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宗澤忠雄の「福祉の世界に夢うつつ」 2009年01月

計画策定のポリティクス―(1)井戸端会議

 計画策定につきまとう最大の困難は、なかなか協議の中心に障害のある人の現実が座らないことです。そして、議論のプロセスにありがちな問題点は、それぞれの委員が言いたいことを言い放つ会議に終始しては委員会が終盤を迎え、事務局からは「予算と時間の制約」を盾にされて、最終的に「議長と事務局に一任」するという茶番劇で幕を閉じるやり方です。このようなときにこそ、事務局の都合から「露払い役」としての「学識経験者」の登場する出番があるのでしょう。このような委員会は、関係者の「ガス抜き」がせいぜいの役割で、議長も「ガスぬき経験者」と呼称するのがふさわしく、「利用者主体」や「ノーマライゼーション」の具体策を創造する営みとは無縁ですから、開かない方がましでしょう。



回り道を惜しまない

 「学識経験者」という呼称をめぐる当惑(前回ブログ参照)をゼミの学生たちに話したところ、ゼミの掲示板に「宗澤氏は『誤用学者』か?」と記されてしまいました。この表現には破顔一笑、「山田君、座布団一枚やっとくれ!」と感心しました。が、円楽(当時。現在は歌丸)じゃあるまいし、感心している場合じゃない、私としては委員会や協議会の運びを考えなければなりません。
 障害者計画・障害福祉計画の策定が未開拓な領域であるとすれば、この世界の「社会的権威」は未だ存在しないはずです。どこの誰が座長におさまったとしても、あるいは大同小異の計画になるかもしれない。そこで、これまでの学識や経験の範囲内では計画策定の結論がありきたりなものにしかならないのであれば、ここは新しい境地を切り拓く回り道を惜しまない、自身のフィールドワークと位置づけるほか道はなかろう、と「誤用学者」こと不肖宗澤は考えました。



「学識経験者」とは何者なのか?

 この10年余り、私はさまざまな自治体の障害者計画・障害福祉計画の策定に関与してきました。今でこそ、計画策定の運び方に少しは知恵と知識を持ち、このブログの左側の欄に紹介されている障害者計画・障害福祉計画に関する単行本も出していますが、最初の頃は、計画策定の委員会のたびに頭を抱え込んでいました。当時は、福祉領域におけるプランニングについての議論は殆ど見当たらず、自治体にしても障害領域の計画策定は未経験でしたから、「手探り」ではじめるしかないような状況でした。
 このようにいささか覚束ない気持ちを抱きつつ、私にとって最初の計画策定である埼玉県和光市の障害者計画に臨むことになりました。以来、私は「未知との遭遇」を連続して経験することになります。
 これからしばらくの間、私の計画策定に関する経験談(単行本には書くことのできない裏話)を綴ってみましょう。



新年を迎えて

 明けましておめでとうございます。皆さん、年末年始をどうお過ごしになったでしょうか。
 冬将軍の到来に由来する交通機関の乱れに巻き込まれた方もおられるでしょうし、不景気の最中に寝正月を決め込んだ方もおられるかも知れません。私は昨年、「障害のある人の虐待または不適切な行為に関する実態調査」をまとめている真只中でお正月がなかったため、2年ぶりのお正月となりました。
 この年末年始には、私の注目した二つの出来事がありました。その一つは、日比谷公園を中心に展開された「年越し派遣村」の支援活動で、もう一つは、千葉県東金市の女児殺害事件です。



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プロフィール
宗澤忠雄
(むねさわ ただお)
大阪府生まれ。現在、埼玉大学教育学部にて教鞭をとる。さいたま市障害者施策推進協議会会長等を務め、埼玉県内の市町村障害者計画・障害福祉計画の策定・管理等に取り組む。著書に、『医療福祉相談ガイド』(中央法規)、『成人期障害者の虐待または不適切な行為に関する実態調査報告』(やどかり出版)等。青年時代にキリスト教会のオルガン演奏者をつとめたこともある音楽通。特技は、料理。趣味は、ピアノ、写真、登山、バードウォッチング。

【宗澤忠雄さんご執筆の書籍が刊行されました】
タイトル:『障害者虐待 その理解と防止のために』
編著者:宗澤忠雄
定価:¥3,150(税込)
発行:中央法規
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