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和田行男の「婆さんとともに」

立場

「介護保険は本人と家族のためにあると思うのですが、認知症を理解するのが大切なのはわかりますが、家族の立場、家族の思いも大切だと思います。和田さんはどのように考えていますか?家族の立場をわかっていますか。」
 今回は、研修会が終わった後に送られてきた感想文に書かれていたこの質問について考えてみたいと思います。

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 家族の立場の「立場」とは何かです。
 ものの辞書によると、立場とは「人の立つ場所、立っている所。その人の置かれている地位や境遇、また面目。その状況から生じる考え方、観点、立脚点」とあります。
 立場を語るときに要素としてあるのは「立場は、自分の意思や気持ちとは必ずしも一致しない」ということです。
 総理大臣だって僕だって婆さんの家族だって、立場で語らなければならないことやときは、自分の気持ちや意思に反することでも語ります。
 僕らにとって第一義的なことは「立場に惑わされることなく家族の気持ちや意思を知ること」で、だからこそ家族の本当の気持ちや意思を探っていくわけです。
 では「立場はどうでもよいか」というと、そうではありません。
 介護している嫁が「義父母の面倒をみたくないから施設に入れたい」と自分の気持ちや意思を打ち明けてくれたとしても、後先考えず息子(嫁の旦那)に「嫁のことを考えてやれ」と言ってしまったら、嫁の立場はなくなるでしょう。
 僕らは「婆さん本人の気持ちや意思(本意)を知る(推測するも含めて)」「家族の気持ちや意思(本意)を知る」「その立場を理解する」ことによって、織り合える支援策(本位)を探っていくのです。
 ですから「家族の立場をどう考えていますか?」という質問については、「家族の立場だけでは考えないし、立場だけを考えては間違いかねないと考えている」ということです。
 往々にして職員や家族などの立場からだけで物事を考えたり、すすめがちになっていますから、あえて本人の気持ちや意思という方向から考えることを和田は語っているということで、家族の立場を考えていないということではないのです。
 そうでなければ、「どこにも行きたくない」と言っている婆さんをデイサービスに行かせたり、特養・グループホームに転居させることの「お手伝い」なんてできません。
 しかもその「お手伝い」は誰のためのお手伝いかといえば、決して家族も「嫌がる婆さんを無理にでも行かせたい・移らせたい」と本意で思っているわけではない場合もたくさんあるわけで、まさに家族の立場を思えばこその「家族の置かれている状況=立場」へのお手伝いなのです。
 僕自身いつも、意に反した立場へのお手伝いをしなきゃならないこの仕事の矛盾と闘っているのであり、だからこそ「意」を大事にしなきゃならないと「意」を支援する支援者として自分を戒めてもいるのです。僕の立場だからできる「問題提起」をさせてもらっているということなのです。
 こうした議論をあちらこちらで喧々諤々できるような業界になるようにしたいですね。

【お知らせ】
波の女セミナー たっぷり認知症の話
【年月日】2012年2月9日(木)14時~20時
【会場】ういんくあいち 大ホール(愛知県名古屋市)
【講師】池田学、町永俊雄、和田行男
【関連URL】http://www.nami-no-onna.co.jp/
【詳細】ファイルをダウンロード
【問い合わせ先】
株式会社波の女
愛知県名古屋市天白区池見2-14
TEL080-4308-8910
FAX052-834-0733


コメント


取り込み遅れましたが、先日の名古屋での研修ありがとうございました。
遅れて駆け込みが念願の和田さんの歌聞けるし、和田さんと長谷川せんせいのツーショット初めてなのに初めての気がしないのは不思議。予想通りの楽しいやりとり(^_^;)大逆転の朗読だけでも充分て感じ。
不思議な記憶の蘇り 五年前初めて和田さんに会った時もあの映像とサザンの曲!?音楽ってその時代思い出す不思議な力?はじめてお会いしたのやはりこの時期でした。行って来いといった会長に感謝です。


投稿者: むらさき | 2011年11月25日 21:44

介護の 仕事は 結局気が強い 人しか携われない 目の前にいる婆 爺 さんずは大好きなのに。 気の弱い人間は それは違うでしょと思っても なかなか 言えず 言いたいこといわれ 反論できず 介護に携わる人柄が恐ろしくなりました。 もう できない。


