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高室成幸のケアマネさん、あっちこっちどっち?

高室 成幸 (たかむろ しげゆき)

全国津々浦々、研修・執筆・アドバイザー活動を神出鬼没(?)・縦横無尽に展開する高室成幸さん(ケアタウン総合研究所)。
研修での専門職との出会いや、そのなかでの懇親的な現場を届けます。

プロフィール高室 成幸 (たかむろ しげゆき)

ケアタウン総合研究所所長。
日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』『新・ケアマネジメントの仕事術』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。

会議の力・会議は力

 先週は、今年最後の研修が連続して続き、うっかりミス(つまり徹夜で他の原稿を書いていた)で金曜日入稿を失念していました。中央法規担当のKさん、大変申し訳ありませんでした(^_^;)。

 さて、昨日は私が主宰する「ケアタウン東京スクール」でした。このスクールは不定期で、ほぼ隔月に行っています。依頼される研修では、テーマも内容も依頼先のニーズに応じて進めますが、東京スクールは、私流の、つまり「高室式・高室流」のオリジナリティ爆発の研修を行っています(^_^;)


 今回は「会議の力~チームをまとめるファシリテーションの技術~」がテーマです。資料を作っていて、なにか足りない、と思い、そうだ、そうだとひらめいたのが「会議は力」でした。
 話し合い、そのこと自体に「力」があるという意味で、「会議の力・会議は力」と、当日にタイトルを変更しました。

 今回も、次の質問から始めました。
Q:「みなさんは、会議は得意ですか?苦手ですか?」
 これを質問すると、9割が苦手に手を挙げられます。理由を聞くと、

  • ・うまくまとめられない
  • ・みんな黙ってしまい、意見を引き出せない
  • ・会議が盛り上がらない などなど

 このように回答は、すべて進行役の悩みばかりです。
 「いえいえ、みなさん、参加者としてどうですか?同じ質問です」
 すると苦手な人は6割くらいに減り、残り4割はどちらでもない、となります。参加が苦手な理由は・・・

  • ・何を発言していいか、考えがまとまらない
  • ・考えているうちに話が先に進んでいる

 では、次のような究極の質問をします。
Q:「みなさんは、会議は好きですか?嫌いですか?」
 これには、嫌いが6割、どちらでもないが3割、好きが1割程度に分かれます。嫌いな理由は・・・

  • ・無駄な時間だと思う
  • ・話す人ばかりで進むからつまらない
  • ・何を脱線して話してんだよ、とつい思ってしまう

 なるほど、理解はできます。では、数少ない(^^;)好きな人の理由とは・・・

  • ・一度にいろんな人の考えや意見を知ることができる
  • ・いろんな情報を知ることができる

 などなど、効率性と内容に価値を見い出しているようです。

 そこで、私はこうお話をします。
「嫌いな会議に苦手意識で参加していたら、それは苦痛そのものです。進行役なら、なおさらでしょう・・・まずは、会議好きになりましょう。会議の魅力に気がつきましょう」
 今回も、私がなぜ会議が好きか、効率的か、を実体験を交えてお話をしました。そして・・・
「チームで取り組むときに会議、つまり話し合いがなければ、それは命令で動くという事です。そこには同意も合意も、もちろん理解・納得・尊重の関係もありません」

「会議の質はチームの質を決めます」
 これこそ私が伝えたいコンセプトです。
 会議の技術なんて教えてくれるところや本はあまりありません。今回は、数少ない会議の本と私のノウハウ(自分で言うのも何ですが(^_^;)、それなりのレベルであり、ビジネスシーンでも十分通用するものと自負しています)を集約しての約6時間研修でした。


 4時間の講義の後は、ワークショップです。
 テーマは「ケアマネジャーの制服化について」です。
 設定は(株)すみれケア。経営企画室として、来年の4月からケアマネの制服化を検討しているが、現場の意見を聞いて決めたいので、総勢15名のみなさんに集まって話し合いを持つことになった、というもの。経営企画室役2名、現役ケアマネ13名、新人ケアマネ2名。
 この会議の進行(ファシリテーション)をコンサルとして入っている私が行うというものでした。


  • ・賛成・反対を手上げでしてもらい、大勢を把握
  • ・賛成派、反対派、どちらでもない派にそれぞれ発言してもらう
  • ・発言の内容を整理する → コスト、衛生面、利用者(家族)の印象、着替えの手間
  • ・制服によるメリット・デメリットについて次に話し合う
    • ケアマネジャーにとってどうか?
    • さくらケアにとってどうか?
    • 利用者(家族)にとってどうか?
    • ケアチームや医療機関にとってどうか?

 わずか50分ですが、話し合いを通じて、「賛成派→反対派に」、「どちらでもない派→反対派、賛成派に」に移っていくことを体験してもらいました。

 なかなかおもしろい東京セミナーになりました。!(^^)!

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 私の研修の様子は、ケアタウン総合研究所の公式FBをご覧ください。

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