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和田行男の「婆さんとともに」

rota virus

 皆さんにも「あっという間の一週間」というのがあると思うけど、僕にとって先週はまさにその名のとおり。
 陽気なラテンっこrotaちゃんとの出会いで、ロタちゃん一色に染め抜かれた週だった。

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 陽気なロタちゃんとはロタウイルスのことで、そいつが「我が家のヒト」に進入、そのヒトの一人が僕。ロタちゃんはラテン生まれなのかラテン育ちなのかはわからないが、ラテンの名に恥じない陽気さではしゃぎまくり、満開の桜=絶好のお花見気分を盛り下げてくれた。
 ロタちゃんは、元来は子ども好きのようで、別名乳幼児嘔吐下痢症、白色便下痢症、仮性小児コレラなどと呼ばれるように、生後6か月から2歳をピーク(六割は2歳未満)に、5歳までに95%以上の乳幼児にくっつくようだ。
 こいつがやっかいなのは、はしゃぎまくった勢いで胃腸をボロボロにすること。胃腸炎を発症するまでの潜伏期間は48時間以内で、嘔吐、発熱、腹痛に引き続き水様の下痢が5~7日間も続く。
 ロタにはやんちゃな友達がいて、ヒトに胃腸炎を引き起こすほどはしゃぐ仲良し友達は5種(ロタ、カリシ、腸管アデノ、アストロなど)。その中でもっとも重症な胃腸炎を引き起こすのがロタ。つまり、一番のじゃじゃ馬なのだ。
 口から入り込んだロタは小腸で感染を起こす。感染力が強く、ごく少量でも感染するし、手や衣服や器物の表面で長時間生きているので、間接的に他の部屋にも感染が広がる。
 こういうことは調べればすぐわかるのだが、病は何でも実感しなければわからないもので、ロタちゃん「恐るべし」なのだ。
 今でも我が家はロタのお祭り騒ぎが続いているが、調べて背筋がぞっとしたのは、発展途上国では60万人もの乳幼児を死に至らしめたり、脳症をも引き起こす”じゃじゃ馬“だということだ。
 我が家では、外出先の宿泊施設で下のちびがいきなり噴水のように嘔吐し発熱でほぼ救急搬送。その後、上のちび、ぼく、連れ合いに感染した。オス三匹は点滴のお世話になった。情報もなく、効果的な治療もなければ、脱水などから瀕死になってもおかしくないだろうと想像できるほど強烈である。
 大人は子どもに比べて軽いようだが、子どもに比べての話で、昼夜問わず絡んでこられたら大人でもたまらない。しかもちびっこの看病も必要だからきつい。今でもときどき腹痛が起こるし、ケツはもぞもぞしっぱなし。ちびっこはまだ下痢がひどい。僕もおもらししないように、久しぶりにオムツをつけた。
 さすがに水様便が続き、食事がとれないと力が出ない。今も何となく不快感が残っているため食べたくないので、お粥ばかり。体重は減るが踏ん張りがきかない。集中力もなく、何をしていてもぼーっとした感じで定まらないのだ。
 ところで調べついでに調べると、ロタウイルスはてっきりアルツハイマーやレビーのように「ロタさん」が発見したからついた名称かと思っていたら、電子顕微鏡像での外観が車輪に見えることからラテン語の車輪を意味する「ロタ=rota」になったそうだ。
 もののついでにウイルスのことも書くと、Virusというラテン語が起源で、その発音によってウイルス、ビールス、ヴァイルス、バイラスなどと呼ばれ「毒」という意味をもっている。日本でもかつては「病毒」と呼ばれていたが、1953年学会設立を機にラテン語発音に近いウイルスにした。これは昔に調べたので間違っていたらごめん。
 今日は辞典からの引用ばかりで申しわけないが、それだけ集中力がないという証でもある。ハハハ
 皆さんも、くれぐれも陽気なラテンっこにはご注意を!でもくるときはくるから、きたらそのときはロタちゃん・Xによろしく伝えてね。グッタリ。

ご紹介
 つい先日
 友人が出版した本を紹介します。

『潜在力を引き出す介助 あなたの介護を劇的に変える新しい技術』
田中義行著、中央法規出版
(B5判 全237ページ 2400円)

 田中さんは理学療法士。僕が知り合った頃は専門学校で教鞭をとっていたが、現在は横浜の老人保健施設で勤務している。
 本の中身を目次で紹介すると
第1章 介助の基本
(介助の基本的な考え方、介助の基本原理・原則)
第2章 潜在力を引き出す介助
(利用者の状態把握のポイント、起居動作の介助、移乗動作の介助、移動動作の介助)
補章 よくある素朴な疑問
(22の質問に応えてくれている)
 写真をたくさん使っているのと、ポイントを伝えてくれていますのでわかりやすいです。僕が気に入っているのは、表紙裏に書かれている(利用者の)「力を封じていたのは誰?」という言葉です。ぜひご覧になってください。

ご紹介2
平成22年度東京都地域密着型サービス事業者連絡協議会総会 特別企画
大牟田市から学ぶ地域作り
日時:5月19日(水)
場所:中野ZERO(東京都中野区)
詳細:ファイルをダウンロード


コメント


 はじめて、コメントします。
 先日のシンポジウムお疲れ様でした。ありがとうございました。
 
 師匠には、なに一つかないませんが、何と私は、2年連続ロタをやりました。2年目は、比較的楽でしたよ。
 
 師匠の本も出してくださいね。


投稿者: 山 県のitou | 2010年04月05日 16:01

先日は当ホームにてご講演頂きありがとうございます。
3年も前の記事ですが、今に活きる記事に刮目しております。

力を封じていたのは・・・。
常に心に有る様、今後も命じたいと思います。


投稿者: 神県 | 2013年12月29日 22:35

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
和田 行男
(わだ ゆきお)
高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は大起エンゼルヘルプでグループホーム・デイサービス・小規模多機能ホームなどを統括。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

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著者:和田行男
定価:¥1,470(税込)
発行:中央法規
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