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和田行男の「婆さんとともに」

災害と公益広域仲間

 大変なことが起こった。日本中がテレビにくぎ付けになっているのではないか。僕の仲間もたくさんの人が被災し、いまだ連絡が取れない人もいるが、改めて「つながり」の大切さを考えさせられた。

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 僕がこの大地震を知ったのは広島県庄原市という中国山地に位置する山間の町。連れ合いからの電話で知った。
 テレビの報道を見ながら、首都圏、東北、北海道の仲間にメールを入れる。電話はつながらないと思っていたが、メールがこれほどつながるとは思っていなかった。
 お陰で、被災地の状況を知り・それを日本全国に発信することができたし、被災地の仲間を訪問することもできた。ものすごい威力を発揮してくれたのだ。

11日17時18分 福島県の仲間より
 自分のところは大丈夫ですが浜通り(海側)のグループホームで倒壊、死亡者が出たようです。全く何処とも連絡とれません。情報収集しています。

11日17時31分 北海道の仲間より
 伊達・登別方面は、今のところ大丈夫です。

11日17時34分 茨城県の仲間より
 施設がひとつ停電しています。

11日18時23分 福島県の仲間より
 ものすごい揺れでした。まだ揺れています。道路と水道管は寸断され、ガラスも飛び散り崩壊した建物もありました。瓦屋根はほとんどダメです。利用者は全員無事です。これから一人暮らしの利用者と近所の年寄りをデイに収容してきます。

12日9時14分 福島県の仲間より
 (宮城県の仲間のところ)○○さんは大丈夫です。利用者6名行方不明、1人死亡。施設は壊滅状態。そちらに向かっています。

12日9時44分 青森県の仲間より
  一晩中停電でみんな寒い思いはしましたが、怪我などはないです。少しずつ電力も回復しているようです。

12日9時51分 三重県の仲間より
  青森県八戸の○○さんからの情報では、停電だが大丈夫です。寒さが応えるので石油ストーブを手配しているそうです。

12日10時21分 神戸の仲間より
 支援・応援することがあれば協力します。自分は阪神被災者です。辛かったです。

12日11時8分 北海道の仲間より
  太平洋沿岸地域のグループホームでは何軒か避難していますが、今のところ被害はありません。

12日16時44分 群馬の仲間より
 早速の情報ありがとうございます。群馬は特に異常なくすみました。自分たちでできることを考えています。又情報をいただきたいと思います。

12日17時35分 山形の仲間より
 やっと今、停電なおりました。お年寄りも無事です。断水することもなく、ガスだったので温かい食事も食べれました。宮城県の状況を考えると胸が苦しいです。

13日8時7分 青森県八戸の仲間より
 やっと、さっき電気が復活しました。地震後ホテルに避難していましたが、これから入居者を迎えに行きます。

13日16時53分 宮崎の仲間より
 遠く離れたここ宮崎でも被害はないものの、海沿いにある我が事業所は避難勧告に従いました。被災地とは比べ物になりませんが2日間避難生活をして今朝戻ったところでした。

13日17時18分 山形の仲間より
 お年寄り、職員も直接的な被害がほとんどなく、ひとまず安心しました。しかし、灯油、ガソリンが早速スタンドからなくなり始めており、今後供給がないと、サービスの提供が難しくなるかもしれません。

13日17時23分 福島の仲間より
 現地に居ると周期的に不安が襲ってきます。地震直後に使えたNTTの固定電話とひかり回線が突然使えなくなりました。復旧の見通し無しです。ガソリンスタンドは長蛇の列です。自分は昨日の早朝満タンにすることができましたが、今は1時間以上並んで、10リットルだけに制限されています。緊急地震速報の不気味な通知音と救急車消防車のサイレンの音が響きます。水はまだほとんどの地域で出ません。給水車情報が流れますが、タンクがない、重くて持ち帰れないお年寄りや障害者たちへの対応が行き届きません。仲間の安否確認もできない状況で、ふっと涙が出そうになります。が、たくさんの人たちからの応援の知らせが入るので、ありがたい限りです。さあ又頑張って行きます。みんなありがとう。ちゃんと復旧して今まで以上にします。

13日17時24分 福岡県の仲間より
 いま福岡の仲間たちと何ができるか連絡を取り合って協議しているところでした。義援金を集まられる研修やシンポジウムをみんなで企画したり、物資の集め場所をつくるなど、業種の垣根を越えて仲間のできることを紡いでいこうと検討しています。福岡西方沖地震のときの恩返しを効果的にやりたいと仲間の気持ちは一致しています。

