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和田行男の「婆さんとともに」

新年早々のありがたや

 2011年1月11日。なんとなく、こういう日に「違い」を感じるのは僕だけやろか。数字の形って面白いね。
 お正月明けに今日のためのブログ記事を書いたが、アップするのはやめることにした。理由は、昨日起った出来事を書きたくなったからだ。

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 数字の話題が面白いのでもうちょっとだけ続けると、次に全て同じ数字が並ぶのは2222年2月22日。これは平安時代平泉に中尊寺が建立された頃の1111年11月11日以来となるから、この数字を生きて経験する人は「神秘」やね。
 ただし、1111年に「今日は1が並ぶ日なんやなぁ」なんていうことを描けた・描いた人がいたかどうかは???やけど、2222年2月22日は、地球や地球人が無事なら僕と同じように「違い」を感じる人はいるやろし、それをビジネスにしたりお祭りにしたりする人もいるやろなぁ。すごい経済効果やし、きっとお祭り騒ぎやで。その時の僕の年齢は267歳かぁ、大騒ぎできる体力を残してるやろか。
 ちなみに2011年10月11日、今年の僕の56歳の誕生日はこんな感じの数字並び。

 さて去年の11月に、アパート探しで賃貸不動産屋をくるくる回った。そのうちの1件がAという不動産屋で、物件を見て回ったあとオフィスにジャンパーを忘れて帰ってしまったのだが、そのことに気付いたので連絡を入れると、取りに行くまで預かってもらえることになった。
 時間が思うようにとれず、1か月以上も経った先日とりに行くと、A不動産屋のスタッフは、急いで取りに来ることもなく置きっぱなしにしてた僕に文句も言わず・いやな顔一つせず、とてもていねいに対応してくれ、気持ちよく持ち帰ることができた。
 そのジャンパーは、表裏両方が使えるリバーシブルになっており両面ともにポケットがあるタイプだが、僕は表側が気に入っていたので裏側にして着たことはなかった。
 久しぶりに手元にもどってきたので、昨日広島に出かけるのに着て行って気付いたのだが、ジャンパーに異変が起こっていたのだ。
 それはジャンパーを羽織るときに異音がしたので気づけたのだが、何と裏側のポケットに、宅配便に使われる伝票がくしゃくしゃに丸めて10枚ほど突っ込まれており、それがジャンパーを羽織るときに紙が擦れて「シャカシャカ音」を発していたのだ。
 「なんやこれ」
 くしゃくしゃの紙を広げて読むと、A不動産屋に元締めの会社から送り届けた物の伝票である。
 つまり想像すると、「A不動産屋の関係者が客の忘れものであるジャンパーを着て作業し、そのときに伝票をポケットに突っ込んだまま捨てるのを忘れた」ということで、僕の知らないうちに僕が事件の被害者にされていたのだ。
 「どういうことや。店長を出して」
 A不動産屋に電話を入れ僕の怒りをまずは伝えたうえで「調べて連絡ちょうだい」と要望を伝えた。
 A不動産屋の店長は若い店長のように思えたが、1時間後に連絡をくれた。
 「調べてみましたところ…従業員がお客様のジャンパーを拝借して使用しまい…申し訳ありませんでした」と素直に調べたことのすべてを話してくれた。
 そこまではOKだったが、謝罪どまりなのだ。
 「店長、どないすんねん」
 「早々にその者と一緒にお伺いして、謝罪を…」
 みなさんはどう思う。僕は????である。
 「店長、よう考えや。あなたが来るまでこの伝票はこのままポケットに入れておけっていうことなんか」
 「…」
 「つまり、このさき僕はどうしたらええねんって聞いてるんや。この伝票は捨ててもいいんかいな。どないしたらええねん」
 「はぁ…それは捨てていただいてかまいません。よろしくお願いします」
 「大事なものやないねんな。ほんまに捨てていいねんな」
 「かまいません」
 「それがわかったらもういい。謝りにきてもらいたいわけやないで。僕はお宅の物を手にしてどう動けばいいのかを知りたいのに、その指示がないからどないしたらええかわからへんやろな。おたくから何かふんだくろうなんてこれっぽっちも思ってない。ちゃんと調べてくれたし正直に話してくれてありがとね。もうええで。ジャンパーのクリーニングだけはさせてもらってもいいか。お互いのけじめや」
 「大丈夫です。お手数をおかけします」
ということで折り合ったが、最初から「調べた結果の報告」「落ち度への謝罪」「A不動産屋の物である伝票の取り扱い」「スタッフに着られた僕のジャンパーの取り扱い」まで語ってくれていたら、なんてことはなかった。

 僕らもたくさんの苦情等に応じるが、今回のA不動産屋の店長とのやりとりに学ぶべきことが多くある。
 僕自身、事件の被害者であるにもかかわらず清々しい気持ちになれたのだが、それは、誠実に・嘘偽りなく・間違ったことは謝る潔さを感じ取れたのと、やりとりの中で至らなさに弁解をしなかった店長の店長たる覚悟を感じたからであり、いつも苦情を受ける側にいる自分の振り返りをもらえたからだ。
 2011年1月11日にこの記事をアップできたことは僕にとってとてもラッキーだと思う。新年早々ありがたいことだ。

