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養成施設の教員からのメッセージ

第2回 社会を変える若い世代の方々へ

神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部社会福祉学科准教授
川村隆彦

若い方々に期待すること

 「若い世代が、本気でこの社会を変えたいと立ち上がるなら、それは実現する!」と信じている。この考えが正しければ、社会の変化を望まない者たちが、最も用心深く行うことは、若い方々を眠り(社会への問題意識)から目覚めないようにすることだ。
 変化を恐れる大人たちは、若い世代が喜びそうな、たいして重要でもない動画をSNSに頻繁に書き送り、十分に楽しんでもらう。新しいファッションや美味しい食事、センスある住空間やアイテムで魅了し続ける。こういったことをすれば、若者は永遠に心地よい眠りのなかにいるとでも考えているのだろう。
 しかし、若い世代は、少しずつ気づいている。社会では何が正しく、何が間違っているのか、そして、自分が本当にやりたかったことは何だったのか? この時代に生まれてきた自分の使命とは何か? 一人、また一人と目覚めていく若者を見るたび、私の心は躍る。
 社会福祉士試験を受けたあなたもやがては目覚める(もしくは、もう目覚めているかもしれない)。そのとき、社会福祉士として、本当は何をするべきなのか、深く考え、行動するだろう。
 私は、そのことを期待しながら、30年近く若い世代を育ててきた。そして、これからもその日が来るのを、ずっと待ち続けている。

入職までにしておいてほしいこと

 社会には縦と横の関係がある。組織で働くということは、縦の関係に入るということ。しかし、専門職にとって本当に大切なのは横(仲間)の関係だ。だから、これまでに築いてきた仲間関係を、今こそしっかりと確認しておこう。そして互いに助けが必要なときがきたなら、すぐに声をかけ合えるようにしよう。そのためには、学びであれ、遊びであれ、「一緒に何かをすること!」。過ごした時間に応じて横の関係は深まっていく。

今、読んでおくとよい本

 私自身が書いた本を3冊推薦したい。まず「支援者が成長するための50の原則—あなたの心と力を築く物語」には、ソーシャルワーカーが守るべき価値やスキルが、物語に織り込まれている。「ソーシャルワーカーの力量を高める理論・アプローチ」では、ソーシャルワーカーが活用できる理論やアプローチを事例と共にわかりやすく解説した。「ソーシャルワーカーが葛藤を乗り越える10のエッセンス」では、理想と現実の狭間で苦しむソーシャルワーカーが、ジレンマや葛藤と戦うための知識、スキル、価値を7人のソーシャルワーカーたちが語っている。これらは、中央法規出版の編集者と私が、実践者のあなたを強めるために、心を込めてつくった本である。

支援者が成長するための50の原則

あなたの心と力を築く物語

応援メッセージ

 掃除機はたくさんのほこりやごみを吸い取るが、カートリッジ式になっており、交換が可能だ。掃除機のように、あなたは、日々、人々や社会の否定的な感情、ジレンマ、葛藤を吸い取っている。だから定期的に、心のカートリッジを交換しよう。一つの方法は、仕事と関係のない世界を一つ以上もち、夢中になることだ。そこであなたは、新しいカートリッジを得るだけでなく、実践に活かせる新しい世界を経験するだろう。