「やかた」へ訪問しました。「やかた」の松田社長とは、私が岩手のプロジェクトを行っている時から懇意にさせていただいています。震災の時はちょうど施設の開設前で準備をしていたといいます。写真の1階の天井まで津波で浸水したとのことです。震災の時の体験、備えなど、実体験に基づいた話を伺いました。

 施設の隣は、釜石市で有名なカフェ「館」があります。こちらのカフェは明治時代に作られて、震災も乗り越えた蔵を活用しています。


 その後、ひょっこりひょうたん島で有名な大槌町の堤福祉会が運営する特別養護老人ホーム「らふたぁヒルズ」に伺いました。施設を率いる芳賀さんにミニセミナーを行っていただきました。


 ユニット型の特養です。何よりも驚くのが、ヘリポートがあることです。


 大槌町は震災時に大きな被害を受けた地域です。陸路がガレキで交通不可能なので、空路での怪我人や病人の搬送をしたそうです。その時の体験から、何かあった際の備えとしてヘリポートを作り、ヘリを使った防災訓練も定期的に行っているそうです。

 ユニークな点として、理容室が施設内にあります。実際に保健所の許可もとっているといいます。


 居室には、利用者の家、住まうところとしての思いやりがあります。玄関の前は、一段下げてプライベート空間を作っています。わずか70~90cmですが、こういった心づかいの大切さを学びました。


 震災で地盤が下がったため、スロープのように見えるとのことでした。



 施設は高台にあり、三陸の海がきれいでした。しかし、その風景の中には仮設住宅もあり、いまだに避難生活を余儀なくされている方も多数いるという現実もみえました。

 日本は地震大国であり、全国どこでも大きな震災が起こる可能性があると言われております。被災地の方の経験を伺うことは、話をしてくださる方の心情を考えるとつらい心境もあります。しかし、自分たちの経験や体験が多くの人に必要だ!という思いをもって話してくださることに感動し、感謝の気持ちでいっぱいです。

  • 小規模滝のホーム「やかた」
    岩手県釜石市大町3丁目9番16号
  • 社会福祉法人堤福祉会
    特別養護老人ホームらふたぁヒルズ
    http://tsutsumifukushikai.jp/laughter/