追伸
 港に停泊する大漁旗を掲げた漁船がならぶ。自宅がある知多半島は天気が良く華やかなお正月になったけど、山陰の皆さんは大変でしたね。地球規模で気象に異変が起こっているのでしょうか、心配です。

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 こいつは巨人のストッキング。
 ではなく、漁師さんが作業をするときに着履する「長靴付つなぎ服」。さすがにこれには驚いたわ。
 これも漁港の華やね。なんかリアルやなぁ。僕の後ろ姿を想像するわ。ズンドウ体形。やだねエ。
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コメント


 はじめてコメントいたします。いつもブログ拝見させて頂いております。
 和田さんのブログや皆様のコメントを読みながら、うなずいたり、自分の勤務しているホーム(小規模多機能ですが・・・)の現状を思い浮かべ顔から火がでたり、しております。利用者様への接し方に、悪戦苦闘している毎日ですが、相手に対してどれだけ誠実にできるかが大事なのだなと、感じました。
 これはご家族様、スタッフに対しても同じであり、「誠実」と通じて「信用」してもらえることで「信頼」が生まれ、ケアにつながるのかと、あらためて思いました。


投稿者: コン | 2011年01月11日 23:57

 利用者さんと買い物にでかけた。散歩中の小型犬をみつけてその方が言ったのは、「かわいい!」ではなく「かわいそう!」。紐でつながれ、人の動きに合わせて、ちょこちょこ歩かされ、ああいうの見るとかわいそうだと思っちゃう。のだそうです。

 別の方に。「あんたっ。ごめんなんて言うんじゃないよ」と叱られた。そっか、謝ればいいってもんじゃないし、言うならやるなって話だよなあって、反省しかけたその時「ごめんなんて言ったら、弱い人間だと思われるだろっ!」

 必ずしも表現は言葉だけじゃないけど、全ての人に毎日毎日いろんなことを生で教わっている。ほんとつきないなあと思う。


投稿者: 桃まんじゅう | 2011年01月14日 21:09

 昨日岡崎の管理者研修に参加させて頂き、和田さんの講義にとても感動しコメントさせて頂きました。
 介護経験は4年でまだまだ未熟者だと思っているので、管理者研修への参加に対しては正直ためらいもありました。日々、その日の業務をこなすことに追われ、利用者の事を考える余裕も失くしかけていたのですが、先生のお話を伺って介護に対する姿勢が変わるような気が致しました。
 帰りにエレベーターでたまたま先生と一緒になり感謝の言葉を伝えたかったのですが、緊張してしまい何も言えなかったのでこの場を借りてお礼をさせて頂けたらと思います。沢山の参考になるお話をありがとうございました。


投稿者: まだまだ未熟者 | 2011年01月15日 17:04

 移乗介助にあたり、ふと考えました。情報が少ない中で介助方法も決まっていません。どうしようかなと迷ったら、2つの選択肢が浮かんできました。
 ひとつは、基本的に自力で全くできないと仮定すること。もうひとつは、基本的に全て自力でできる、と仮定すること。
 私の頭ん中を後者にしてみました。できるはずだけど、どこかの不具合でできない→どこだ?→ひとつひとつの動作を確認する→できない部分だけを助けるORできない部分をできるように助ける。たとえ同じ全介助だとしても、後者ルートの全介助は可能性を秘めている気がします。

 仕事を知らなかった頃は当然のように前者を選択していた。前者と仮定すると、あんな介助方法になり、あんな結果になってしまう。情報があってもなくても、今日も明日も、考える頭でいたいなと思います。巨人ストッキングと関係のない話でごめんなさい。


投稿者: ばーばら | 2011年01月16日 01:01

まだまだ未熟者さんへ

岡崎会場は寒かったねぇ。案の定、今日の名古屋は歴史的降雪。僕的には車をツルツル走らせられて楽しかったですが。
僕も23年未だに未熟者を続けています。未熟だからこそ一生懸命考えて、力を尽くさないとみんなと話せないんです。
僕は、いつまでも「まだまだ未熟者」と名乗れる自分であることが目標です。 次にどっかで会ったら声をかけてくださいね。


投稿者: わだゆきお | 2011年01月16日 19:30

 先日は、愛知県認知症対応型サービス事業管理者研修の講師をして頂きありがとうございました。また、色々と不手際もあり、ご迷惑をおかけし申し訳ありませんでした。
 講義の中でのプロと素人の違い、改めて考えさせられました。
 28日のセミナー楽しみにしています。


投稿者: 井上 | 2011年01月16日 22:48

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
和田 行男
(わだ ゆきお)
高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は大起エンゼルヘルプでグループホーム・デイサービス・小規模多機能ホームなどを統括。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

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