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和田行男の「婆さんとともに」

専門職人災

 病気になりたい人はいますか?
 どこでも皆さんに聞いているが、病気になりたい人に出会えていない。
 ところが「病気になりたいと思ったことのある人はいますか?」って問いかけると、「ないです」と言う人に交じって「あります」と答えてくれる人がいる。「どんな時でしたか」と突っ込むと「仕事を休みたかったとき。」と正直である。
 僕らは自分の事情によっては病気になりたいと思い、「ケ・病」という病気に自ら罹ることがあるが、本当の病気になりたいと願うことはないだろう。
 病気は自分が“願って成る”のではなく、自分の意志や気持ちに“反して罹る”のであり「不本意な状態」なのだ。

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 何を当たり前のことをほざいているのか。
 そう思われる人もたくさんいることだろう。それでも僕は研修会では毎回同じ質問をしている。
 なぜなら、僕らが仕事をさせてもらう上で関わる人の圧倒的多数の者が「病によって支援を要する状態にある」からであり、病やケガは誰にとっても自分の意志や気持ちに反した状態で、どんな病やケガも「本人が一番辛い」という、とってもわかりやすい当たり前のことへの理解が、支援者である僕らにあるのだろうかと疑問をもっているからだ。

 本人が辛いのではなく介護している自分たちが辛いのだから、自分たちが辛くないように様々に手を尽くす。
 その結果が、施錠して閉じ込める、時間を決めて動かせる、選択肢を与えないで画一的にするなどであり、具体的には、同じものを食わせる、同じことをさせる、誰をもベッド生活にさせる、同じ所へ連れていく、決まった曜日にしか風呂に入れないなどなど。
 一番大事な人として当たり前のことが放ったらかされたまま、建物などハード面だけ豪華になり、それに公金が使われている。
 つい最近も「なんでやねん」と思える庁舎・特養・病院など公的施設に出会ったが、いい加減にしてもらいたい。日本はお金がなかったわけではなく、お金をうまく使える人がいなかったから、なくなったのだろう。
 きっと日本中の介護に携わる者(政治家や行政マンや学者・研究者なども含めて)が「本人が一番辛い思いをしている」と思っていれば、介護現場(本人たちから見れば「過ごす環境」)は今とはまったく違っていただろう。
 今からでも遅くはない。
 病にかかったことへの苦、思い通りにならない生活環境への苦に加え、理解されない苦では「何重苦」である。
 僕らの仕事は「苦を加える」ことにあるのではなく「苦を軽減する」ことにあるはずだ。
 理解されない苦は、「専門職人による災で害以外の何ものでもない」ことを肝に銘じ、「苦」を取り除くために力を尽くす専門職を目指そうではないか。その集団を築こうではないか。
 婆さんが暮らす施設で入院先の病院で「苦」「災」を加えている専門職面した看護・介護職員を見聞きするにつけ、同じ職業人として「人のふり見てわがふり直せ」の言葉が耳をよぎる。


コメント


先日、入居者の受診が突然予定に入ってしまい、「ユニットで対応して欲しい」と依頼したらスタッフから「その時間は2ユニットでいつも買い物している時間だから出来ません」と言う返答が帰って来た。
確かに買い物は車でしか行けないスーパーだから2ユニット同時に行った方が効率は良いが、2ユニット同時でないといけない訳ではないはずである。
車の運転が出来るスタッフが居れば、各ユニット別々の生活スケジュールを組んでもいいはずだ。
入浴時間も臨機応変に入れたいが、スタッフの中には「いつもこの時間に入浴しているから・・・」と杓子定規な声しか聞こえない。
毎日、同じ時間に同じように掃除や散歩や買い物や調理などして・・・たまに違ったことをしたいと言っても融通が利かないのは職員です。
入居者さんが出て行って、職員同士で探すにも指示が無いと動けません。
だって、いつもと違う動きをする思考回路が無いので・・・
これって、マンネリ業務の病気ですかね?


