高室成幸のケアマネさん、あっちこっちどっち?
全国津々浦々、研修・執筆・アドバイザー活動を神出鬼没(?)・縦横無尽に展開する高室成幸さん(ケアタウン総合研究所)。
研修での専門職との出会いや、そのなかでの懇親的な現場を届けます。
- プロフィール高室 成幸 (たかむろ しげゆき)
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ケアタウン総合研究所所長。
日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』『新・ケアマネジメントの仕事術』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。
「月刊ケアマネジャー」連載裏話:考えるヒントの本音~違和感~
ケアマネジャー4月号での新連載「高室流 考えるヒント」。この5月号からは本格的な「考えるヒント」が堂々登場です。その第1回目のテーマは「違和感」としました。
「違和感」は、たまに「異和感」と書く人もいます。私のニュアンスでは、こちらのほうが好きです。「違う」というより「異なる」のほうがちょっと上品に思えるというのと、「違う」というと自分の主観が正しく、目の前にある客体をどこか否定しているような印象がするからです。「異なる」というのは、客体も個として尊重している姿勢がありますからね。「異文化」という表現が、まさにそう。相手の文化・習慣も尊重しますよ、ということですからね…。
またまた、前置きが長くなりました。
さて、連載で「違和感」を始めに持ってきた理由、それは「考えるスタート」がまさにこれだからです。私はここ10年ほど、考えるという言葉はあまり使ってきませんでした。「思う、感じる、想像する、分析する、振り返る、予測する、連想する」という、より一歩踏み込んだ言葉を好んで使ってきました。まあ、それで事が足りていた、というわけ。
それともう一つは、「考える→感・勘を変える」と考え(^_^;)、「考える」とは直感や勘を変える行為ではないか、それはけしからん、と勝手に解釈をしていたんですね。だって、考えるきっかけは「印象」だったりするんですから…。
下は、私が「あれ?」と思った写真です。
高知県のローカル線です。ちょうど、芸備線のあるホームで見つけた光景です。ゴミ箱がアンパンマンのキャラクターできれいに仕上がっています。そこで「あれ?」と違和感が起こりました。どうしてこんな田舎のさびれた(失礼!)駅舎に、見事なゴミ箱が? しばし、考えていると、故人・やなせたかしさんが高知の出身だということを思い出し、なるほど、地域振興に役立つために…と納得しました。