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和田行男の「婆さんとともに」

小学四年生への響き合わせ

 初めて小学校で講義をさせてもらった。
 小学四年生120人を前に「生きること・死ぬこと・認知症をはじめ壊れるってこと」。
 小学生にどう伝わったかはわからないが、びびりまくりの緊張しすぎで、終わったあとの帰り道、腹痛に襲われて大変だったが、とてもステキな10歳たちであった。

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 僕の小学四年生の思い出は、高知から大阪に出てきて大都会大阪転校生活1年生のときである。
 記憶を手繰り寄せても、高知の学校とは違って学校が土足のままで教室まで入れるのに驚いたこと、宿題を忘れると首から「私は宿題を忘れました」という札をぶら下げさせられ、授業中に他のクラスを回らされたこと(僕はしょっちゅう回っていた)、通知簿が5段階評価で2だらけだったことくらいしかない。
 僕はものすごい緊張症なので、転校して教室の前に立ってクラスメイトに紹介され挨拶させられても、自分の名前を言うのがやっとだった。
 でも、講義を聞いてくれた小学四年生たちは、何人もが自分から手を上げて僕に質問をしてくれた。これも時代の反映なのかもしれないが「違い」を感じた。
 小学四年生10歳になると、脳は大人の脳にほど近い質量をもつと聞いたことがある。校長先生に話を聞くと、小学四年生頃からぐっと理解や判断力が増してくるそうで、課題を出すと、大人より時間はかかるが、経験のないこと以外はほぼ教師たちが考える「解答」に近い解答を出してくるそうだ。
 ところで、何で小学校に和田行男が招かれたのかだが、グループホームで介護職員をしていた人が、先輩からすすめられた僕の著書『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)を読んで、研修会で僕の話を聞いてくれて一念発起し、そもそも目指していた教師になった。
 授業の一環として福祉のことを話してほしいと元の先輩(今も介護業界にいる)に相談を持ちかけたところ「俺では自信がもてない」ということで、その先輩から僕に白羽の矢が向けられたからである。
 僕だって自信があるわけではないが「何にも考えない」のが信条の和田行男は、大胆にも受けてしまったということだ。
 僕が知っているだけで、同じような道をたどって教師をしている者が3人いるが、僕的には嬉しい限りである。
 うちの職員にも「婆さんに自己実現の支援をしていたら自分は自己実現しているだろうか」と生き方を考え退職した者や「やりたいことが見つかりました」と言って退職する者も少なくはない。
 僕が婆さん支援で学んだことは「婆さんに学び・婆さんに還す」である。
 教師たちは小学生に、教師としてというよりも生きてきた先輩として後輩たちにいろんなことを一生懸命伝えていることを、校長先生と話して感じた。
 ひと昔前のような「人と人」のかかわりは難しくなっているようだが、おかれた環境のなかで「教師と生徒」「学習指導」ではなく「人と人として」「先輩と後輩」のかかわりから何かを感じてもらえるような「教育」を追求しているように感じた。
 僕らもこの業界に入ってくる後輩たちに一生懸命かかわりをもって伝えていくことが必要であり、その根っこは「導く」ではなく「伝える」ということである。
 伝えるのは、ホモサピエンス繁栄の礎だということを聞いたことがあるが、その中心は「言葉」である。
 僕の「言葉」や「表現」がどう小学四年生に響いたか、子どもたちからの感想文が楽しみである。またブログで紹介したい。ちょっぴり怖いけどね。


コメント


小学生!!楽しいですし、エネルギーが凄いですよね、以前にキャラバンメイトで学童の子達に、話をさせて貰いました。何が伝わったが分かるのは、私が認知症になってしまった頃ですかね・・・。
先日、社協のキャラバンメイト担当者からこんな話を聞きました。「来年度から、メイトさんには交通費が出る様になったの」
私は「交通費で止めといてね、謝礼金等が発生したら講師役はやめますから(笑)」

私は営利目的で引き受けている訳じゃないし、どこまでいってもボランティアでいたいんです。
痴呆と呼ばれたいた頃、何も解らず拘束を普通として、問題意識を持てなかった時代、そう介護保険なんてありゃしない、給与面は医療法人と社会福祉法人では雲泥の差があった頃・・・介護者のストレスには誰も触れず、介護とは福祉であり聖職者であるから素晴らしい・・・結果、その歪んだ社会認識から生まれたのは、介護者を追い詰めるだけのものでした。そして、その全てのものを背負わされたのは、今の言葉で言う「要介護者」言われる高齢者です。

無知であることは、罪を生み出します。
だから、今まで私と出会ったババサマから教えて貰った事、無知である事から疑問を生み出せなかった自分への懺悔があります。
そんな思いが、私をキャラバンメイトに駆り立ています。だから、ボランティアでいたいのです。

PS
これらは、博一の勝手な主観です。
和田さんゴメンナサイ。ババサマという表現は、私が大好きだった高齢者がいつも、自分の事をババサマと言っていました。そのひとの口癖は「徳をつましてもらってます」でした。それ以降、この表現を使用させて貰っています。


投稿者: 博一 | 2012年03月25日 20:50

和田さん、みなさん、こんにちは。

 昨日、仕事で上司に謙虚さがないと言われ、私もその通りだと思うのですが、答えが見つかれらず、どうしていいのかも判らず、誰にも会えなくて、つらくても涙が出なくて、涙が流せなくて耐えていました。人は、本当につらいと涙が流せないし人にも会えないのですね・・・。
 和田さんのブログと博一さんのコメントを読みようやく泣けてきました。涙しながらコメントを打っています。良かったです。謙虚になれるかどうかわかりませんが、1%でも望みがあるのならばゼロではない限りチャレンジしてみようと思います。御爺さん、御婆さん、大好きだから・・・。


投稿者: 寺内 美枝子 | 2012年03月31日 13:58

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
和田 行男
(わだ ゆきお)
高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は大起エンゼルヘルプでグループホーム・デイサービス・小規模多機能ホームなどを統括。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

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