投稿者: ○○○ | 2013年02月19日 20:40

 〇〇〇さん。

 ウチも同じですよ♪  よっぽどルーチンワークがお好きな様で、逆にルーチンじゃ出来ない仕事を時折入れる様に仕組んでます。。


投稿者: toto | 2013年02月20日 22:50

ウフフ☆和田のおじ様にサインをもらっちゃった♪ステキ(^∇^)


今日は研修の為、遅れてホームの会議に参加。なんと、ナミナミのテーブルが来るという!波多い(笑)

で、「そのテーブルのナミナミどうするんですか~?」と聞くと、「車椅子の方をはめる」とおっしゃる。「じゃあ、いらないから断りましょう」と私が言うと、「無理」とのこと。さてどうなることやら…。

…サインペンを持参せず失礼致しました。

私の前職は手芸店の店員で、お客様の手仕事のステキをサポートしていました。その気持ちは介護職になっても変わりません。

ぺーぺーなので仕事場に???だらけですが、和田さんの本を介護のダンマパダとして慈しんでおります。有り難うございました。


投稿者: おすーさん | 2013年02月21日 01:43

久しぶりに投稿させて頂きます。
昨年10月末に事業所を廃止(法人の都合)以来、この和田さんのブログやみなさんのコメントは、欠かさず拝見していましたが、なかなかコメントを打つまでの気力が無くて…。
今回のブログを読んで、又、コメントを再開したくなりました♪
現在、縁あって、ある法人が2軒目のグループホームを開所するとのことで、そこの管理者として雇って頂く事となりました。
まだ、建設中の為に建物が出来るまでは同法人内の老健(95床)で「研修」という形でお世話になっているのですが…
「まだ、こんなケアの施設があったのか!」と絶句してしまいました(T_T;)
認知症の方の階(2~5階までのフロアの中で、認知症棟として別けられていました)では、フロアの扉は中から出られないようにドアノブが外されていたり、部屋(4人)にはベッド以外は何ひとつ物が無い…
他の階の入居者も、一日3回の食事と週2回の入浴の為に1階へ降りる為に1つしか無いエレベーター前で車椅子のままで長蛇の列となってならんで(列ばされている)いる毎日…
書き出したら切りが無い…。
建物の構造上、致し方ない面もあるかとは思いますが、ストレスで不整脈となってしまいました(苦笑)
新グループホームでも、1軒目のグループホームが玄関にロック式の鍵が付いていることから、当たり前のように同じシステムが組み込まれていたり、食事の調達は同法人内の栄養科から食材をもらい、同じメニューで食事担当のパートさんが作るやり方を強いられたりと、私の思いとは少しズレがあるスタートになりそうでしたが、今、理事長に、せめて日中は施錠しない・食材は入居者が地域に出向いて選ぶ支援をさせて欲しい旨を交渉中なのです。
これからも、色々とぶち当たる壁が出てきそうですが「苦を軽減する専門職」を目指して頑張りたいと思います。
因みに…
6月半ば若しくは7月オープン予定の2ユニットグループホーム!!まだ職員が3人しか決まっていません(>_<)
どなたか「苦を軽減する専門職」目指す方で一緒に働いてくれる方いませんかぁ~(*^_^*)


投稿者: moto | 2013年02月21日 18:06

私は施錠当たり前、抑制服当たり前、定時おむつ交換当然という施設ばかりを訪問(認定調査)してます。先日老健で≪一番介護に困ることはなんですか≫と聞いたところ≪夜になるとおむつの中に手を入れて便をこねて困ってます≫と生活相談員が言われたので≪気持ち悪いからではないですか≫とコメントしたらムッとされました。マダマダこんな状況です。悲しいかな・・・。訪問の度にこんなことを言うばかりしかできませんが何も言わないよりいいかと、弱気になっています。


投稿者: kagayakiフクダ | 2013年02月24日 18:00

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
和田 行男
(わだ ゆきお)
高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は大起エンゼルヘルプでグループホーム・デイサービス・小規模多機能ホームなどを統括。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

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