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和田行男の婆さんとともに

和田 行男 (和田 行男)

「大逆転の痴呆ケア」でお馴染みの和田行男(大起エンゼルヘルプ)がけあサポに登場!
全国の人々と接する中で感じたこと、和田さんならではの語り口でお伝えします。

プロフィール和田 行男 (わだ ゆきお)

高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。
特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は株式会社大起エンゼルヘルプ地域密着・地域包括事業部 入居・通所事業部部長。介護福祉士。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

誰もが主役になれる日

 介護事業所では、利用者・入居者の誕生日をお祝いする会をされているのではないかと思います。
 いろいろなやり方をされていることでしょうが、2月の4日生まれ、12日生まれ、26日生まれの三人の誕生会を、15日とか28日にまとめて「2月誕生会」というように月単位で開催するところがあり、僕的には「もったいないな」って思ってしまいます。

 誕生日は「産まれた日が誕生日」で、毎年産まれたその日に年齢を重ねていくことを又、そこまで生きてこられたことをお祝いします。
 その意味では、産まれた日をずらした「誕生日の祝い会」は、悪くはないけど「手間を省いた感」がぬぐえず、「今日が誕生日の自分が主役」ではなく「2月生まれの中の一員」になってしまいます。

 どうでもいいと思えばどうでもいいのですが、「ハッピバースデイto you~ハッピバースデイ・ディアみなさん」ではなく「ディアゆきおさん(仮名)」と一人称で歌わせていただき、誕生日を迎えることができたその日を讃えさせていただきたいと思ってしまうんですよね。

 グループホーム職員研修会の雑談でこの話をしたときに「同じ日に二人いたらどうするんですか?」って聞かれたことがありましたが、「午前と午後にわけてでも別にやる」と答えました。

 介護事業所で暮らす方一人ひとりそれぞれが主役になれる場面ってなかなかないなかで、誕生日は生きていればどんな状態の方でも平等に年一回きますし、その時は、どのような状態であろうが機械的に主役になれますもんね。

 誕生日というステキな日は、主役になっていただけるようにしたいもんです。

追伸1

 利用者の人数が多いデイサービスでもどうやったら100人の「当日誕生会ができるか」を考え「お金をかけない祝い」を考えることって職員冥利につきると思うのですが、うちのデイサービスの管理者さんたちと話してみようかな。どうしてるのかな、めちゃくちゃ気になってきました。

追伸2

 機械モノの当たりのいい人とよくない人がいるって20歳代のころから聞いてきましたが、僕はどうもデジタル機器に縁が薄いようで、この記事を明け方に書いて寝て、朝パソコン開けると全く起動せず、あれこれ助言を得て調べると液晶に問題が生じていることがわかりました。なので、今はテレビにつないでテレビをモニターにしてパソコン作業をしています。携帯用パソコンなんですがねぇ。持ち歩けません。

写真

 道後温泉別館「ハダカヒロバ」の屋外床面の花の写真。2024年2月末までは見られるようですよ。足元一面に敷き詰められ圧倒されました。