 さしつかえのなさそうなメールを、一部承諾も得ず公開したが、僕も愛知県の仲間、東京の仲間と一緒に車いっぱいの支援物資をもって12日に茨城県に行ってきた。
 それを受け取ってくれた人は「うちも大変だけどもっと北部の人は大変ですから、そちらに持っていこう」と言い、北部の人からは「支援物資をたくさん、たくさんいただきました。早速、袋詰めにして、近くにいる会の人や困った人におすそ分けします。」と。
 自分のところも大変なのに、危険を冒して、顔を見に、物を分け合いに仲間を訪問する仲間たち。遠方にいても、見知らぬ人に対しても何か出きることはないかと考える仲間たち。いや、日本中の人たちがつながっている瞬間かもしれない。
 こんなときこそ、いろんな「つながり力」が威力を発揮するし、発揮させなあかん。頑張ろうぜ!

 僕の所属する会社の職員からこんなメールもきた。
 「地震の瞬間、グループホームのリビングで食器棚とテレビを押さえながら『みんな大丈夫だよ!』と入居者に言いながら、自分に言い聞かせていました。自分がしっかりしなきゃ!と踏ん張りつつ、正直とても怖かったです。東京にいてもあれだけ怖かったのですから、震源地に近い地域の方々の恐怖や悲しみや様々な気持ちは、本当に図り知れません。時間の経過とともに被災地の惨状が報道され、胸が痛みます。天災には人間は非力で予測はできても止めることはできません。でも天災が起こってしまったあとに立ち上がるのは私たち人間です。一人では無理なことも互いに助け合えば成せるはずです。まだ余震もあったりで、自分たちの場所を守るのが精いっぱいですが、まずは和田さんが安心してたくさんの方々の橋渡しができるように自分たちのホームを守ります。だから安心して飛び回ってください。自分たちのホームを守りつつ出きることを1つずつ始めていきたいと思います。」
 今日から大都市東京で電力の供給制限がおこる。コンビニ・スーパーから特定の物がなくなっている。すべては初めての経験であるが、こんな時に略奪も暴動も起こさず、互いを思いやって必死に生きることができる我が日本人に誇りをもって生きていこうではないか。
 和田も和田だからこそできることを一生懸命やります。


コメント


和田さん、みなさんの素晴らしい気持ち・・・心を知り、私も頑晴らなくっちゃっと思いました。
 私は、栃木市に住んでいます。11日は大きい地震があったとき利用者を両脇に抱き寄せ、地震が終わるのを待ちましたが、2度目の地震のとき、非難をしました。自家発電も灯油がなくて出来なく、御利用者に冷たいおかゆのご飯を食べていただきました。
 みんなで協力して行いましたが、所長など、指揮命令が出来るものがいなかったのでみんなで話し合い、なんとか乗り越えました。その時の御利用者への対応など、本当に良かったのかと考えましたが、どうすることが一番よかったのか判りません。
 私に何が出来るかわかりませんが、みなさんのお話を読み、何か出来ることをしたいと思いました。自分に出来ることを探して行ってみようと思います。


投稿者: 寺内 美枝子 | 2011年03月14日 20:22

この度は お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りします。また被災された皆さまにはお見舞い申し上げます。

幸い私の住む地域は特に被害なく、おかげさまで普段と同じ時間が流れております。が、他人ごとではありません。
事業所で災害用に確保していた物資を届けることになり、私は直接動いてはいませんが、複数事業所からの荷物は比較的体力を残した事業所さんまで届きました。

寝たきりの婆ちゃんを介護している80過ぎた爺ちゃんが、自分も何か協力できないかと。

私も私にできることを精いっぱいします。


投稿者: まんまる | 2011年03月14日 22:21

 福岡の仲間からの
 「今まで以上にします」の発信は、厳しい現状の中でのきっぱりとした潔さを感じ、じーんとします。
 本当に私たちにできることをやるのみですね。
 和田さんのマネ(はできないのですが)っぽく、”正確な情報が欲しい”被災した皆さんの思いを、現場に置き換えて、話し合いをしました。
 真に頼りになる情報は?伝え方は?にも及び、この震災にみんながどんなに心が動いているかヲ感じました。何ができるか懸命に考えていきたいです。


投稿者: てんまり | 2011年03月15日 11:24

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
和田 行男
(わだ ゆきお)
高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は大起エンゼルヘルプでグループホーム・デイサービス・小規模多機能ホームなどを統括。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

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