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和田行男の「婆さんとともに」

つぶやき

 いま、坂本竜馬が熱い。坂本竜馬をとりあげたドラマが放送されているが、それを垣間見て、坂本竜馬は超一級の「介護」職になれるなぁと思う。

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 坂本竜馬のことをよく知らないので正確ではないかもしれないが、彼は「世界におけるにっぽん」のために変革を志向し、そのために必要なことを手立てしていったようだ。
 誰も思いつかなかった長州藩と薩摩藩の大連合は特筆すべき手立てだと思うが、それも一朝一夕に実現したのではなく、あれやこれやの困難を乗り越えて、あの手この手を駆使して実現したようだ。しかも当時は命がけである。
 僕らの仕事もそれに通じるものがある。
 まずは目の前の人の生きる姿を描く。これが目標である。その獲得すべき目標に向かって必要な手立てを思考し、その思考に基づいて行動を起こしていく。簡単にはいかないし、描いたとおりにはいかないが、獲得目標を実現するために力を尽くすことを惜しまない。自分ひとりでは獲得できないため、仲間=チームを形成して目指す。
 長州藩と薩摩藩をとりもつところなどは、施設で関係性がうまくいかないAさんとBさんをとりもつようなもので、とりもつためにあきらめないで次から次へと新たな手立てを思考し行動に移す坂本竜馬から学ぶべきことが多い。しかも彼は、恩師が投獄されたときも脱藩した土佐に戻り、西郷が来ると約束した下関に来ず京都に入ったことを聞いて京都に入るなど、危険を顧みず自分の目で確かめにいく・確認しに行くところがすごい。今のような交通機関はなく、数時間では果たせないのにである。
 ドラマをとおして坂本竜馬の生き様を見ていると、それが事実かどうかなんてどうでもよく、力を尽くす様に感動するが、同時に国民から感動されるほどに自分自身が力を尽くしているか自問自答してしまうからつらくもある。
 僕らも坂本竜馬ほどまではいかなくても、国民から信を得てこの仕事をさせてもらっているのだから、国民のために力を尽くすのが当然なのだが、どうも甘さが抜けきれない。
 先日、脳梗塞を起こして1年後にもの忘れが顕著になってきた母親のことが心配でケアマネに相談したら「としだから、そういうこともあるわよ」と言われたが大丈夫だろうかという相談を受けた。
 心配で相談したのに、このケアマネはなお一層心配が膨らむような回答を簡単にしてしまっている。ぜひ坂本竜馬を見て「尽力するということを学んでもらいたい」と言いたいところだが、自分にも同様のことがいっぱいあり、他人のことは言えないのだ。
 ひとのふりみて我がふりなおせとは先人の教えで、他人のふりをみて自分のふりを見つめなおせということだが、坂本竜馬のふりを見て、自分自身の仕事ぶりを見つめなおす機会にできれば、受信料なんて安いものだ(と言い聞かせている)。
 ただし、見つめなおさなければならないことだらけの僕のようだと、受信料を払ってまで自分を辛いところに追い込んでしまう番組に腹が立ってくるけどね。ハハハ。
 ちなみに僕も高知県出身なのだが…。


コメント


 つぶやき。
 「職人」って響きに憧れをもち、もちながら竜馬の話に触れ、触れて辞書をひき「職人気質」にたどりついた。いつしか「介護職員」から「介護職人」と言いきれる仕事人になりたい!今日この頃。


投稿者: ばーばら | 2010年08月09日 00:38

ばーばらさんへ

 介護って職人ですよね。僕はずっと職人だと思っています。何もかもエビデンスや積み上げてきたものに決定付けられるのでなく「応変」が重要な仕事ですが、基礎・基本がなければ応じて変化させられないですからね。
 また基礎・基本も伝承を鵜呑みにしてはだめで、常に検証しながらすすめていく地道さが、まさに職人技ですよね。
 医師や療法士も似ているかな。
 僕は随分と錆びてきましたが、昔とったきねづかで何とか「職人面」させてもらっています。


投稿者: わだゆきお | 2010年08月09日 10:55

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プロフィール
和田 行男
(わだ ゆきお)
高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は大起エンゼルヘルプでグループホーム・デイサービス・小規模多機能ホームなどを統括。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

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