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ほじょ犬って、なあに?

橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

身体障がい者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。

プロフィール橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。

著書

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著(中央法規出版)

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著
(中央法規出版)

第68回 視覚障害者と街を歩くと……その2

 なんだか急に3月の陽気かと思ったら、極寒のお天気……。今日のお天気は全国的に荒れ模様。皆様くれぐれもお気をつけくださいませ。

 さて先週に引き続き、友人のNさん(視覚障害者)との珍道中!?をお伝えいたします(笑)。

この写真は、わかります……よね?

 はい、みなさんご存知の白杖です(ちなみに、白杖は「全く見えない方」だけのものではなく、見えにくい方も使っておられます)。


では、これはわかりますか???

 そう、あの白杖、折りたたむことができるものもあるんです! しかもこんなにコンパクトに!

 「白杖が折りたためるなんて知らなかった!」と言う方は、ビックリされたと思いますが、最近の白杖はコンパクトに折りたため、バッグに収納が可能なものもあるんです。またまた当然のことながら、その折りたたむ操作が慣れていて、とってもかっこいい!スマートなんです!(うちの子どもたちは、魔法のステッキのように思っています。)


 目的地に着いて、例えば食事をする時や、しばらく座っている時など、折りたたんでバッグに入れてしまえば、置き場所にも困らず安心です。

 白杖と盲導犬を比較した際、どちらがよいということではないですが、大きな違いとして、このコンパクトに折りたためる点が挙げられます。盲導犬のデモンストレーションの際に、「盲導犬は折りたためません」と説明すると笑いが起こります♪(笑)

 実際、日本というコンパクトな社会で、盲導犬を初めとする補助犬のスペースに関しては、まったく問題にならないわけではなく、やはり電車内やテーブル下など「なるべく迷惑をかけないよう努力している(ユーザーさんの足の間に挟む等)」ことは確かですが、時にはシッポが邪魔になってしまうことなどもあるかもしれません。そんな時は、逆に遠慮せずに、「シッポが邪魔になっていますよ」と教えてあげてください。特に視覚障害者の場合は、気づけていないだけ、かもしれませんので。最終的に、双方が気持ちよくその空間を利用できることが大切となります。

*  *  *

 ということで、この日は、視覚障害者のNさんと、美味しいお食事と美味しいお酒をいただきながら、めいっぱい喋りまくり、楽しいひと時となりました。新しい出会いもあり、また新しい学びもたくさんありました。


 さて、ここで私のスイッチがまた入りました! 点字メニューがない場合は、読み上げてお知らせするしかありません。そこで、私がお役に立てるんです♪ だいたいのお好みを聞いたうえで、該当するものを読み上げます。言葉だけではわからないメニューも中にはあるので、写真を見てその様子を伝えてあげたりして、「いかに美味しそうか?」を伝えることに全力を投じます!(自分の好みに走り過ぎないように気をつけながら…笑)。

 「見えない方の代わりに選ぶ」ではなく、「見えない方と一緒に選ぶ」。

 そんな体験、ぜひ皆さんも楽しんでみてください(そのやり取りが何とも楽しく、選んだメニューにも満足できるはず)。自分の表現力が、試されますよ!(笑)

 次回は、「共遊玩具ってなぁに?」をお届けいたします。

ご寄付のお願い「日本補助犬情報センター」より

 当会のビジョンは、全国民が正しく補助犬法を理解することで、すべての人が安心して活躍できる社会を実現することです。補助犬ユーザーの社会参加推進活動、普及活動、最新情報収集、資料等作成配布、講演会・イベント等、当会の活動はすべて無償で行われております。
 皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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