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宗澤忠雄の「福祉の世界に夢うつつ」

街角でちょっと一服―喫茶JAZZ(1)

 私の住まう川越は、ちょうど桜が満開です。今、川越はNHKの朝のドラマで放映中の「つばさ」の舞台になっているため、蔵造りの街並みや喜多院に普段より多くの観光客が訪れているようです。昨日は、この観光客に入学式を終えた小中学生の親子連れも加わり、川越の桜の名所の一つ、新河岸川沿いの桜並木でも大勢の人たちがお花見を楽しんでいました。画像は、自宅から歩いて1分もかからないところで撮影したもので、桜の季節を除けばいつも静かな通りです。

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川越の桜並木

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 私の自宅は住宅街にありますが、このように突如として周辺が賑やかになると、地域の様子の一変することが分かります。人の行き交うざわめき、酒盛りに興じる連中の喚声、街路に散乱する空き缶やゴミ…。どれもこれも人の暮らしから落ち着きを奪うものばかり。しかし、考えてみれば、都市部の暮らしというものは、このような日常に身を置いていることではないのでしょうか。
 都市部の繁華街は、途切れることなく気ぜわしい人の往来に溢れています。そこでは、「孤独な群衆」の一人になることのできる都会特有の「気楽さ」がある一方で、過剰な刺激(照明や看板、騒音等々)に晒されての神経疲労を強いられます。昨年、鳥取から東京に出てきた施設職員の知人は、「東京に1日いると鳥取の街で見る2~3年分の人を見たような気分になる」と言うのですから、疲れるのは当然です。
 そこで、都市生活者には、働く場所と住まいとは別に、ちょっと一服できるところを街角に見つけておく習慣がそれぞれの人なりに作られてきたように思います。勤め帰りのサラリーマンが立ち寄る呑屋、OLが仕事の用事で出かけた合間に立ち寄るコーヒーショップなどは、まさにそのような場所になっているのでしょう。そこは、職場でもなく、家族や職業的な生活支援者でもない地域の人たちと、新しい「顔見知り」になって談笑したり、気分転換の間になってきたところです。
 都市部に暮らす障害のある人にとっても事情は変わりません。しかし、一般就労をしている障害のある人たちにこれまでお話をうかがっても、職場と自宅(またはグループホーム等)の往復だけで、「ちょっと立ち寄る」場所や経験の乏しさが気になっていました。

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喫茶店JAZZ―障害のある人も気軽に立ち寄る

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入口付近のお洒落な店づくり

 喫茶店JAZZ。ここは、数ヶ月前、私が原稿の校正に追われて立ち寄ったところで、カレーライスの味にはまってしまい通うことになりました(私の理想とするカレーの味に限りなく近い!!)。川越の喜多院や中央公民館・市民会館に近接したロケーションにある、ちょっとお洒落な喫茶店です。お店の名前にあるとおり、いつもジャズのBGMが流れています。(詳しくは次を参照してください。http://gourmet.gyao.jp/0003005862/
 ここに通っているうちに、あることに気づきました。それは、ふらっと立ち寄ってコーヒーを飲んでいったり、毎週欠かさず夕飯を食べに来ては2時間ほど談笑される障害のある人たちのおられることです。(次回に続く)

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喫茶店JAZZのマスター―ソプラノサックスの演奏者でもある


コメント


こんばんわ
川越の桜はとってもきれいですね
あぁ桜の季節! とじっくり眺めることもきれいだなぁと心にゆとりも無いままに 新年度を迎え日々気忙しさの中での介護の現場に追われています
障害のある人もない人も一緒に集える喫茶ジャズの存在がうらやましいです
地域で普通に過ごせることが簡単そうでいち番難しいことです
川越のさくらと先生のブログに元気と勇気をいただき今年度も障害を持つ方とともに普通に暮らせる地域でのあり方に関わっていきたいと思います


投稿者: ぎふのおばさん | 2009年04月10日 01:16

 こんにちは。
 川越の桜きれいですね~。私もつい先日喜多院や菓子屋横丁に遊びに行きましたよ~。
 あまり時間が無く二ヶ所だけ見て帰ったんですが、そのうちもう一度朝から遊びに行ってお寺巡りや七福神巡りをしてみたいと思います。そしてちょっと疲れたら喫茶店JAZZで休憩も良いですね。
 ちなみに私はJAZZが好きで、アルトサックスを買って練習中なので、施設で何か演奏できるようにレパートリーを増やしつつ学業も頑張りたいと思いますので、よろしくお願いします。


投稿者: @千住 t.k | 2009年04月13日 17:17

 こんにちは。
 5月ですがこの記事が気になったのでここに投稿します。
 先生の授業をうけています。
 桜とてもきれいですね★来年見に行ってみたいです。
 障害者の方も一緒に集えるカフェがあるのは、とてもいいと思いました。
 普段あまりかかわりのない障害者の方と私生活でふれあえるのは、めったにないことだけれど、それが日常になるのは素晴らしいことだと思います。
 川越にはまだ行ったことがないので、今度行ってみたいと思います。


投稿者: 田舎者 | 2009年05月26日 23:05

 僕は某駅の近くの個人経営の居酒屋でバイトをしているんですが、このお店には常連さんが数多くいて、その人たちにとってこのお店はなくてはならない存在であるということを再認識しました。このお店では数人で来て、静かに呑む人が多い、ちょっと高級感のあるお店です。
 先日、常連さんである老夫婦が呑んでいると、このお店では珍しいかなり騒ぎながら呑むお客さんが来ました。するといつもは2、3時間呑んでいくはずなのに、1時間も経たず足早に帰ってしまったことがありました。このときはうるさかったから帰っただけだと思ったけど、この記事を読んで、自分の居場所を邪魔されて、居心地が悪くなって帰ったのだと思いました。
 このような自分の心休まる場所が、消えることなくこのままずっとあり続けてほしいと思いました。


投稿者: F | 2009年07月19日 01:58

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
宗澤忠雄
(むねさわ ただお)
大阪府生まれ。現在、埼玉大学教育学部にて教鞭をとる。さいたま市障害者施策推進協議会会長等を務め、埼玉県内の市町村障害者計画・障害福祉計画の策定・管理等に取り組む。著書に、『医療福祉相談ガイド』(中央法規)、『成人期障害者の虐待または不適切な行為に関する実態調査報告』(やどかり出版)等。青年時代にキリスト教会のオルガン演奏者をつとめたこともある音楽通。特技は、料理。趣味は、ピアノ、写真、登山、バードウォッチング。

【宗澤忠雄さんご執筆の書籍が刊行されました】
タイトル:『障害者虐待 その理解と防止のために』
編著者:宗澤忠雄
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発行:中央法規
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