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和田行男の「婆さんとともに」

過用・誤用・廃用

 このタイトルの言葉、みなさんは聞いたことありますか?
 この中で一番有名なのは「廃用」でしょうね。でも一般的に一番使われるのは「誤用」でしょう。誤用は、パソコンでも「ごよう」と打てばすぐに出てきますし、辞典にものっていますが、あとのふたつはどうも「性」と「症候群」をくっつけて専門用語として使われることが多いのか、そのままでは調べることが難しい言葉です。
 僕は「過用」という言葉を初めて知りました。それを知ったのは、先日行われた理学療法士・田中義行さんの出版記念セミナーでした。

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 セミナーに来られていた人のほとんどは介護職のようでしたが、3つとも知っている人はいませんでした。療法士の世界では教育過程で使うので、療法士はさすがに知っている・使っているようです。
 「過ぎたるは○○のごとし」とは先人の言葉ですが、「過用」とはまさに先人のおっしゃるとおりで、オーバーワークと記せばピンとくるはずで、要するに「使い過ぎ」ということです。過用性筋力低下などと使うようです。ネットで調べると「農薬にある物質を過用すると…」なんていうように使われています。
 「誤用」は日常的にも使う言葉で、辞書によると「通常、言葉について云われ、ある言葉の伝統的・慣用的な意味や用法とは異なる、間違った意味や用法で、その言葉が使われることを云う」となり「言葉や単語の意味における誤用以外に、ある特定の目的や用途をもつ物品や道具などが、本来の用途以外の目的などで使用される場合にも、誤用ということがある」とあります。要するに僕らの世界に当てはめれば「間違ったやり方」という意味の使い方になります。これはネットで調べると、辞書が言うように「間違った言葉づかい」に関することが多いです。
 「廃用」は介護の仕事の中でも近年ベストセラーとも言うべき言葉で、誰もが聞いたことがあるはずです。要するに「使わないと使えなくなる・低下する・衰退する」といったところでしょうか。
 田中さんは、介護現場には「過用」「誤用」「廃用」が蔓延し、高齢者にとって悪影響が出ていると指摘していました。
 実例として、歩く能力がある人であるにもかかわらず車椅子に乗せられ(誤用)、その結果歩けなくさせてしまっている(廃用)。一人で車椅子からベッドへの移乗ができる人なのに全介助(過用)して、移れないことを固定化してしまっている(廃用)。予防できた人なのに手立てをたらず拘縮させてしまっている、拘縮を改善できる人まで悪化させている。
 など、実際に現場で起こっている状況を解き明かし、問題点から「どう考え、先をどう読み、今どう手立てをとるか」までを説いていました。
 田中さんのセミナーでは映像を使ってポイント解説してくれましたので、話されていることがイメージできてわかりやすかったです。
 新大阪でもう一度出版記念セミナーが開催されますので、ぜひ行ってみてください。

 和田的には、僕の管轄するグループホームの職員が自主的にこのセミナーに参加していたことが、とても嬉しく思いました。この話は婆さん支援でも同じですが、どうも身体介助に関する話は関係ないと思っているところが認知症に携わっている職員たちにはあるのが気になっています。介護現場で仕事する介護職たちが「過用」「誤用」「廃用」の3兄弟を知るだけで、施設利用者の姿が変わると思います。
 その知を力にして、単なる筋力のことや機能面だけで思考するのではなく、生活全般に3兄弟を落とし込んでみてください。そうすればもっと「施設利用者たちの生きる姿」が「私たちが生きる姿」に近づき、いかに私たちが「私たちが生きる姿」から遠ざけることに手を貸してしまっていたかが見えてきます。
 今週は、田中さんのサポーターとして参加させていただいたセミナーから、生活支援においてとても大切な言葉を届けさせていただきました。
 テレビCMに出てくるメタボ三兄弟に負けないくらい有名にしなくっちゃね。
 かよう・ごよう・はいよう三兄弟 よろしく!

ご案内1
理学療法士 田中義行さんの著書
「潜在力を引き出す介助」刊行記念セミナー

《大阪会場》
日 時:平成22年9月12日 9時50分受付 10時20分-16時
場 所:チサンホテル新大阪(淀川区中島)

主 催:中央法規
参加費:5000円

 友人の理学療法士田中さんの出版記念セミナーで、和田はサポーターとして移乗介助などの被介護者役とトークで出演。僕で務まるかなぁーとやや不安ですが、初めての経験にワクワク・ドキドキでもあります。
 田中さんは、いつも和田が説く「介護」ではなく「支援」という視点から、動作介助の方法を伝えてくれます。
 申し込み方法などは中央法規ホームページ、ブログ「けあサポ」に掲載されています。まだ間に合うようなので、ぜひ来て見てください。
問い合わせは 03-3397-3878 中央法規営業部営業課まで

ご案内2

 以前ブログでご紹介した「あほ友」のやっていることがテレビで放映されます。番組の中で柳沢慎吾さんが各地を回って紹介するという番組内容です。
 島根県益田市で何か所か紹介され、そのうちのひとつです。残念ながら中国四県のみの放送ですが、圏内の方は見てやってください。

 番組名:「人気もん!」 
 テレビ新広島・岡山放送・山陰中央テレビ 朝9時30分~10時
 山口テレビ 朝10時25分~10時55分


コメント


 なるほど!おもしろい!!
 過用・誤用・廃用、特に 「誤用」 に関しては、介護の現場で、「そのやり方は違うでしょ」と、感じるする介護者に、おもしろおかしく指摘する場合、テレビの時代劇で岡っ引きが、十手片手に悪人に 「御用だ(誤用だ)」 と迫る、あの感じで 誤用 の介護者を 御用にし、捕らえ、気づき、学ばせる現場教育は、おもしろそうだと、一人盛り上がりました。
 介護者を 犯罪者扱い するわけではありませんが、利用者の、出来る機能、能力を低下、失わせるのなら 悪人的 な存在ではあるでしょう。
 和田さんの著書にも 「 支援という名の 介護者による代行 」のフレーズは、ずっと心に突き刺さっています。 
 和田さんの講演、ブログで、常に感じるのは 「 言葉をとても大切にしている 」事だし、また 「 その知識、情報を噛み砕いて 自ら消化し 本当に自分の言葉で 分かりやすく 」話されているように感じます。 だから心に響くんでしょうね。


投稿者: まんたろう | 2010年09月15日 05:28

まんたろうさんへ

 ほんとにありがとう
 この日のブログにはコメントがなく、不憫な思いをさせていただけに、この記事も浮かばれるというものです。
 御用・御用ですか。
 面白いことを思いましたね。
 言葉そのものににこだわっている訳ではなく、言葉の向こう側に見え隠れするものと、実際を重ねると、よく見えてくるんです。
 つまり、みたいんでしょうね。好奇心が僕の軸なのかもしれません。
 これからも、よろしく。


投稿者: わだゆきお | 2010年09月21日 15:56

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
和田 行男
(わだ ゆきお)
高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は大起エンゼルヘルプでグループホーム・デイサービス・小規模多機能ホームなどを統括。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

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定価:¥1,680円(税込)、10月20刊行
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タイトル:『認知症になる僕たちへ』
著者:和田行男
定価:¥1,470(税込)
発行:中央法規
→ご注文はe-booksから
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