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和田行男の「婆さんとともに」

ご馳走って言われても

 仕事で職員を呼び出してファミリーレストランに入ったはいいが、財布を忘れてしまった。心苦しく「おごってもらっていい?」という時の気恥ずかしさ。
 そんなときにふと思い出すことがある。

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 婆さん達と出会って間もない時、一緒に外食にでかけた。
 席について「さあ何を食べようか」とメニューを渡すと、何のことかわからない人、ポケットに手をやる人、周りの人の顔を見る人、もぞもぞする人、じっと眼をやったまま動かない人、「せんせい、お金は」って聞く人とさまざまだが、一様に「どうしていいやら」って感じになった。
 予め予測はしていたが、お金ももたないまま飲食店に入って「何を食べるか」って言われても戸惑うのは当たり前のことで、そのとおりのことが起こった。
 「今日は僕がご馳走しますから」
 と言うと、ホッとしたようにメニューを見るのだが、目線はメニューの下のほう。指で追うのは下のほうに書いてある数字。つまり値段である。
 ご馳走してくれるって言われても「お兄ちゃんが大変」という心遣いが目に見えるのである。
 「大きな声では言えんけど、実は宝くじに当たったんですよ」
 とにこにこ顔で言うと、ものすごく安堵した顔でメニューの上の左のほうに目をやり始める。
 お金の心配がなくなり、そのお金も「それなら大丈夫」「そりゃご馳走してもらわなくっちゃ」となると現金なもんで、メニューの上段左のほう=値段が高い高価な物を探し始めたのだ。
 メニュー右側が「うどん・「そば」なら、左側は「天ぷらうどん・そば」である。
 これは認知症からくる症状でもなんでもなく、当たり前の行動だ。
 僕もボスに連れてってもらう焼き肉は特上和牛、値段なんか気にしない。でも部下にご馳走になる時は和牛、値段も気にする。
 婆さんと一緒にいると日常生活の中にたくさんある、そりゃそうだ!
 そんなことを思い出しながら、職員に昼飯もおごってもらった。ハハハ


コメント


いつもお疲れ様です。現場のやとわれ管理者です。
そういう利用者への配慮ができる人とできない人がいますね。なんていうのでしょうか、才能もあるのでしょうかね?特に年配のおばちゃん職員には繰り返し説明しても駄目なこと多いですね。
利用者が吐いた言葉そのままを鵜呑みにして、言われたのでそうしました、なんてことを多くて、その裏にある深い真情を察しようとしない人、職員教育に頭が痛いです。
管理職の人には愛想いいんですがねぇ。若干疲れてます(笑)


投稿者: アサデンコウ | 2011年12月02日 12:23

お返事をありがとうございました。 コメント投稿不慣れで やっと投稿まで こぎつけました。 励ましの言葉嬉しく思いました。上司は あんたの知識が足りないから ダメなんだよ。 本当ににそうかも? 私自身 認知症のひどい方は あれは 精神病だからグループホームの範疇ではない と職員にいわれ 上司に相談してもやっぱり私の力不足なのか と凹んだり。
私自身 は やっかいな 事例でも 目の前の方を ご家族の想いを大切に していければと 接してきましたが 職員の想いに流されたりもして うわついていたのかもしれません。 今は 介護の仕事に向き合えないかもしれないけれど、 いつかまた どこかで 周りからは 訳わからんというような 爺 婆さん達と関われたらおもしろいだろうな。と少し考えられるようになりました。 本当にありがとうございます。


投稿者: マメ | 2011年12月03日 22:03

 現在 老健で働いています。 グループホームとは違ったシステムに戸惑っていますが、目の前にいらっしゃる婆さんズは同じ 勤めてわずかですが名前を覚えて下さったり、慕って下さったりと 私自身 利用者さんに癒されています。 システムの違う所で 1から始めていますが 頑張っています。元気の源は 婆さんズ爺さんズ の笑顔です。 励まし ありがとうございます


投稿者: まめ | 2012年01月23日 20:57

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
和田 行男
(わだ ゆきお)
高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は大起エンゼルヘルプでグループホーム・デイサービス・小規模多機能ホームなどを統括。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

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