投稿者: マメ | 2011年11月28日 20:10

 和田さん、皆さん、こんばんは。

 大きなお世話なのだけれど、マメさんをほおって置けないのでコメントさせてください。

 マメさんへ
 私は、今・・・栃木市から宇都宮まで車で通っています。どうしてか?人間関係がうまくいかないというのが一番の理由かな。私は、個性が強いし、職員ではなく、一番に御爺さん、御婆さんを考えてしまうから周囲と足並みがそろわずに、協調性がないと言われたり、施設で職員にいびられたり、最後は、雇われ施設長にまで「俺の言うことが聞けないのならば他に行け」と言われ、そこの施設は3年働いたし魅力がないので退社しました。
 叔父に言わせると「仕事が出来過ぎるからやっかまれるんだ」と言われました。
 沢山の人と喧嘩もしました。もちろん、解ってほしくて話し合ったケースもありますが、私を好きになってくれる人、嫌いになる人は、どうも両極端のようです。もちろん、仲間も沢山いますが、影で思いっきり悪口を言われたり、上司にあることないこと言われたり、沢山の経験をしています。
 でもね、後ろは振り向きません。一番は、御爺さん御婆さんなんです。誰に何を言われても、自分のした行為が、御利用者にどれだけ迷惑をかけたか、他の職員に迷惑をかけたか、それだけなんです。たえず反省し、改善策をつくり対応します。
 私は、自分が全てあっているとは思いませんが、私に、つまらないことでいちゃもんをぶつけてきた人は死ぬ気で真正面から向かい合います。そうしないと負けて終わりです。
 私は、自分のホームが作りたいし、御爺さん御婆さんに、そして、私たちに未来があると強く信じています。
 今の勤務しているホームは、本当に良いところです。私は、退社したら、或いは、させられたら更に素晴らしいホームに勤務できるよう探しアタックします。そして、見つけたのは市外にあり1時間以上も車を運転しますが、私の本当に求めていたホームです。お給料は、いただけるだけで本当にありがたいです。
 正直、今は、転職貧乏です。でも、生きているんだから、前に進みたいんです。そして、そんな私を沢山の人たちが支援してくださいます。なかには「うちで働いて大学の授業料を稼ぎなさいよ。前払いするから間に合わせるから」と支援してくださる人もいます。運は自分で切り開くものです。そのために、私は、多くの本を読み、自分の夢をつかんだ人や困難を越えていった人から生きる勇気をいただきます。
 私は、私自身が全て合っているとは思いません、間違えたら謝罪し反省し改善するだけなのです。今までもそうしてきましたし、これからもそうしていきます。そうすると、おのずと、素晴らしい仲間が寄ってきて自分の未来に近い場所にだんだんと近づいていくものです。
 私は、御爺さん御婆さんに始まり、そして、私たちの未来は絶対に明るいものだと信じて疑わないだけです。
 
 マメさん、頑晴られていると思うので頑晴れとは言いません。ただ、私は、マメさんの好きな、大好きなこの仕事をやめてほしくないだけです。


投稿者: 寺内 美枝子 | 2011年11月30日 20:36

マメさんへ

 そばに相談できる人はいないですか。
 僕が関係している人なら僕に連絡くださいね。
 気が強いと思われている人だって弱さや脆さはあるんですよ。
 みんなおんなじですから。
 一番大事なことは気が強いか弱いかではなく、いろんな心模様をお互いに認め合うことではないでしょうか。
 僕が職員会議で上司に反論したときに、周りの人たちは「和田さんだから言えるんですよ」って言われましたが、その人たちに言ったのは「僕だってドキドキしながら断腸の思いで放ったんです。決して僕だから言えたのではなく、僕の思いが飛び込ませたんです。誤解しないでください。」と、それも断腸の思いで言いました。
 僕を後押ししたのは「婆さんのために何とかしたい」という婆さんへの強い思いからでした。
 今でも行政や医者や研究者や名だたる人たちに思い切ったことを言えるのは、僕が気が強いからではなく、婆さんへの思いの強さに他ありません。
 僕は人を信じていきたいタイプですから、いいのか悪いのかわかりませんが、自分が弱い分だけ、きっと受け手が受け止めてくれると信じているんでしょうね。
 思い切ったコメントをありがとう。


投稿者: わだゆきお | 2011年12月01日 17:09

和田さん、みなさん、こんばんは。

 和田さんのコメント・・・マメさんに対する想いが伝わってきて、目頭が熱くなり胸がキューとしました。
 マメさん、どうか・・御爺さん御婆さんが大好きだったらこの仕事をやめないでほしい。そして、いつか・・マメさんの元気あるコメントが見れたら嬉しいです。マメさんの気持ちは痛いほどわかります。だからこそ、この仕事をやめないでほしい・・・。今は、本当につらいと思います。私の住んでいる栃木の近くにいらっしゃるのならば、マメさんの話を伺いたい・・。愚痴でも何でも聞きます。どうか、自分の大好きな御爺さん御婆さんの為にも、この仕事を続けてほしい・・・。


投稿者: 寺内 美枝子 | 2011年12月02日 17:04

マメさんのことを心配してくれている皆さんへ

 マメさんから連絡をいただきましたのでご安心を。きっと介護業界に踏みとどまられることでしょう。


投稿者: わだゆきお | 2011年12月05日 11:53

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
和田 行男
(わだ ゆきお)
高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は大起エンゼルヘルプでグループホーム・デイサービス・小規模多機能ホームなどを統括。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

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