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介護事故の防止と利用者の権利擁護を学ぶ


 介護職員が利用者にけがを負わせた、死亡させた…介護に関してメディアに流れるニュースは決して明るいものばかりではありません。リスクマネジメントを十分意識していても、事故は起こらないとはいえません。権利意識の高い利用者や家族であれば、施設や事業者が事故の過失を追及されることもあるでしょう。その際、過去の介護事故に関する裁判の経緯や判例を知っておけば、日頃確認しておくべき点も明らかになります。

 本書は、介護現場で働く専門職の方々を、法律という観点から応援するものです。

 著者の吉岡譲二治先生は、債務整理や知的財産を中心に活躍される弁護士です。同時に、看護師など医療従事者の法律問題にもかかわり、現在では東京都介護福祉士会の顧問弁護士を務めるなど、医療・介護の実情にも精通しています。今後増えてくるであろう介護裁判に向けて、吉岡先生に執筆をお願いした理由はそこにあります。

 本書は大きく2つの内容で成立しています。1つが介護にかかわる専門職の法律的立場の理解です。もう1つが、利用者の権利擁護から虐待、さらには介護にかかわる判例の紹介など、現場の出来事の法律的解釈です。

 特に判例については、介護現場の判例がまだ少ないため、収載に苦労しました。また、法律という一見難解なものを、どのようにみせていけばいいのか…四コマで事例をみせるなど、見やすさは工夫できたのではないでしょうか。

 今後、団塊の世代が介護サービスを利用する時代に入ります。身構える必要はありませんが、自分の身を守るためにも、最低限の法律は理解しておきましょう。

(中央法規出版 第1編集部 平林敦史)

→本書のご注文はe-booksから