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和田行男の「婆さんとともに」

リーダー

 リーダーとは何か。
 理屈ではいろいろあるだろうが、まさに「リーダーとは」を肌で感じたことがあった。
 それは、海の上で、乗っていた船が浸水事故に遭い、あわや沈没という大惨事に直面したときだ。

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命綱とはこのことか…。

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 2011年8月に結成した「災害支援法人ネットワーク(通称:おせっかいネット)」は、「学習交流会」を年2回、会員の地域で開催している。
 学ぶことも大事だが、人と人が交流し「知人から友人になる」ことも大事にしている会であり、何の制約もない会なので勝手に「倶楽部」もできてきた。
 そのひとつが「釣り倶楽部」で、交流会に合わせて釣りに出かけている。僕も末席ながら釣り倶楽部の一員で、今年も出かけた。
 釣りはいつも船で出る。今回も大物を狙って、釣り船で太平洋に出かけた。船長は年配の方で、僕らに対しては温厚な、そして口には出さないが「何としても釣らせてやりたい」という思いを行動に移してくれる船長さんだった。
 海水浴には絶好の「風もなく凪の海」だったが、釣りには条件が悪いようで(僕にはよくわからないが)、みんな大した釣りの成果は上がらなかった。
 猛暑の海の上、成果の出ない釣り。誰もが「もわーん」としていたそのとき、船長から「ライフジャケットを着用せよ」といきなり号令がとび、「船が沈む」と緊迫の声がとんだ。
 といっても、いきなり沈むような状況ではなかったが、船のエンジンルームが浸水し、海水の量は確実に増えていく状況。
 そこからの船長の動きは機敏であった。
 排水ポンプを準備しながら、応援の船にSOSを出し、乗客である僕らにも指示を出す。
 あと1時間で、サメの待つ海に飛び込まなければならない状況だったようだが、排水ポンプの効果と救援の船のおかげで、沈む前にロープで引っ張ってもらって港に戻ることができた。
 戻る手前でロープがぶちきれるというアクシデントもあったが、リーダーである船長はあわてるそぶりもなく、淡々とロープを取り替え、牽引してもらっている最中も排水作業を行っていた。
 また、そのまま港までは戻れても接岸できないようで、小型の救援船まで手配されていて、港には救援の船と船に挟んでもらって入港・接岸できた。
 リーダーとは何か。
 海は常にリスクをともなう。そこで暮らす専門職として船長は、「リーダーの行動はかくあるべき」というものを行動で示してくれたと僕は感じた。
 船長は、慌てふためいた様子もなく、一つひとつ確実に行動をとっていたように思う。おかげで、そんな危機的な状況下にもかかわらず、僕も他の者も慌てることなく「飛び込む準備」を整えられた。
 僕らの仕事も常にリスクをともなうが、リスクから逃げれば、そもそも海の上に素人を釣りに連れて行くことなんぞできないだろう。
 常にリスクを予測し、イザというときに行動がとれる準備ができていればこそ人の命を預かる仕事ができるのではないだろうか。
 ちょうど釣りに出る前日に、車輪の不具合で胴体着陸した飛行機の話をしていたところ。
 どの世界でも同じで、リスクを回避するばかりでは何事も成さず、「ないこと」ではなく「あること・起こること」を前提に準備して何事も進めていくことが必要で、常時リスクを可能な限り最小にとどめる手立てを思考し・講じ、非常時には、その備えを最大限に生かし被害を最小限にとどめられるように行動できることが、リーダーに最も必要なことではないかと改めて感じた。
 僕もかくありたい。


コメント


リーダーとは何か・・・難しいですよね。過日に内の事業所のリーダーと呼ばれる人達を集めて研修をしました。内容は、私自身の経験談と少しばかりの理屈で終わり、最後は自分達で本を購入する。そこで学んだ事を実践して自分なりに何かを学ぶという事で〆ました。かくある私が学んだ事は、リーダーとは覚悟を決める事であり、自分で決めて、自分で責任を取る。そんな姿を通して部下はリーダーに痺れると思います。でも、リーダーって孤独ですよね。その孤独と向き合える人がリーダーになっていくんですかね。


投稿者: 博一 | 2013年08月13日 07:52

リーダーたる者の使命なんでしょうか?
よく言われるのが、「あなたが舵取りをして」
常に船が関係しているんだと…
1人でも航行出来るが、何人かと航行するチームもありますからリーダーの原点なのかもしれませんね!着々と開設に向け進んでます。


投稿者: 中根 | 2013年08月13日 09:31

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プロフィール
和田 行男
(わだ ゆきお)
高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は大起エンゼルヘルプでグループホーム・デイサービス・小規模多機能ホームなどを統括。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

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