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和田行男の「婆さんとともに」

そうは言っても…やるしかないですよね

 思案は果てしなく続く。
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 職員の嘆きが聞こえてきた。
 「社会的な使命や意味はわかるのですが…疲弊してしまいます」
 認知症という状態であろうがなかろうが、何が起こってもおかしくない人で、一人で行動する人への支援は手間暇(手間とは人手のこと、暇とは時間のこと)かかる。
 あれこれ手を尽くしても、動きまわれば応じるしかない。ほぼマンツーマンとなることもしばしば。ほんと手間暇かかる状態にある人がいる。
 手間暇かかるから、手間暇かけたくない事業者は「受け付けない」「それがわかったら放り出す」ということを平気でする。あるいは、手間暇かからないように、閉じ込めたり・縛ったり・薬漬けにしたりする。自分たちの事業の社会性などまったく眼中にない、単なる介護ビジネス屋とその仲間たちである。
 それで困るのは、税金や保険料を支払って万が一の時に備えてきた国民だ。それで「人権」を無視されるのは国民だ。
 つまり、税金や保険料を支払ってきた国民が困っているのに、税金や保険料で飯食わせてもらっている僕らが応じないということであり、国民の人権を脅かすということだ。
 僕は、うちの連中には、僕らの仕事の社会性や使命を話し、そこに向かって尽力するチームを築いてきたつもりだが、そこは人がやること、「そうは言っても」が常につきまとう。
 介護保険法は「サービス提供拒否の禁止」を謳っているが、実態は「事業者・従事者のご都合主義」がまかり通り、自分たちにとって手間暇かかる都合の悪い要介護者をはねている。事実、はねられて相談に来られる人が後を絶たない。
 そいつらはのほほんとして、それを何とかしようとして応じる事業者(法人)・事業所・従事者(職員)が疲弊するのだが、お上からの介護報酬は同額である。
 これでは、一生懸命国民のために仕事をする事業者や専門職がいなくなってしまわないか。そこが心配である。
 僕が「そうは言っても」の職員に「そう言わずに」と話せば話すほど、その職員は「つらい思いをし続ける」か「去る」ことになる。なることが予測できるから、だんまりを決め込んで職員たちの総意に委ねる。それが僕の嘆きであり苦悩なのだ。実際に、閉じ込めないことに疑問を感じて退職した職員や、あの利用者を出さないのなら辞めますと言って退職した職員は、ひとりふたりではない。ハハハ
 それでも僕がこの仕事をして26年間、日中の時間帯だけではあるが、「施錠して閉じ込める・行動を制限する」という実践をしなくて済んだのは、「そうは言っても」と嘆きながら「そう言ってもやるしかないですよね」という職員(人:僕の言葉で言えば連中)に出会うことができたからであり、「しょうがいないですよね」と言えるうちの連中は、国民生活を応援するチームの一員として、僕の誇りであり、僕が国民に誇れることである。
 いま、この瞬間も「そうは言ってもね、和田さん。現場はたいへんなんすよ」と“怒り笑い顔の職員”が浮かんでくる…今日もよろしく。

追伸1
 台風の直撃を受けた東京都伊豆大島にグループホームの仲間がいる。仲間を介して連絡をとってもらったら何とか無事のよう。この先も無事を祈るしかないが、うちの法人は応援の待機状態をとっている。Sさん、なんかあったら言ってきてくださいね。

追伸2
 身近に雨男、雨女っている? なに、自分?
 僕は「台風&大雪男」ってことがだんだんわかってきた。
 ここ3回の台風は見事で、千葉に行けば千葉に台風25号がやってき、北海道に行って東京に戻ろうと思えば東京に台風26号がやってき、沖縄に行こうと思えば沖縄に27号がやってくる。もうスケジュールぐちゃぐちゃ。
きっと今年もこれから行く先々で大雪にあうんやろな。ハハハ


コメント


そう言いながらもやってます。以前にも紹介しましたが、103歳のMさん、手間暇かかります。今年の1月左大腿骨骨折で入院、手術はDrの助言もありされませんでした。入院当初は食事も入らずベッドに寝たきり…ところが一週間程経過した頃からでしょうか、お元気になられ、動き始めるようになりました。自分が何でこんな所にいるのか解らず動けば拘束されるので本人にとっては不愉快きわまりなく混乱の毎日です。それでは病院としても「ご退院願います」となります。退院前のカンファレンスで「出来るだけ動かず、移動は車椅子、もちろん左足への荷重はだめです」と言われ「どうしよう、絶対動くし、歩こうとしはるよなぁ」グループホームに帰ってきたMさんはやはり動こう、歩こうともします。そして約一月後スタッフが夜勤中歩いている彼女を発見したのです。当時のDrは「ほんの少しずれてるけどくっついていますね。転ばないように気を付けてください。」写真を見ながらの診断でした。さあ、Drのお墨付きです、それからは自由に歩いてもらってますが、必ず誰かが横に付かなければいけません。することがない時は5分おきにでもトイレに行きます。しょっちゅう喉が渇きます。良くないと思いながらも、つい、今トイレ行ったところですよと言うスタッフに「行ってないですよ、自分が言うんだから間違いないです、おかしなこと言いますねえ、あなた」ごもっとも!耳が遠いせいか声も大きく…「ご飯作りにかえらなあかん」「母に会いたい」まだまだありますが…本当に手間暇かかります。本当にしんどいです。何でがんばれるんやろ?毎日、くたくたになりながら手間暇かけてくれている仲間に感謝です。そして、笑いながら応援してくれる周りのご利用者にも大大感謝です。和田さん、Mさんとそう言いながらもやっている仲間達に会いにいらっしゃいませんか。


投稿者: モーリ | 2013年10月24日 16:05

 「そうは言っても」・・・やっぱり、男性だったら最低限この仕事で妻子を食わせていける位の収入を得られるような制度にしなくちゃ『正直者が馬鹿を見る』で終わってしまうでしょうね・・・。


投稿者: toto | 2013年10月25日 19:40

事業所の管理者として自分に何が出来るか、どうすればいいか、考えれば考えるほど、どうしていいかわからなくなる。お年寄りのこと、職員のこと、事業所のあり方、経営等などを考えると、これまた頭が痛くなる。そうは言っても、お年寄りの言葉や笑顔に救われる…。


投稿者: ichi | 2013年10月26日 08:59

 お疲れ様です。

 新しいステージで奮闘中です。
 
 1人では利用者さん、家族は支援できない。
 1人では地域の困っている方々を支援できない。
 こつこつ仲間の増殖に励んでいるが、色んな事情で去っていく。

 「そうは言っても。。。」
 経営していかなくてはいけない
 経費はできるだけ抑えたい
 採算はとらないと続けられない

 あんまりうるさいこと言われるなら
 別に給料もらえればいいし
 どこ行ってもいっしょだし
 理想言ったってねえ
 お偉いさんは現場知らないし
 
  スマートには仕事ができないけど、毎日笑って泣いて驚いて。時にはショックでめげるけど。それでも、プロとして専門職として、正々堂々と歩いていきたい。

 うちの猫はけがをして毎日点滴で通院しました。
 おかげでほぼ治りましたが、捨て猫から我が家の一員になったこいつは、医療保険はありません。正直、途中から懐が、、、
 保険は大事だよ。
 

 


投稿者: まんまる | 2013年10月26日 22:13

昨日はお疲れ様でした。3時間のお話、あっという間に過ぎ、楽しくかつエネルギーをもらいました。私は「ほがない」(鹿児島弁で稲穂の中身がない。まあアホやんという事かな)施設長で、昨日も質問したけど、薬投与に関しては強く言えない。他の身体拘束はみんな努力して全くしてないんだけど、薬にかんしては「過剰な」がどういうのか意思統一できてないのかなと思いました。結局師長と医師の間で処方され、職員は問題行動がないと安心だし、私が「ガタガタしたり騒いだりするのがAさんやん」と言ったって、「骨折でもしたら、どうするのですか。手術して寝たきりになって認知症が進むでしょ」となって「今でも夜間連れて歩いたり、ナースステーションの前で見守ったり、夜勤する人がいなくなって、勤務表つくれません!」って言われて、結局、師長から「施設長とは仕事できません!部署変えてください」となってしまったりするわけです。で、昨日思った。私はこういう問題、それは尊厳や人権ということだと思うんだけど、をやっぱり言葉だけ言うて逃げてるんやなと。(だって難しいもん)和田さんも苦悩してるんやね。綺麗事で終わらずに私
この問題にしつこく取り組むわ。私ね、自分で取り組まんと、和田さんの話聞いてもらおうとか師長変える(11月からもっと職員にものが言える人にかわってもらってんけど)とかで対応してしまうねん。狡いね。でもね、私も和田さんも「自由」が一番大切と思ってない?でも「自由」が嫌いな人っていっぱいいてるということに最近気がついた。揺れ動いてる波の女です。お元気で。


投稿者: sugiyasu hiromi | 2013年10月27日 11:46

いろんな事が駆け巡り
管理業務 現場 連絡調整等々
はたして
これでいいのか
わたしの判断は間違ないか
揺れ動く毎日
とどまることが許されず
次から次へと難題が押し寄せる。
人員不足続く中
頑張る仲間がいてくれて
支えてもらえているからこそ
まえに進めていることも
確かです
感謝してます
でも
苦しいです

うまく切り替えていくのが大事だと
そのたび思います

月に一度
職員より低いお給料を確認するとき

頂く対価に
こころが折れちゃいそうです。

それでも
やるしかないんです


投稿者: なんくる | 2013年10月29日 08:38

介護においても医療と同様に安全管理責任、予見可能性に対する保護責任、そして当然ながら結果責任を問われる。

更に美学だけでは裁判を乗り切れない。

現場では施錠や拘束、ガツンと効いちゃう薬物処方、十分なリスクマネジメントを行い、片方では倫理綱領を唱えてる。

矛盾と理想を飲み込んで、それでも組織を守り、良い職員を育て、良い仕事を安定継続することで社会に貢献していく事が求められている。

つまり自己破壊に向かう根本的矛盾を抱えた介護業界。

この世は矛盾との闘い。みんな!がんばろう。


投稿者: つがね | 2013年11月06日 12:20

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プロフィール
和田 行男
(わだ ゆきお)
高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は大起エンゼルヘルプでグループホーム・デイサービス・小規模多機能ホームなどを統括。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

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